M-C-Uの世界(非募)

あぁ、別にいいよ。また次の機会にしておく(理由を聞けば無理強いもせずにあっさりと了承し、敬礼をする姿に自分は像に対して会釈をしてから運転席に戻ると座席に座ってエンジンを掛け、フライデー呼び出すとナビを操作させながら相手が助手席に座るのを待ち)

すまない、上がってる事に気が付かなくて遅くなってしまった。

君が会いたがってると伝えておかないといけないな(世話になったワカンダへ別れを告げ、随分と進化したらしい車へ乗り込んだものの何だか久しぶりの再開が落ち着かずそわそわと外を眺めたりして)

あぁ、大丈夫だ。そういう時もあるだろう、気にしないでいい。


それは是非頼む、陛下にも随分と世話になったからな(サノスとの戦場と化してしまったワカンダが復興に忙しいのは重々知っている為に、次はちゃんと礼をしようと思いながらハンドルを握り)あれからもう半年経つのか、まぁキミのコトだから大丈夫だとは思うが元気だったのか？

優しい言葉をありがとう、助かるよ。あぁこの部分は流してくれて大丈夫だ。

本当に、陛下にはいくら礼を言っても足りないよ(何かと世話になった恩をいつか返さなくてはならずトニーの発言に深く頷き、両膝に両手を乗せた行儀の良い姿勢にて質問に歯を見せ笑い)あぁお陰さまで、君こそどうなんだ？相変わらず忙しくしてるんだろうか。

相変わらずだ、ニックも口うるさいし、ペッパーも口うるさい。のんびり機械いじりも出来ない状況だ(世界に平和が戻ったとしてもその後の対応にSHIELDとしては追われていて、それでニックの機嫌が悪い日が多いことを考えると重苦しい溜息を吐き、愚痴るように相手を見て)あんなコトがあった後だから、もう少し労って欲しいもんだよ。本当に……まぁ、復興作業を手伝っているキミに言うのは筋違いだとは思っているが。

その変わらない捻くれ者の物言いが聞けて嬉しいよ(口うるさいと言っても本心では仲間を大切にする彼らしい発言に口元を緩め、何やら鬱憤が溜まってる事だけは伝わってきたから運転の邪魔にならないよう注意して肩を軽く叩き)のんびり出来ないのは頼りにされている証拠だな、大変だと思うが立派な事じゃないか

僕は僕だ、何があっても変わらない(ひねくれ者と言われると少し眉を寄せるが散々周りから言われ続けた為に最早慣れていて、一度愚痴を零した口は長々と日頃の不満を語り始めようとしたものの肩に手が触れるとサングラス越しに横目に見て、数日前に現れた仲間の姿を思い出すと片割れと自分は相性がかなり悪いらしく嫌味合戦したことをぽつりと零し)まぁ、確かに…この間はソーが突然ドクターストレンジを連れて来たりしていた。あの二人は仲が良いみたいだ、僕に対して散々嫌味を言って帰って行ったよ。

あぁそれはそうだ、僕だってその気持ちは同じだよ(アベンジャーズ結成当時ぶつかったのは案外トニーと似た者同士だからかもしれない何て考えが浮かび、雷神と魔術師にとやかく言われ言い返す様子を想像すればおかしくて肩に乗せた手を口元に当て吹き出しそうになるのを我慢して)あの二人か、賑やかそうだな。僕の方は時々ナターシャやワンダに会うよ

それは痛いほど分かってる(互いの目指す正義が違うからこそ衝突してしまうのは仕方ないと分かっていて、様々なコトを経験した今だからこそこうして穏やかに相手とも接することが出来るようになり。不意に笑いを堪える様子に気付くと拗ねて口を尖らせ)何を笑っているんだ…、ナターシャにワンダ？なんでキミには女性が会いに行って此方はむさ苦しい男なんだ、狡いじゃないか。

その結果、君とは正面衝突してしまったが…後悔はしてない。すまないとは思うけどね(バッキーを救いたいが為にトニーと対立した苦い出来事を振り返り伸びきった髪をわしゃわしゃ掻き乱し。咳払いを一つで追及された笑いを引っ込め、特にナターシャの事は頼れる仲間として見てなかったのに言われると気になってしまい赤らめた頬を隠すべく窓の外を眺め)すまない、つい笑ってしまった。いや女性として意識してる訳でなくて単なる仲間な訳で…。

