闇夜に堕つは欠如せし者【迫害/シリアス/人数制限有】

闇夜に堕つは欠如せし者【迫害/シリアス/人数制限有】

語り部  2018-09-08 13:28:04 
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森の奥深く、小さなその洋館は

爪弾き者たちの最後の砦

冷たい視線も

乾いた嘲笑も

身を寄せ合えば怖くない

蘇る過去には

ただ目を閉じて、思考を止めて__




>01 前章、住人
>02 注意書き、住人票





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  • No.8 by 語り部  2018-09-08 16:42:39 



>匿名さん

お褒めに預かり光栄です…!また一人物語を紡いでくださる方が増えて嬉しい限りです。『牙折れの吸血鬼』のkeep承りました。それでは24時間以内に住人票提出お願い致します


  • No.9 by アガメムノン  2018-09-08 19:42:10 

▼住人票▼

「望むなら、お前に甘美な死を。微睡むように沈みゆく死、苛まれながら刻まれる死、生涯に一度きりの素晴らしい死に様を咲かせてやろう。求める報酬は一つだけ。俺に愛を。三千世界を染め上げる愛を。そうして、俺の名を呼びながら冥府へ旅立つといい」

「俺は、生者にも不死にも等しき死を与える。……だが、その先に待つのは何だ?彼らは満足し、穏やかに死にゆくのかもしれないが、それなら残された俺のことは誰が殺してくれる?死に可逆性はない、俺を待つのは久遠の孤独だけではないのか……?――俺はただ、愛したいだけだ。愛した分、愛されたいだけだ……」


名前 : Agamemnon
読み : アガメムノン
性別 : 男
種族 : 過干渉の死神

容姿 : 白骨化した牡山羊の頭蓋骨を被り、さらにその上から黒い靄のようなローブを被っている。この不思議で不気味なローブは全身を包んでおり、風が吹けば消えてしまいそうだが勿論そんなことはない。常に浮遊しているし、足元はローブで覆い隠されているために足がないと思われがちだが、必要な時は狼の後ろ脚のような、鋭い爪を有した黒い毛むくじゃらの獣足で二足歩行する。山羊頭の仮面とローブの下には、灰褐色の肌とワインレッドの濡れたような短髪が見える。瞳の色は金、目つきは悪く三白眼。体格は意外にも筋肉質であり、鍛え上げられた男性の上半身と、二足で立つ狼の下半身が全裸の状態。奇妙なことに生える尻尾は山羊のもの。全長は2mにわずかに届かないほどであり、加えて浮遊しているのがデフォルトなので、さらに大きく見える。両腕の上腕部分に金色のリング、右足首にシルバーのアンクレット、両耳にゆらゆら揺れるアメジストのピアス、唇にオニキスのリングピアス、山羊頭の角の先端に赤い糸を巻きつけているなど、装飾品の類はやかましいほどに飾られている。死神のトレードマークでもある巨大な鎌は、靄のローブを変形させることでいつでも手元に顕現可能。

性格 : 元は博愛的で人懐こく社交家であった。しかし強制的に外部との関わりを禁じられてからは、大きすぎる愛は行き場を失い鬱々と自身に溜め込まれ、その色は情熱的な赤から全てを飲み込む黒へ変わりつつある。元の性格は極度の寂しがり屋の裏返しであり、人間にも同僚にも忌避され孤独に苛まれ続けたことから、死を餌にして此方を振り向いてもらいたいという歪んだ結末に至った。誰かを愛したくてたまらないし、同じくらい愛されたくてたまらない痛々しい寂しがり屋という本性がついに露呈したのである。だが心のどこかで、その痛く重い愛に救いがないことに気が付いており(台詞二つ目参照)、そのことに絶望しているがそれは表に出さないようにしている。その本音を打ち明けているのは最古参の吸血鬼のみ。

過去 : まだ現役の死神として勤めを全うしていた頃、とある人間から依頼を受ける。「死にたいが、自死は恐ろしい。だから魂を刈り取ってくれ」と。元々は慈しみ深い性格であったため、それが望みならと死神は申し出を承諾。生者の魂を奪うという禁忌を侵す。それが悪いことだとは微塵も思わなかったがゆえの行動であったが、仲間から顰蹙や嫌悪を買うには十分すぎる事件であった。それ以降はただ転落するだけ。職という生き甲斐を失い、関わりを持てる温もりも奪われ、孤独から逃れるように行き着いたのが洋館であった。

