今日こそ君に好きと言いたい

──…さむ。
( 空が橙から紫へと色を変え、部員の後姿を見届けた後、部室に一人箒を持って佇み。結局朝のホームルーム以降、授業中は疎か部活動中にも彼とは一切口を聞いておらず、吐き捨てられた台詞が胸中に蟠ったままで。何時まで経っても素直になれず、最終的には喧嘩に発展してしまう己の情けなさや不甲斐なさを自覚している一方で、怒りや嫉妬、哀情を抱いてもいる。数多の複雑な感情がぐるぐると渦を作り重くのしかかっているのを感じつつ、必死に手元を動かすものの、もう一人の男バレのマネージャー──萌々の事が好きなのだろうかという不安が常に脳を支配し。然し其の雑念を取り払おうとぽつり一言呟くと、それを皮切りに緩慢だった手の動きを機敏に、清掃だけに意識を集中させ。 )


( ／本当ですか！人物像が上手く一致した様で安心致しました。そんな智貴くんを見て、内心ヤキモチを焼いたりハラハラしてたりするあずさ…というのが容易に想像できます(←)なんと…！此方も「萌」の字が一番最初に思い浮かびました！萌々という名前がピッタリだと思いましたので、早速ロル内で出してしまいましたが、萌々ちゃんで決定してしまって宜しいでしょうか…！

そうですね…中々簡単ではなさそうですよね。基本ツンケンしてて今回もきつく当たってしまったあずさですが、ちょっとでも頑張ってくれたらなと背後も思っています笑 )

やっぱり、此処だったか。
（ 昼間に比べ気温も一気に下がり、冷えた空気が頬に当たる。あのまま最後まで言葉を交わす事はなく彼女との間に気まずい空気が流れている様で。当初の予定とは遥かに異なるが、ここで帰ってしまっては何も意味がない。冷たい風に当たり頭を整理すると、部室の前まで戻ってきた＿＿は良いが、扉に手を掛けた所で開けるのに躊躇し。何て声を掛けようか、何と言って謝ろうか、今朝の発言の真意は…と様々な事が頭を巡っていた所で、隣の部室の扉がガラッと音を立てて開き。驚いた拍子に扉を開けてしまい、小さな背中を視界に捉えるとドッドッと心臓が音を立てるのを感じて。素知らぬ顔で態と置いていったタオルを手に取っては偶然を装い ）


（ ／〝萌々〟を採用して下さり有難うございます、大丈夫です、むしろとても嬉しいです。この先もしもロル内で萌々を登場させる事があれば、お互い自由に動かすことにしましょう！
あずさちゃんがキツく当たるのも当たり前です、智貴はあずさちゃんの心が鉄のハートだとでも思ってるんでしょうかね…。背後様と一緒に二人を見守りたいと思います…！）

（ 最早痛みを齎す程の冷気が頬を刺し、まるで不甲斐ない己を責め立てているみたいだ。無心で清掃に集中しようとすればする程余計な思考が脳裏を過ぎり、軈て緩りと手を止め掛けたその時。部室の扉が唐突に開いては聞き慣れた声音が鼓膜を刺激する。反射的に振り返ると、案の定予想通りの人物が如何やら忘れ物を取る為に再び此処を訪れた様だが、顔を合わせ辛いのか単なる意地か、視線を合わすまいと直ぐに顔を前へ向け。彼に背を向けた侭黙り込むのも明からさま過ぎる、かと言って機嫌良く話しかける気は毛頭ない。つい先刻まで、素直になれない自分を悔やんでいた気持ちは何処へやら、沸々と再度湧き上がる幾多もの感情に追い立てられ、結局本人にとっては気を利かせたつもりの見当外れな素っ気ない一言しか出て来ない様で。 ）
……萌々、ちょっと前に下駄箱に下りてったと思うけど。


( ／良かったです…！はい、折角なので萌々ちゃんも状況に応じて沢山登場させて行きましょう＊
いえいえ、あずさもかなり理不尽に当たってしまってますのでお相子です。そうですね、では再び背後は下がらせて頂きますね…！また場面転換の際や相談の際には顔を出しますので…！ )

