二振りの山姥切(〆)

(大広間に辿り着くと既に仲間は其々のテーブルの前に着席して集まっており、最終的に一番最後はどうやら自身の様で内番で使用した道具の片付けで遅れてしまった事を謝れば彼の近くではなく兄弟の居る場所へ移動し。座布団の上に座ると全員揃えば手と手を合わせ、口々に食前の挨拶を言うや否や食事にありつき)

(本丸へやって来てから数日経ったとはいえ、未だに政府にいた頃に見た事もない食事も食べる事もあり、そのひとつひとつを噛み締めるかのようにゆっくりと食べながらそれを作ったであろう歌仙などと会話を混じえながら食事をしていき。しばらくしてそれも終えると手を合わせ厨に食器を運べば一刻程は休憩しても良いために部屋で過ごそうかなどと考えていて)

──..本科、少しいいか。
(食べ終えた空の食器を厨へ運ぶと、自身よりも先に昼餉を済ませた彼の姿を探して廊下を進んで行けば角を曲がった所で見慣れた後ろ姿を発見。恐らく部屋に戻るのだろうというのが分かりこの機会を逃す訳にも行かず、仲を深めるにはまず話をする事だと思っていて彼の名を呼びつつゆっくりと近付き)

―っなんだい、偽物くん。要件があるなら手短にすませてくれないか。
(廊下を歩いていると不意に背後から声を掛けられそれに反応すると立ち止まり彼の方へと振り向けば腕を組んで。先程よりかは不機嫌な様子はなく、一応は話を聞くようでそう返すと彼の言葉を待ち)

いや..、特に要件がある訳では無いんだが。この後何も予定が無ければ少し話さないか？
(同様にピタリと足を止め今朝と比べて此方の話に聞く耳を持つ姿勢に今のところ不機嫌さが無い様子は見て取れるも、ただ会話を通じて少し彼との距離を縮める事が目的ゆえそう口に出して)

話すことなど無いんだが？
(特にこれと言った要件はなく、どうやら自身と話をしたいという事らしく意味がわからないと眉をひそめるも“……一刻だけなら聞いてやってもいい”と続けると廊下で話し続けるのもどうかと思い自身の部屋へと歩きだし)

..！ありがとう、本科。
(望み薄で放った言葉に対して予想外の返答が返ってくれば、パチパチと数回瞬きを繰り返し驚いた表情を向け。正直嫌そうな顔できっぱりと拒絶の言葉を吐くのかと思っていた為、パアッと表情を明るくさせ一歩前進したと内心嬉しそうに礼を述べれば後ろに付いて行き)

……それで？話って何かな。
(自室に辿り着き適当に座り込むと早速話題に入っていき。何故あの時断らなかったのか、自身でも少し不思議には思うところではあるが一度決めたことを今更覆すのは如何なものかと思い彼を見遣り)

──話というのは、俺は本科と仲良くしたいと思っている。
(部屋に通してもらうと初めて中に入った事もあってきょろり、辺りを見回しつつも少し距離を空けて彼の前に正座し。早速本題に入る彼の顔を見据えながら話したいと言ったのは此方だが、相手側からすればそれ程大した事では無い様に思われるが単刀直入に正直な気持ちを吐露して)

俺が偽物くんと仲良く？夢でもみてるのかな？
(大方、この本丸に長く在る刀だからこそ主を困らせるような言動は慎めだのそうおったお小言を言われるものかと思っていたが、そんな予想とはかけ離れた言葉が飛んできて。ははっ、と小馬鹿にしたように笑えば“俺が嫌っているとわかっているのに何故？不愉快だ。”と睨み返して)

ああ、この俺を気に食わないのも知っている。..それでも俺は、本科に嫌われたままでは嫌なんだ。出来る事なら仲良くしたい。
(じっと真面目な顔で碧眼の瞳を見つめながら他の刀剣達と親しく会話をしている場面は度々目撃しており、密かに皆と同じくあの様に自身も彼と仲を深めたいと常々思っていた。故に、小馬鹿にした様な笑い方や睨まれても臆する事なく本音を語って)

出来ることなら、ねぇ…俺は仲良くなんてしたいと思わない。
(まっすぐとこちらを見つめてくる瞳を見ればそれが嘘偽りでないことが分かる。だが、そうだからと言って優しくするつもりも仲良くしようとも思わずにいては首を横に振り“話はそれでおしまいか？”と続けて)

──っ、...ああ。時間を取ってすまない。失礼する。
(その言葉を聞くとやはり自身の事を嫌っている以上は考えを改める様子の無い姿に、悲しそうな表情を浮かべ俯いて。今の雰囲気では此方が何かを言ったところで余計に機嫌を損ねてしまうと判断した上で、先程より声のトーンを落とし早々に退室する為腰を上げては襖の方へ身体を向け静かに開けると出て行って)

