交わることのない糸 (募集)

え、え…！？(近づいてきた相手に驚き顔を見れば、昨日ぶつかってしまった人で、生徒手帳の行方の手がかりがあるかも、という微かな希望を抱き、相手の言葉を待つ、)

あー
怪しくないから、って言っても説得力ないか…
（しまりが悪そうに頭をぽりと掻いて）
えっと、昨日ライブハウス来てたよね？
生徒手帳拾って、返そうと思って…
（カバンから彼女の生徒手帳を取り出して差し出して）

あ、怪しいだなんて思ってませんよ！
(首を振り相手の言葉を急いで否定する、)
あ、はい…。ほ、本当ですか！？ありがとうございます…！
(心から安心したように笑えば相手から生徒手帳を受け取り深く頭を下げて、)
でもわざわざ届けてくれなくてもよかったんですよ…？

ホント？
それならよかった
（ホッと胸を撫で下ろして）
交番か学校に届けようかとも思ったんだけど
名前…
あゆりちゃん、って言うんだよね
なんか耳に残ってて
昔、どっかで会ってたのかなって気になって
…って、言っとくけどナンパじゃないよ？！
（話しながら、誤解をしないよう慌てて念を押して）

珍しいから、かもしれませんね。(検討違いな少し笑って見せる)
はい、分かりますよ？(と答えればさっきから似たような事言ってるなぁ、なんてくすりと笑う)
これも何かのご縁ですし、このあとカフェでも行きませんか、？(笑いながら首をかしげて見せる)

まぁ
確かにちょっと珍しいよね
それで、なのかなぁ？
（いまいち得心いかない様子で首をひねって）
あ、わりー
ヘンな誤解されんのやだから
（笑われるとバツが悪そうに頬をかいて）
あー
せっかくだけど、オレ、このあとバイトだから…
って、カフェか
オレのバイト先、カフェなんだけど
よかったら来てみる？
（予想外の申し出にちょっとびっくりしながら、どうかなとたずねて）

きっと、そうですよ！
(こくこく、と頷いては笑い)
変な誤解ですか…でも優しそうだからないと思いますよ、？
(相手の言葉に苦笑いしては、相手の顔を見て一言付け足して、)
そうですか…。そうなんですか！ではお邪魔させて頂きます。
(相手の回答を聞き残念そうにしたがすぐにぱぁ、と明るくなり大きく頷く)

優しそう？
オレってそう見えるの？
（きょとんと目を丸くして）
そんなの初めて言われた

ホント？
歓迎するよ、ここからそんなに遠くないから
乗って
（嬉しそうな表情を浮かべて
自転車にまたがると、後ろを振り向いて荷台に乗るよう促して）

ええ、見えますよ、(こくりと頷き微笑む)
そうなんですか…？よく言われそうですけどね…(と、)

ありがとうございます…(といえば荷台に乗り)

えっと
どこか掴んどいてね
（注意すると、ゆっくり自転車をこぎだして）

まぁ、喜んでいいんだよな？
そのおかげで怪しまれずに済んだわけだもんな
（自転車を走らせながら少し浮ついた声でたずねて）
あ
オレ、御影陽向
○×高校２年、よろしくな

はい、(といっても掴まる所が無く、相手の服を握ることにし、)

いいと思いますよ、そうですね、！(くすくす、と笑いながら頷き)
あ、えっと、私は……って生徒手帳みたなら知ってますよね、(と苦笑い)よろしくお願いしますね、

えっと…神崎あゆりちゃん、だよね？
あ
言っとくけど裏表紙しか見てないから
(手帳の他のところは開いていないことを強調して)
そう言えばさ
ライブハウス、どこか目的のバンドがあって来てたの？
(信号待ちで自転車を止めると、後ろをﾁﾗｯと見て気になっていたことをたずねて)

はい、そうですよ、！
？？別に見てもいいですよ？
(何故強調するのか分からず首をかしげて、)
えっと、友達に誘われて陽向さんのグループ見に来たんですよ、
(と笑いながら言う、)

そうなの？
ま、生徒手帳なんて見られて困るようなメモとかしたりしないか
（自分の取り越し苦労に苦笑して）
マジで？！
てか、オレ、バンドやってんの知ってたの？
（今度は心底びっくりして、まじまじと彼女の顔を見て）

はい、あっ……
(頷いた後、見られちゃいけないやつあるわ…と思い思わず黙る)
友達が大ファンですから知ってますよ、？
バンドかっこよかったです、
(ふにゃりと笑いながら、)

ん？どうしたの？
（あっ、の後言葉が続かないので疑問に思って
信号が変わって自転車をこぎ出したので彼女の表情を確かめることができずに）
へぇ、すげー偶然だなぁ
おぉ、サンキューな
（自転車を走らせながらウキウキした気分になって）

な、なんでもないですよ…！(と苦笑いし、)
そうですね、！
また見に行きたいです、
(と笑いながら言って)

そう？
（ちょっと気になったけれどしつこく聞くのもどうかと思い）
あぁ、ぜひ来てくれよ
とは言え、まだ次の予定はないんだけれどな
（こちらも苦笑いして）

ええ、！
(こくりと頷き)
そうですか…決まったら、教えてください、(あは、)

着いたよ
(こじゃれたカフェの前で自転車を止めて)