情報屋 2018-12-09 19:31:53 |
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君もいい加減僕と捜査するときの要領を得てきたみたいだな。──いや、むしろあれは幸運と言える。大丈夫だ、僕に任せろ
(件のコックに意識を向けつつも厨房内を進んでいると、相手は一瞬だけ体を縮め、しかしすぐにウェイターらしく背筋を伸ばした。いまだ文句を言われることは多いが捜査を重ねるにつれ相手もそこそこ潜入板についてきたようだ。無理やり連れ出されているのにこちらの指示を巧みにこなす相手の様子に気分は上がり調子で口の端で笑みを浮かべる。直後耳に入ってきた取引部屋に向かうであろう本物のウェイターの声、まずいと身構える相手に対して探偵は薄く笑みを浮かべる。縋るような視線に対しては自信たっぷりの目線を返す。こんな危機的状況でさえどうしようもなく胸はスリルと興奮で満ち溢れてしまう、当然この危機を切り抜ける算段は頭の中でついていた。例のコックが料理を盛り付けるのに目を下に向けているのを確認したあと、手にしていたワインを相手に預けて静かにその場を離れ、どこかの部屋に運ばれるであろうミートスパゲティーの皿を手のひらにのせた。あたかもこれからそれを部屋へ運びにいくように厨房の出口方向に向かう、ただしウェイターの男とすれ違うルートを選んだ。そしてウェイターとすれ違おうとした瞬間、ミートスパゲティーの皿はバランスを崩し、傾いた皿はウェイターの方向へと倒れトマト色がウェイターの白いシャツにベットリと広がった。もちろん態とだ)
あぁ…!すみません!大丈夫ですか?!本当にすみません…これは着替えないと…はい、僕が1502室に料理を運んでおきます。すみません、気をつけます
(床に落ちる皿、直後放たれる怒号、その一幕に厨房の視線は一気に探偵へと集まった。例のコックも何事かと探偵へと目を向ける。隠したいものがあるなら別のものに注目させるだけ、相手をコックから隠すためにわざと視線を自分へと集めたのだ。例のコックを含めた厨房の人々は騒ぎを起こしたウェイターを意識しても、その隣にいる人物に注目することはないだろう。怒るウェイターに平謝りの演技をしつつまんまと料理を運ぶ役目を担うと着替えに向かったウェイターを見送った。相手を人々の意識の外へ追いやり、さらに取引部屋に潜入する正式な手段を手に入れる、まさに一石二鳥だ。得意気な笑みを浮かべたくなるのをなんとか殺しつつ、台車の近くにいる相手にウィンクを投げて合図を送った。それを持ってこいとの意味らしい。近場にいた人間に1502室に運ぶ料理を聞きつつ、台車とワインの到着を待っていた)
(/いえいえもともとこちらが遅れていましたので、お気になさらないで下さい!こちらも今後は1~2日に一回はお返事できそうです。同様にそれ以上あきそうな場合はご連絡させていただきますね!毎回とても楽しくやり取りさせていただいておりますので、ゆっくりペースですが長くお付き合いさせていただければと思っております…!)
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