(此方の言葉を聞けばどこか寂しげな様子で段々と先程とは打って変わり部屋を出ていくのを見送ればそっと胸のあたりに手を添えて。あの顔を見た時、何故か心が軋んだような気がしたが偽物相手にどうしてなのか分からずにいては首を傾げつつ“…言い過ぎた…のかな？”と呟いて)

..俺は本科と仲良くできないのだろうか。
(とぼとぼとやや顔を下に向けつつ廊下を歩く姿は誰が見ても元気が無い事が窺えて、ただ自身は彼と親しい関係になりたい一心で歩み寄るものの相手にとってそれが逆効果なのか余計に嫌われたと思い込み。ぼそりと思った事が口から漏れてはここで諦める訳でもなく、気持ちを切り替え自身だけではどうすればいいのか分からないので兄弟に相談するため探しに行き)


(／主様にご相談があります..！二振りが仲良くなる切っ掛けを何か作りたいなあと思っていて、その話になるんですけど..休日が重なった六振りで現代遠征に行くのはどうでしょうか？周りも彼らの事を仲良くさせる為に協力してくれるとかだったら楽しそうかなと..！是非とも主様の意見をお聞きしたいです！)

(部屋でのんびりと過ごしてみても、心の隅で先程の出来事がぐるぐると渦巻いていて。何故偽物のせいでこんな思いをしないといけないんだと怒りそうになるも先程の表情を思い出してはその気持ちも萎えていき。どうやら自身は彼のああいう表情に弱いのかもしれない。困ったものだと今日何度目かの溜息をついて)


(/そういったきっかけがあるとこれからの話も良い方に進んでいきそうですね…！*周りも協力してくれるのとっても良いかと！二人きりにしてみたり、フォローしてみたり…いいですね！やりたいです！)

(兄弟の元へ赴き彼と仲良くなる方法について相談すると幾つかアドバイスを貰えば、礼を述べてその場から立ち去り。兄弟曰く、自分の話ばかりせず彼の話を聞く事と会話力を磨く事。後は相手に興味を持ち共感するというのも大事な要素ではあるが一番欠かせないのが笑顔の様で。極める前よりかは笑う様になったらしいがそれでも笑顔でいる事が何よりも大切な様で、いざ笑えとなると急には難しい為に洗面台の前に立ち。鏡に向かって口先に指を持っていき密かに笑顔の練習をしており)


(／わああ賛同有難うございます！！それでは絶対二振りを仲良くさせるぞ！作戦()は決まりですね。あとは現代遠征に行く六振りですが、やっぱりここは一番協力してくれそうな伊達組かなあと思います。特に鶴さんから誘ってくれたら長義くんも来てくれるんじゃないかと..！この際面子は伏せる形で、笑)

―何してるんだ？とうとう気が狂ったのか…？
(あの後、部屋へとやってきた長谷部から主が呼んでいる事を伝えられ主の部屋へと向かえば自身と山姥切国広、他四振りで現代遠征に行くように伝えられて。とはいっても、現代遠征など聞いたことも無いと説明を求めれば冬休みのようなものだとのんびりとした感じに伝えられ。よく分からないが主命なら仕方ないと引き受け部屋をあとにして自室に向かう途中で洗面台の前で何かしているこれの様子が見え良く見ていれば口元で何かをしていてそれを見れば呟き)


(/いいですね！人数も丁度いいですし！笑 伏せていざその時になって長義くんがビックリするやつですね！楽しそうです*)

─っ、！..これは、その..何でもない。
(指で唇の両端を上げにーっと笑うも目は笑っている様に見えず、鏡には誰の姿も映っては居ない為に笑顔の練習を続けて。暫し鏡の前で居ると彼の気配に気が付く事が出来ずにその声にビクッと反応すれば、驚いた表情から段々と恥ずかしそうに僅かながら頬を赤らめ。よりによって彼に見られてしまえば居たたまれず口上を述べるなりそそくさとその場から離れようとして)


(／早速ロル内に描写して頂けて嬉しいです＊ ですよね、現代遠征楽しみです！あとは何か遣りたい事とかありますでしょうか..？)

…そうだ、主から言われたんだが現代遠征というものをするらしい。ここの主の考えることは分からないね。
(見られたことが恥ずかしかったのだろう、みるみるうちに顔を赤く染めていく様を見るとこんな表情もみせるのか、と思い。そうこうしてるうちにこの場から立ち去ろうとする彼の背中に向けて先程伝えられた事を思い出してはそう言って)