悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(暗い路地裏、リュカを置いてきた場所からそう遠くはないが人気のなく闇が続くそこに使い魔と退治していた。揚々と楽しげに口角を引き上げる相手を──ギリッと睨みつけ頬を滑る手を叩き落とし、それでもクツクツと喉を鳴らす相手は今の状況を作り出した黒幕本人に間違いは無い。大方、この前の悪魔祓いとの先頭の時に自分の魔力を欲する欲が出たのだろうが、今は自分のことより信愛する彼を傷つけられたことに腹が煮え繰り返る程の怒りを持っていて、「…貴様、俺のもんに手を出したな。たかが使い魔風情が俺を喰う?巫山戯るのも大概にしろ…。」声を荒らげる訳ではなく、低く、落ち着いた声色には十分に怒りを加えて。奥歯を噛み締める、魔力があれば…今の自分はほぼ人間に等しい。たかが使い魔と言っても攻撃を受ければただでは済まない、もどかしさ故睨みつけることしかできない自分にも腹が立つ。相手は黒く禍々しい光を宿した大鎌を構えた、鋭くはの光らせる其れを持ちじりじりと此方との距離を縮めて来る。1歩ずつ体を後退させるも路地裏の奥の壁との距離はもうそろそろ尽きてしまうのに、焦りを覚える中脳内で必死に考えを張り巡らせるも相手の刃が自分の頬を掠めた。細く赤い糸の様に流れ出るそれを袖で拭うも使い魔の長い舌がそれを素早く舐めとる。≪ ────ククッ、流石は悪魔の血…数滴舐めるだけでこの威力か…。≫目を赤く光らせる相手、…クソ。今の俺では無力だ…愛するリュカさへも守れない。嫌な冷や汗が背中を伝う、どうしようもないこの状況にその時だった愛しの彼の姿が見えたのは。「…なっ!?リ、…リュカ?何故こんな所に。」彼は部屋で眠っていたはず…目を見開き彼を見つめた。)
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