備考 : 悠久の時を生きる中で本当の名前は忘れてしまった、と説明してはいるが、それは嘘。真実の名を知る者は己だけだが、それは本当の名前を今から自身の手によって死にゆく者にしか教えないから。ゆえに、名が必要な時はかの有名な悲劇の王のそれを借りて勝手に名乗っている。そうしている内にそっちが定着してしまい、今では主に「ノンさん」等の略称で呼ばれることが多い。牙折れの吸血鬼に対しては、自分と同程度かもしくは己より永い時を生きている彼にならば絶望を打ち明けてもプライドが傷つかない、という甘えのもと、勝手に信頼を寄せている。

他参加者様へ一言 : はじめまして、死神の背後です。私事ながら、仕事の都合で皆様と物語を紡がせて頂けるのは10月以降になってしまう可能性が非常に高いですが、その時にお相手頂ければとても嬉しいです。スタートが出遅れる分、皆様の輪に入れてもらえるか些か不安ではありますが、善処して参りますので宜しくお願い致します。息子の人物像については、愛したがりの愛されたがりということで、色々な方に愛を囁く天然タラシの気がもしかしたらあるかもしれません。また、死を駆け引きの材料に挙げるケースもあるかもしれず、もしお気を悪くされたり、絡みにくい等感じることがございましたらいるでもお気軽にお申し付けくださいませ。主様が作り出した、美しくも圧倒的な闇に惹かれた皆様と、お話しできることをとても楽しみにさせていただき、挨拶と代えさせていただきます。


(/主様、身勝手な申し出を快諾して下さり本当にありがとうございます。早速PFを投下させて頂きますので、お手すきの際にご確認お願いいたします。世界観を逸脱する点、不備等ございましたらお手数ですがご指摘お願いいたします。)

  • No.10 by 匿名さん  2018-09-08 21:45:59 



(/物憂げな神秘性の漂う雰囲気に、思わず陶酔してしまいました。その空間の住人である『稀代の魔女』で参加希望なため、keepをお願いいたします。
また、ドッペル不可という点については問題ございませんが一つのロルへ対し、複数が絡む。これのような形式を取るのが情けない事に私はあまり得意としておりません。故に、お相手様と許可を得た上で一対一で絡み、ある程度経ってから他の方と絡んでいく。という方法をさせていただく事は可能でしょうか?
我儘な要望、誠に申し訳ありません。もし難しいのであれば、参加希望を蹴ってくださいませ。)


  • No.11 by 匿名さん  2018-09-09 00:46:31 




▼住民票▼


「花弁をもがれた薔薇、枯れた泉、灯の消えた蝋燭__とうにその生を失っていながら、ただ無意味に其処へ存在するだけのもの…我輩とは、そんな存在であると……こうして目を覚ます度に思う。…嘗てこの世を生きた、嘗て我が心の底から愛した我輩は死んだ。…幾ら探したとて何処にも在りはしない、もう二度と戻りはしない__今此処に在るのは我輩であって、我輩ではないのだ。……弱く、脆く、穢らわしい、惨めな抜け殻だけが今もこうして生き存えている。」

「…この躯を引きずって生きる悠久を憂い、憎み、呪い__それでもこうして、目を覚ます。他者の手に縋り、その力に依存してまで……我輩は、生きている。……惨めな話だとは思わんかね、何よりも忌むべきこの生に、未練がましく縋り付いて生き永らえる内に…いつしか我輩は、愛すべき嘗ての生を生きたその年月を超えたのだ。」