は？……何で萌々ちゃん？
（ 上手く演じる事ができ安堵したものの此の後の事までは考えておらず、さて此処からどうするか…頭を働かせようとした其の時に相手から発せられた一言。マネージャーとは先程己も擦れ違ったため既知の事だが、何故今その事を自分に向けて言ったのか。待ち合わせをしていた訳でも無ければ別段用事もない。そもそも相手とはあの一件以降何の会話もしていないし、萌々の方も特に用事は無さそうであった。何故この場に居ないマネージャーの名前が出てきたのか、幾ら考えても其の答えは見つからない。未だ背を向けている侭の相手からは其の意図は伝わって来ず、お互いの息遣いしか聞こえない静寂の中でぽつりと聞き返して ）


（ ／ 了解致しました！それでは此方も一旦引っ込ませて頂きますね。）

あんた、萌々は男に襲われそうだとか言ってたじゃない。送ってったりするんじゃないの？
( 平静を装って再び動かしていた手元がぴたりと止まる。それもその筈、愛想がないにしろ折角気を遣って萌々の居所を教えたと言うのに、返ってきた言葉は予想もつかぬ物で。疑問符を浮かべた彼に此方も同様に疑問符が脳を覆い尽くす、今朝方の自分の言葉を忘れたのだろうか。今すぐにでも思い切り振り返り発言の真意を問いたい状態ではあるが、如何にも顔を合わせたくはなく。大して埃も汚れも見当たらない床を掃き乍、寒さで僅かに縮こまった背中を終始彼へと向けつつ此方の発言内容の意図を抑揚のない平坦な声音で淡々と告げて。よもや彼が送ろうとしている人物が己等とは微塵も思っていない様。 )

あれは別に大した意味はねぇよ。それに何で俺が送ることになってんだ…俺彼氏じゃねぇし。
（ あの発言は相手を揶揄いつつ其の場を凌ぐための物に過ぎなかったが、思いの外彼女の中には残っていた様で。更に萌々の居場所を知らせた件も含めて彼女の言い様では丸で己が萌々のことを好いている様ではないか。此処で〝俺が送るのはお前だよ〟なんて言えたならここ迄拗れる事は無かっただろう。しかし勘違いされた侭では困る、言葉足らずではあるが確り否定して。彼女の突拍子もない発言の意味が解った気がして一息つくと徐々に視野も広がり。身体が冷えない内に終わらせて帰ろうと立て掛けてある箒を手に取り「まだ今朝のこと根に持ってたのかよ」と笑い飛ばし乍近づいた所で彼女の持つ箒が目に入りはた、と動きを止めて。今日一日不機嫌だった理由、まさか己が萌々と帰りたいが為に彼女を利用したと思っているのでは…そこ迄考えると事の重大さにやっと気が付き ）
違う、お前に掃除させたのと萌々ちゃんは全く関係ないから。…誤解させるような事言って、悪かった。

( ／引っ込んだばかりだというのに、再度の顔出し失礼致します…！先ずは三日ほどお時間を空けてしまい申し訳御座いません。現在、検定を取る為の勉強が忙しく来週末までお返事をするのが難しく…少しの間お待ち頂けると幸いです。 )

（ ／ いえいえ、リアル優先としていますので謝る必要はありませんよ。ご連絡有難うございました。それならば、此方のことは気にせず勉強に専念なさって下さい。
ついでにと言っては何ですが、此方も先に予告を。実は2月の3週目に試験がありまして、2月の頭頃から長い間浮上が少なくなることが予想されます。申し訳ありません。
それでは、背後様が合格しますよう智貴と共に応援しております！ ）

( ／背後様、お久しぶりです。先ずは、何の連絡も寄越さずに約二ヶ月間顔を出さず本当に申し訳御座いません。検定終了後、流行病に罹ったりそのまま試験の勉強へと入ったりと忙殺されていまして、連絡するという事が頭から抜けてしまい…未だいらっしゃるか分からないのですが、如何しても謝罪をしたく顔を出させて頂きました。そして烏滸がましいかとは思うのですが、もし宜しければ再びお相手としてやり取りして頂けたらなと思っております。長々とお話してしまい済みません、それでは失礼致します。 )

（ ／ お久しぶりです、背後様！ご連絡有難うございます。そうだったのですね、それは大変でしたでしょう…お疲れ様でした。そしてまだ疲れもあるでしょうから、お身体は大事になさって下さいね。
いえいえ、とんでもないです。忙しい中、またやり取りしたいと思って下さっただけでも有難いです。此方もなかなか来られない時もあるかと思われますので、あまり気に病まないで下さい…！またお相手して頂けると言うのなら、勿論喜んでお受けします！ぜひお願いしたいです。それではお返事お待ちしております。 ）

