悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(街の中では沢山の人で賑わっている。人の並に押されながら、目当ての服屋までを街並みにそった道を2人で辿っていく。人の声と、食べ物の匂いでごった返すこの場所はいわば人間には必要な食料や生活用品を揃える場所で祭りみたいな明るい空気を纏っていた。悪魔という概念から、束の間の解放を得た今は人間から築かれるはずもなく完璧に馴染んでいて隣を歩いてるリュカの顔を見あげれば満足げに微笑んだ。雑貨屋の前を通り過ぎた時、若い女が此方へと声をかけてきた神父との関わりがある様で親しげに話しかけた相手にむっとするも、彼女は自分の事を言っているようで、安心の溜息を零せばひらりと手を振り返し。軽く挨拶でもとくちをひらこうとするも、途端に彼へと引っ張られた。早足に進んでいく彼に、どうしたものかと首を傾げるも綺麗だのなんだの答える彼ににやりと笑い。「…リュカ、今貴方は彼女に対して嫉妬したのか?───ふふ、安心してよ俺はリュカにしか興味ないんだから。」親のように自信を子供扱いする彼は、きっと嫉妬している。自分だけの優越感に浸りながら握られた手を恋人繋ぎに、手の甲にキスをするとまた不敵に笑いかけた。目的の服屋の前まで来た、中を見渡せるショーウィンドウに煌々と光る店内へと足を踏み入れれば目移りするほどの様々な洋服が売られている。洋服だけではない、和服要素を取り入れた服さえも取り揃えたこの店はこの街切手の服屋なようで何百年とも生きてきた中。服という文化に興味のなかった自分だが、これだけのものを目にすれば興味がそそられる。軽い足取りで店内を物色するも定員の目に止まったらしく、≪ お客様、宜しければご試着してみてはいかがですか?≫突然声をかけられてしまった、なんと返せばいいのか戸惑いえーっと、と目を泳がせて不審がられてしまうそんな焦りからリュカの背へと身を隠してしまった。)
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