名前 : Gwendal von Wallmoden
読み : グウェンダル・フォン・ヴァルモーデン

性別 : 男

種族 : 『牙折れの吸血鬼』

容姿 : 凡そ血の気と言うものの感じられぬ青白い肌は曖昧な生死の境界線に立って生きる者の儚さと不気味さを象徴し、なまじ老いを知らぬ身体に生まれ付いたが故に悠久の時を経て未だ損なわれる事の無い美貌も今となっては唯々痛々しい。艶を失いすっかりくすんでしまった黒髪は緩やかなウェーブヘア、長さで言えば肩甲骨へ毛先が届く程度、濃い紫色のリボンでひとつに束ねている。本来彫りが深く端正である筈の顔貌は張り付いた様に浮かぶ物憂げな表情によってその魅力を奪われ、嘗て糧となる人間を魅了し己が眷属として侍らせた頃の姿は最早見る影も無い。太くくっきりとした吊り眉の下に、長い睫毛に縁どられた、特に濃い下睫毛が特徴的な垂れ目。瞳の色は輝きを失い、正に深淵の如く何処までも深い漆黒を宿す。吸血行為の最中には全身へ巡る鮮血の紅をそのまま瞳に宿すが、牙を失った今となってはそれも見られる事は無い。唯でさえ病的に青白い顔色に加え、目の下の隈が一層追い打ちを掛けている。身長は187cmと長身だが痩せ細った逞しさとは無縁の体躯、手脚は長いが如何せん肉付きが悪い為ひょろひょろと頼り無さだけが目立ち世辞にも魅力のひとつとは言えそうもない。服装はと言うと所謂中世貴族の装いそのもの。どんなに落ちぶれ窶れても身嗜みだけは整えるのが本人の譲れない拘りらしく、身に纏う衣服や装飾品の類は常に一級品を揃える。ボルドーに金糸で細やかな刺繍を施したアビとキュロット、キャメルのジレ。首元のタイやアビの袖口には、白地にベージュの糸で刺繍を施したフリルの飾りが覗く。右手の薬指に細めのもの、中指に太めのもの、よく磨かれたシルバーの指輪をそれぞれ身に付けている。

性格 : 嘗ては尊大で威厳に満ち、誰よりも高い自尊心と高貴なる純血たる己への溢れんばかりの愛情とを携えた究極のナルシストであった。耽美主義且つ快楽主義、己の欲しいものは何でも手に入れ目を掛ける、その為ならば手段は選ばぬ傲慢さを惜しみなく発揮しながら生きていた男。ところがある一件をきっかけに吸血鬼のシンボルとも言える牙、ひいては吸血能力そのものを失ってからと言うもの、何もかもが崩落しまるで別人の様に暗く陰鬱な男へと変貌した。鬱蒼と茂った森の如く、仄暗くじめじめとした底無しに下向きの思考。在りし日には何よりも誰よりも己を愛し、次にそんな己を愛してくれる者を愛し、対象は選ぶもののある種真っ直ぐで深い愛情を抱く事が出来た筈の心はすっかり枯れ果て、今の心を埋め尽くすものは己に対する絶望と蔑みのみ。一見紳士的な様でいて、何処かに泥酔して泣き喚き暴れ回る情けない男の如き危うさを秘めた様な、そんな不安定さがちらつく。事実、精神的には非常に不安定であり、突然めそめそと落ち込んでみたりかと思えばやたらと怒りっぽくなったりと、隠しきれぬ、否、隠す気の無い脆さが露呈する。

過去 : 一言に吸血鬼と言っても数々の血筋が存在するが、中でも祖として絶大な力を振るっていたある一族の末裔であった。生まれながらに吸血鬼である者、吸血鬼より血を受けて一族の仲間となった元人間である者、一族の中にも様々な種が存在する中、長い歴史の中で一度たりとも他の血と交わった事のない一族に純血中の純血として生を受けた。そんな華々しい己の歴史に未来永劫消える事の無い傷を刻む事となったそのきっかけは、遥か遠い昔、愛したひとりの女性の存在。同族ではなく、純粋な人間であった彼女を深く愛するあまり、己の身分も何より大切にしてきた自尊心すら忘れてひたすらに何もかもを捧げていた事を逆手に取られ、吸血鬼を憎む彼女の術中に嵌る事となる。相思相愛と思っていた彼女は初めから己を罠に嵌め、貶める為に近付いてきた存在だったのだ。 いくら強大な力をもつ吸血鬼とは言え、弱点の無い完全無欠な存在ではない。捕らえられ、陽の光によって弱体化を強いられた上、磔にされて全身の血を殆ど空になる寸前まで奪い取られた。血を主たる糧として生きる種族である以上、全身の血を抜かれると言う致命傷を受けながらも、なまじ強い力をもつ身であったのは幸か不幸か、どうにか繋ぎ留めた命のある内に罠から逃げ出し、家畜だろうと人間だろうと、その血の質や鮮度に拘らず生きる為に必要な血を摂取。生き延びる事には成功したが、その代償はあまりに大きく、陽の光で弱った体に大量の安い血を摂取した為か己の全身を巡っていた筈の純血は穢れ、とうとうその力まで失う事となった。吸血鬼として生き永らえる呪われた生だけを残し、吸血鬼が吸血鬼たる所以を失った存在となり果て、独り閉じ篭った洋館でただただ己が朽ち果てるその日を待つのみの存在が生まれたのである。