( ／わわ、背後様…！お久しぶりです、まさか再び相見える事が出来るとは思わず吃驚しております。此方が非礼をしでかしたにも関わらずお優しいお言葉の数々有難う御座います。
加えて再びお相手をして下さるとのこと、本当に感謝の気持ちで一杯です…！ペースにつきましてもご無理のないようお身体にも気を付けてリアルを優先にして下さいませ＊二度目になってしまいますが、お優しいお言葉感謝致します。それでは次に背後様からお返事がありましたら、本編の方を続きから書かせて頂きます。もし新しい場面からが良い！等要望ありましたら仰ってください…！ )

（ ／ いえいえ、そんなそんな！ほんの数回のやり取りで自然消滅してしまうことも少なくないこのセイチャットで、背後様と再びお会いすることが出来ただけでも嬉しいです…！こちらこそ有難うございます。
そうですね、新しい場面だと今の流れが中途半端になってしまうと思いますので、このまま続きからで宜しくお願いします。 ）

──…え、
( 規則的に床を往復している箒の先にじい、と視線を落とし乍暫し沈黙に耐える。もし質問に肯定されたら愈々彼の意中の相手は斯の可愛いマネージャー、萌々という説が濃厚になって来る訳であり、何気ない風体を装った傍ら心中で覚悟を固め。然し返ってきた言葉は予想もつかぬもので動揺からか思わずぽつりと声零し、冷えていた心臓が一気にとくりと脈打ち。近付いてくる気配に誰のせいだと言ってやりたい気持ちもあるが、双方の雰囲気が弛緩した中、彼の一連の行動の弁解を告げられると今まで頑なに其方に向けなかった顔をバッと凄まじい勢いで彼へと遣り。柳眉は吊り上がり怒りを拵え乍も、今にも泣きだしそうな、何処か安堵も感じられる表情を浮かべやや強めに彼の腹を殴り。 )
──ッ、言葉足らず！馬鹿！最初からそう言いなさいよ！


( ／何度もお優しいお言葉感謝致します；；此方も背後様と再びこうしてやり取りが出来て嬉しい限りです。畏まりました、続きから書かせて頂きましたが多少也のブランクがありますので、文が分かりにくかったり可笑しかったりした際は言って下さればと思います…！ )

ぃいってぇ……。…はあ？いやだってお前がそんな怒ると思わねぇだろーが！
（ 後ろめたい気持ちに視線は相手の足元まで下がり。相手の爪先が此方の方へ向き、彼女が振り返ったのだと気付いた瞬間、無防備な腹に拳骨を喰らってしまい。痛さに顔を歪ませ患部を撫でながら、謝ったのに何故殴られなければならんのかと不服そうにちらりと睨み。勢いに任せ言い返したが、相手の表情を見るや否やぎょっとし。今にも泣きだしそうにも見え焦りを感じたが、そうさせているのは紛れもなく自分であり。己の言動に一喜一憂する姿も悪くない…悪い考えとは分かっていつつも、ちょっとした悪戯心が芽生え。にやにやとした口元を手で隠すように添えながらそそそっと密着しそうな程に距離を詰めると、実際の所はどうか分からないが見透かしているぞと言いたげに ）
なに？もしかして、萌々ちゃんに嫉妬でもした？

（ ／ 申し訳ありません、気付くのが遅くなりました…；；変わらぬ美しい文章で何も問題などはこざいませんよ！此方は相変わらずの遅レスで申し訳ないです…。 ）

( また手が出てしまった、と愚行を省みる余裕もなく、未だ握り締めた侭の拳を行き場もなく彷徨わせ。綯い交ぜになっていた感情が怒濤に零れると同時に、双眸には水の膜がじわり。抗議する彼の気持ちも分からないでもないが、其処を考慮する余裕もまたある筈がなく、眼光鋭く目一杯に睨んでやり。一度気持ちを整理する必要があるだろう、そう朧に考えていると途端ににやついた顔と共に彼との距離が零に近づく。怒りや安堵がすっ飛びやや体勢を反らすや否や、まるで己の心が見透かされているかのような図星の一言を貰い水の膜が瞬時に乾き。動揺も束の間、徐々に紅に染まっていく頬を見られまいと力の限り彼を押し退けると、これでもかと声量を大にして全否定し、続け様手元の箒をロッカーに押し込み鮮やかな頬を誤魔化すように足早に出て行こうと歩き出し。 )
～～ッ、そんなわけないでしょ！気持ち悪い勘違いしてんじゃないわよ！も、もう帰る！


