悪魔 2018-11-04 19:58:34 |
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(すやすやと安定した寝息と共に彼は夢へと落ちていった。ついさっきまでの青白い顔色は幾分かましになって、安心した顔で眠る彼のベットに寄り添うようにその寝顔をただ見つめている。起きている時よりも幼く見える顔は普段、神父としての勤めと使命のせいか幾分と素直になった…、そんな気もしてきた。「…ゆっくりおやすみ。」さらりと頭を撫でて、掌に感じる温かさと彼への愛おしさ、感謝を噛み締めて。彼には無茶をさせすぎた普通の人間に怪我をさせてしまった自分への怒りはまだ残ったままで。彼から手渡された袋の中身をもう一個口に含めて噛み砕く、彼に無茶をして欲しくない。出来ることならほかの手の届かないどこか、何処でもいい自分しかリュカの目に映らない様にしたい。咀嚼し、黒い塊を取り込むにつれ内側の欲がじわりじわりと顔を出す。穏やかな寝顔の彼を見れば背徳感と僅かにある理性に取り留められ今はこの場で留まることができているのに、辛うじてのこの状況にこの無防備な寝顔は自分を信用しすぎているからか、ごくりと生唾を飲んだ。「…俺だからって、油断しすぎでしょ。襲われたって文句言えないのに…。」起こさない程度のデコピンを叩き込んでやれば布団を掛け直してやり今は傷に障るだろうと自身はベットではなく部屋にあるソファーに身を沈めた。魔力が戻ったからだはまだ本調子ではないようで目を瞑れば直ぐに体の力が抜けていく、ふわふわした感覚に抗うこと無く自身も夢へと落ちていった。)
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