悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(数日後、持ち前の丈夫な体と彼の献身的な支えのおかげで傷は町医者が驚くほど早くふさがり、自由に動けるとなればじっとはしておれず出かける準備をする。いつもより部屋が寒い気がして身震いしながらソファーのある部屋に行くと、ここ数日彼の寝床となったそこにはすやすやと可愛らしく眠る姿。彼も疲れているのに自分を優先してくれていたため疲労が溜まっていたのかもしれない。起こさないように髪を撫でて角をちょんと触ってから彼に毛布をかけて、自分はコートを羽織るとそっと家を出て。すると、視界に広がったのは一面の銀世界。いやに寒いとは思ったがまさか雪が積もっていたとは。しかも結構な深さ。思わず家の中の彼を呼びそうになるが寝ているところ起こすのも悪いかと、一度湧き上がった興奮を抑えると雪に足を取られながら街へ足を進めた。
──街、そこもどこも雪に覆われ寒さのせいか人通りは少ないものの子供達が道端ではしゃいでいるのを見て、久々に孤児院にでも顔を出そうかと。そんな事を考えつつ服屋で預けていた服を受け取り、彼が起きて心配するといけないしさっさと家に帰ろうとするも、途中で彼に似合いそうなシンプルなデザインのシルバーネックレスが売られているのを見つけ少し迷ったあと購入し袋に包んで貰い、今度こそ雪を踏み鳴らしながら家路を急いで。)
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