( ／一先ず問題がないようで安心致しました…！いえいえ、どうか返信ペースの方はお気になさらないで下さいませ！随分とお待たせしてしまった此方が言う台詞ではないと思いますが、お互い無理のないペースでやっていきましょう…！ )

…あ！おい！
（ 僅かに赤く染まる頬が目に入り、彼女のしおらしい姿が見られるかもしれないという小さな期待を抱くも、押されて蹌踉めいた体と共に儚く散る。一瞬、あれは見間違いだったのか…いやいやそんな筈はない…と思考を巡らせたが、箒を持ったまま部屋の中心に取り残されては慌てて彼女に倣いロッカーに箒を仕舞い大股で追い掛けて。掃除を手伝いつつさり気なく一緒に帰るつもりが、危うく一人置いて行かれそうになる始末。先程の問い掛けも半分は本気で言っていたこともあり、己の言動の恥ずかしさを隠すため冷静を装い、戸締まり担当の相手を咎めながら背後から肩をとんと叩き ）
帰るじゃねぇよ、お前が鍵持ってんだろ。俺置いて行ったら誰が閉めるんだよ。


（ ／ そうですね、有難うございます…！暫くはこのレスペースになりそうです。それでは、引き続き宜しくお願い致します。何も無ければ背後は一旦下がりますね。 ）

…たしかにそうね。
( 頬に蟠り過ぎた熱を、外の新鮮な冷気に触れ一刻も早く追い払おうとしたものの、肩口を軽く叩かれるとはたと足を止め。やや傾ける程度に顔を其方へ遣り、正論である彼の的を得た言葉に此方も冷静な思考を取り戻したのか、一度双眸を瞬かせ。バツの悪そうな表情と共に、渋り乍も同意を示せば徐ろにポケットにある鍵を取り出し。ぐるりと一度部室内に視線を巡らせ、清掃が行き届いているかを軽く確認した後、扉の近くに立ち急かす様に催促を。どうやら言葉のニュアンスからして、彼と二人で帰るという考えは聡い脳内には浮かんでいないようで。 )
じゃあ早くあんたも出て。もう戸締りして帰るから、私。


( ／畏まりました、此方こそ宜しくお願い致します。では此方も下がらせて頂きますね。 )

え？や、俺も帰るし…うん、……うん。
（ 素直に指示に従おうとしたが、その後に続く言葉が何か引っ掛かり首を傾げ。勿論己も忘れ物をしたという設定のもと戻って来た訳で、これ以上放課後の学校に用はない。彼女にも伝えた筈で、態々言わなくとも自然と二人で帰る流れであろう。然し何故こんな言い方を…と悶々とし、曖昧な返事を返し乍戸締まりの邪魔をしないよう部室の外へ。窓の外へ目を向けると空は薄暗くなっており、より冷え込んでいるだろうと想像した所であっと閃き。帰るというのは自宅にではなく、何処か寄って行く所があるのか。そういう意味合いならば納得も行く。此方には訊きたい事があったが、途中迄なら並んで歩けるだろう。そう自分の中で結論付けると鍵を手にする相手に尋ねて ）
お前このあと用事でもあんの？

…別になにもないけど…、
( 鍵を掛ける前にちらりと窓を一瞥すると、視界に入る薄紫に染まる空。集中して蟠った熱を覚ましてくれた冷気も、気が付けばより一層温度を下げ今では身が竦む程に露出した肌を刺激している。無駄な寄り道をせず直帰しようと思案しつつ、伽藍堂になった部室に確りと施錠をしている途中、巡らせた思考に被せる様に端的な問がぽつりと投げ掛けられ。がちゃり、とロックされた音が静かな廊下に木霊する中、質問の真意を捉えかねてか、訝しげに眉を顰めて彼の方を見遣りやや言葉を濁して。互いの考えが微妙にすれ違っている事には気付く事が出来ず、矢張り未だ二人で帰るという結論まで辿り着かないのか率直に尋ね返し。 )
なによ、何が言いたいの？

（ ／ 背後から失礼致します…！ここ最近少し忙しく、なかなか時間が取れずにいるまま気が付けば一週間経っていました…申し訳ありません…。すぐ明日にとは行かず、お返事はこの週末になってしまうかもしれませんが、もう少しだけお待ち頂けると幸いです！ ）