あの頃……まぁ、まだ許せない部分はあるが、それはとやかく言っても過去は変えられないからな(相手の言葉に父や母親を殺した彼の親友を思い出し、少しだけ眉を不機嫌そうに刻んだが口にしたように過去は変えられないと今は思うようにしていて、確かに赤くなった頬は目敏く気付いたが敢えて指摘はせずに国境を越えると更に車を走らせ続けて)まぁ、別に男女の云々は問わないが……やはりキミにだけ女性が会いに行くのは納得がいかない。今度、二人が来たら僕のところにも顔を見せるように強く言っておいてくれ。

全てを許して欲しいとは言えない…だが、少しだけバッキーを信じてほしい(ヒドラに洗脳されたからでは許しがたい気持ちは痛い程に理解しているつもりで、同時に自分の意に反した暗殺をさせられた友人の間で板挟みに合い膝に乗せた拳を握り締め。知らない景色の続く車窓からの眺めにワカンダの遠さを実感し、徐々に下がる顔の火照りを早く冷まそうと手で風を送り)分かった、寂しがり屋のトニーが会いたがってると伝えておこう。

…キャップには悪いが…それにはまだ時間が掛かる(彼の親友が良い人物だとは知っているし、かつては自分も友人だと思っていたが相手の気持ちを理解した上でもそこまでは気持ちが切り替えられずに素っ気ない口調になってしまい。自分を寂しがり屋だと言われると間違っては居ない為に否定もせず、暫くは他愛の無い話を続けてドライブをしては遠くに見慣れたアベンジャーズのタワーが見えてきて、駐車場に車を駐車するとエンジンを切り)よし、到着だ。とりあえず早く珈琲が飲みたい。

…勿論、君の気持ちも分かるつもりだ(いきなり僕の親友だから信じて欲しいと言ったとて首を縦に降るのは不可能とは重々承知の上で視線を落としたまま上げる事ができず。重苦しい会話になってしまい申し訳なく思う気持ちが増す中、かつて仲間と共に過ごしたビルが姿を現し早速下車し久し振りの光景に感嘆のため息をこぼし)懐かしいな、その発言も含めて懐かしいよ。

では、早く中に入ろう。何だかんだキミに会いたがっている者は大勢居るからな……ほら(車から降りて相手を待つと車を施錠し、タワー内に入る玄関フロアに向かうと中にはSHIELDの関係者が忙しなく動き回っていて、一人が相手を見つけると全員が足を止めて歓迎ムードで挨拶が飛び交うのを横目にエレベーターに足を進め)

犯罪者になった僕に会いたがるとは君も含めて物好きだな(久し振りに訪れる我が家とも呼べる場所は人々が早々と行き交うのに懐かしく感じ胸が熱くなり、とはいえ仕事の手を止めさせるのも申し訳なく片手を上に全体へ挨拶を返してから作業を進めるよう促してトニーを追いかけ)

どこにでも、信者は居ると言うことだ(彼の行なった行為が許されないのは政府としての見解であり、一個人としたらいつまで経っても彼は英雄であり、崇拝するべき人物なのだろうと周りの関係者を見て改めて思い。此方に歩いてきた相手と共にエレベーターに乗るとボタンを押し、自室のある最上階に向かうためドアを閉めて)まぁ、今のキミを追放しようと考えている輩がいないのだけは安心材料になるだろう。

信者だなんて、僕は神様なんかじゃないさ(まるで己を神の如く扱う発言にいたたまれず辺りを見渡すトニーの肩を軽く叩いて突っ込み。ガラス張りのエレベーターから眺める外も懐かしく、この狭い空間でラムロウと暴れた日を思い返して苦い顔をしたり相手へと向き直してからはやはり気になる髭をさわり)それは有難い。いやでも、そうなら髭くらい剃った方が良かったな

悪いが、僕はそんな風に一ミリも思ったことは無い。単なる天然記念物なジイさんってだけだ（あくまで周りの評価だと告げながらもエレベーターが止まるとドアが開き、相手を連れては自室兼ラボとなっている室内に入り、髭を剃ると言われると少し勿体ない気もしたが素直には伝えられず）髭は剃っても良かったかもしれないな、益々ジイさんに拍車が掛かっているぞ。ほら、とりあえず適当に座ってくれ。

人間として扱ってくれるなら安心だな(考え方の相違で多々ぶつかった相手に崇拝されたらとんでもなく驚くだろうから一安心でクスクス笑い。使い方の分からない最先端の機械が並ぶ部屋へと足を踏み入れ辺りを見回し、座り心地の良さそうなソファーに促されるまま腰を下ろし)相変わらずな嫌味をありがとう。じゃあ失礼して。