備考 : 基本的には日がな一日薄暗い部屋に閉じ篭り、何をするでも無くただ徒に時間の経過だけを待つと言う暮らしぶり。時折椅子から立ち上がって動き出したかと思えばする事は大抵決まっており、紅茶を飲むか、本を読むか、ピアノを弾くか、のどれか。気の遠くなるような年月を生き永らえてきた存在であり、年齢など最早数える事も億劫になってから久しい。如何せん精神的な不安定さを抱えていると言う事もあって少々波があると言う難点はあるものの、館の持ち主として、館を訪れ住処として居座る者達に対するある程度の特別な気持ちはもっている様子。圧倒的年長者且つ古参であると言う立場も相まって、タイミングによっては多少の世話を焼く場面もある。吸血鬼でありながら牙をもたず、血を糧とする事が出来ない為に『稀代の魔女』の力によって命を繋いでいる。定期的に彼女の元を訪れ魔法の施しを受ける必要があり、その際には皮膚の下へ張り巡らされた全身の血管が青く浮き出てしまう為、施しを受けた日から数日は誰にも合わずに自室へ閉じ篭ってしまう。その間、部屋への立ち入りを許すのは『稀代の魔女』と『過干渉の死神』のみ。『過干渉の死神』の存在は己にとって最後の砦であり、底無しに落ちぶれゆく己に寄せられる信頼は実は辛うじて自我を保つ為の要素となっている。

他参加者様へ一言 : 『牙折れの吸血鬼』の背後で御座います。皆様初めまして。何処までも脆く陰鬱で、ぐらぐらと不安定な危うさを抱えた洋館の当主では御座いますが…これから皆様と紡いでゆく事の出来る物語を楽しみに、紡ぎ手のひとりとして此処へ誕生させて頂きました。すっかり落ちぶれてしまってはいるものの、腐っても元純血の吸血鬼。元来の、己に対する、そして他者に対する深い愛情の欠片は何処かに残っている筈と信じております。不器用な形となる可能性は高めですが、少しずつそう言ったものを表現していく事が出来れば良いなと。実際に絡んでみて、やり難さを感じたり、相性の悪さがどうしても出てきたしまった場合にはどうか御遠慮なくお申し付け下さいませ。尚、背後事情では御座いますが、基本的には平日の夜間、週末の昼間・夜間が活動時間となります。若干まちまちとなる場合があるものの、ほぼ毎日一度は顔を出せる見込みです。ご参考までに。それでは、最後になりましたが今後共何卒宜しくお願い申し上げます。


(/『牙折れの吸血鬼』のkeepをお願いしていた者です。冗長なばかりで不親切なPFとなってしまいましたが、一先ず提出させて頂きました。またお手隙の際にご確認頂けますと幸いです。貴トピへの参加の可否をご審査頂き、何か不備や加筆修正が必要な点が御座いましたらお手数ですがご指摘下さいますようお願い申し上げます。)


  • No.12 by 匿名  2018-09-09 13:54:11 





▼住人票▼

「わたし、自分なりに『かみさま』を愛しただけ。なのに、どうしてあんな風に言われなくちゃいけないの?気味が悪いのは、おかしいのはあの人達だもん。わたし、何も悪くない。そうでしょう?」

「皆、嫌い。人も魔物も皆わたしのことを裏切った。…でも、この館の人達はあんまり嫌いじゃない。だって、すごくかわいそうだから。もう一度、愛せる気がするの。もう一度、身を焦がす程の感情が、あの甘くて苦い、恋しい気持ちを持てる気がする。」

