茨の果ての赤い夢 ＿NL

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魔女の呪いを知ってるかい

薔薇の痣は忌み印

深く赤く色付いた時が全てのおしまい

呪いの鍵はたったの二つ

一つ、白馬の王子の愛の口付け

一つ、憎き魔女の気紛れ次第

乞え、乞え

愛と赦しを

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▼Prolog▼

19世紀、大英帝国。産業革命が夜明けを告げて、古き伝説が忘れられてゆくそんな時代で今尚恐れられていたのは魔導の頂点に君臨する者＿＿魔女。彼女達は決して文献に乗っていただけの存在ではなく、人間には不可能な現象を引き起こす身近で確かな災厄であった。彼女らを前には警察も軍隊も赤子同然、科学技術なんてものは一切歯が立たない。だからこそ、人々が頼り縋ったのは『魔術教団』。魔物に魔術、金さえ積めばそれらを解決してくれるという謎の団体。勿論、対魔女戦で彼等が呼ばれることは少なくない。だが所詮一介の人間が、魔導の頂点に君臨する者を前に出来ることなど何も有りはしない。そこで、まことしやかに囁かれた噂が【教団は魔女を駆逐する獣を飼っている】というものである。それは、魔女に怯えながら暮らすのを恐れた人々の妄言か、それとも確かな現実か。