名前 : Angela=Sullivan
読み : アンジェラ=サリヴァン
性別 : 女
種族 : 無知の堕天使

容姿 : かつて腰の辺りまで伸ばされていた燻んだ淡い金の髪は肩の少し上辺りで乱雑に切り落とされ、歩くとサラサラと揺れている。二重瞼の奥で仄暗い光を湛える瞳は髪と同色の睫毛に縁取られ、奥から覗く虹彩はワインレッド。顔立ちは未だ幼さを感じさせるが、其れを彩る筈の表情は絶望に蝕まれた物や感情の抜け落ちた様な物ばかり。身長は153cm程で凹凸の控えめな華奢な体型。背中が大きく開いた白いリネンのシャツワンピースは天使時代から着用し続けている物で、洋館に辿り着く迄に裾や襟が薄汚れたり破れたりしてボロボロになっているが、他の物を着るつもりは無い様子。膝丈の其れから覗く脚には無数の切り傷や火傷の痕が付いており、右腕は真っ黒な鎌の様な物に変形している。背中には羽根が抜け落ち、彼方此方が焼け焦げてしまった所謂悪魔羽と呼ばれる様な一対の翼が生えており、上側の先端には鋭く尖った角の様な物がある。また、靴等を履いていない為常に裸足で館内を歩き回っている。

性格 : 館へと辿り着く迄に出会った殆どの相手に騙され続けた故、警戒心が強く懐疑的。感情の緩急が激しく、言葉の選び方や使い方も相俟って幼子の様に見える事も屡々。ある意味構って貰いたがりの愛されたがり。しかし普通の天使との差は神への愛情の向け方だけ、本来は明るく好奇心旺盛な性質の持ち主であり、自分と似た様な過去を持つ館の住人達には興味を持っている事を隠し切れていないが、それ以上に誰かと深く関わる事を厭っている。心に付けられた傷の弊害としてか、自分が『かわいそう』と感じた相手にしか愛を向けられず、彼等ならば其れに当て嵌まるのではないかと考えている。かつてその身を焦がす程に持った激しい感情へ憧憬を持っている節があり、ポツリポツリと誰かに語ることもある。

過去 : かつて、天界に異端と蔑まれる天使がいた。彼女が持ったのは周りとは違う、穏やかで暖かい敬愛ではなく、身を焦がす程の強い『情愛』だった。彼女が何故異端なのかを教える者などいる筈も無く、羽根を毟り取られ、腕を異形の物へと変えられた天使は地上へと堕とされた。其れからは唯只管に信用しては裏切られての繰り返し。Sullivanは誰が呼ぶ訳でも無かったが、何処かの魔物の群れに属していた時に識別記号として与えられていた物をそのまま天使の時の名前と組み合わせた。そうして身も心も擦り切れ、頭の片隅に『死』の文字がちらつき始めた時、辿り着いたのが洋館だった。

他参加者様へ一言 : お初お目に掛かります。堕天使として参加予定の者です。非常に子供っぽい上に勝手に其方を哀れむ等と絡ませて頂く方に対して失礼な言動を取ってしまう可能性がありますが、決して背後様への悪意はありません。気分を悪くされた場合は遠慮なく言って頂ければ幸いです。拙い言葉選びとなってしまい恥ずかしいですが、深い闇を其々に抱えた彼等、そしてその背後様とお話しできる事を楽しみにしています。また、返信ペースは時期によって大きく変動してしまいますが、基本的に一日一回・遅くても三日に一度は返信できるかと思います。不束者ですが、何卒宜しくお願い申し上げます。


( / 『無知の堕天使』のキープをお願いさせて頂いた者です。キープの受理、ありがとうございました。上記がプロフになります。主様の素敵な世界観に沿うことができているか心配ですが、ご確認の上、不備や不都合などおありでしたらご指摘下さい。宜しくお願いします。 )



  • No.13 by 語り部  2018-09-09 22:15:38 



>アガメムノン様

慈悲深さ故に最後の番人として葛藤を持った死神様、なんと素敵で哀れなことでしょう…!ようこそ洋館へ、ご参加歓迎致します。お手隙の際にでも絡み文のご提出をお願い致します。


>匿名さん

今晩は、先ずはお褒めの言葉ありがとうございます。ドッペル不可の件についてはこちらも散々悩んだ点でありまして。出来るだけ皆様に楽しんでご参加頂けるよう、今一度こちらに顔を出して下さった方のご意見を賜ってみようと思いますのでそれまで保留とさせて頂くことは可能でしょうか?勿論『稀代の魔女』のkeepはさせて頂きますので、こちらが出した答えによっては取り下げるか否かお任せ致します。それでは暫しお待ちくださいませ。


>グウェンダル様

過去と現在の狭間で繊細に揺れる孤高の御方。まさしく洋館の主に相応しいその姿に語り部の興奮もひとしおです…!ようこそ洋館へ、ご参加歓迎致します。お手隙の際にでも絡み文のご提出お願い致します。


>アンジェラ様

天使ならではの透明感と、それに不釣り合いな澱んだ愛情。何より幼げな中身に似合わない歪な容姿は大変語り部好みです…!好みなのですが、誠に誠に勝手ながら今回はご参加を見送らせて頂こうと思います。折角興味を持って頂き、細やかな設定をご提出して貰ったところ大変申し訳ございません!とても素敵な娘様ですので、どうぞお蔵入りせずとも他所様のトピにてお使い下さって結構です。貴女様に良縁がございますことを、心よりお祈り申し上げます…!


  • No.14 by 語り部  2018-09-09 22:30:17 




>参加が決定されました皆様、これからkeepされます皆様

今晩は、語り部でございます。
今日は皆様にご意見賜りたく、こうして場を設けた次第です。
こちらで指定しております文字数が他所トピ様に比べやや多いことから、ドッペル可能としますと参加者の皆様へ負担となるかと考え今回ドッペル不可とさせて頂きました。しかし、それは少々…とご要望が生まれるのでしたら元も子もありません。ドッペル可能とした方がやりやすいでしょうか?それともドッペル不可のまま、皆様一対一式で行う方がやりやすいでしょうか?制度のままならぬトピックで申し訳ありませんが、ご意見お聞かせ頂けると幸いです。





『牙折れの吸血鬼』〆
_Gwendal von Wallmoden
男 / 負け組 / 最古参
吸血をする事で生き永らえる種族でありながら、何らかの理由によりその牙を失った力無き吸血鬼。本来ならこのまま朽ちるだけであったが現在は魔女の魔法にて半ば無理やり生かしてもらっている。洋館は彼が見つけて住んでいたもの。

『過干渉の死神』〆
_Agamemnon
男 / イレギュラー / 古参
本来死者の魂にしか干渉出来ない筈が生者の魂すらも刈り取る事の出来る死神。それを危険視した同僚に人間への関わりを禁じられ、もれなく職を失った。だが半永久的、若しくは永久的に死の訪れぬ魔物にとってはある種救いでもある。気鬱でどうしようもなくなった住人達に安らぎを与える最後の番人。

『無月の人狼』
男 / 負け組 / 新参
満月にのみ変身するのが彼ら種族の特性であるが、日中も新月も関係なしに変身が解けない人狼。只でさえ人からの当たりも強い種族柄、彼の存在は種の存続を脅かすとして追い出され今に至る。

『迷い路の黒猫』
男 / イレギュラー / 新参
言わずと知れた闇夜の眷属。魔女の使い魔になる事で魔力や魔術を習得するとされるが、生まれながらにして魔力を持った黒猫。ふとした時にその力を親兄弟から怪しまれ嫌悪され群れから締め出された。九つの命を八つも擦り減らし、漸く洋館へ辿り着く。

『片翼の鴉』
男 / 負け組 / 新参
言わずと知れた闇夜の眷属。生きていく為の空掴む片腕を失い、追い出されはしなかったものの半端者として散々揶揄と嫌がらせを受けた後、自ら死ににいく所を他住人によって救われ今に至る。

『稀代の魔女』〆
女 / イレギュラー / 古参
膨大な魔力、圧倒的魔術センス、どれを取っても他者と比較にならない優れた魔女。然して出る杭は打たれるのが世の常であり、魔女の世界から弾き出された後、流れ着いた洋館で他住人へ魔法の施しを与えている。今では彼女の魔法ありきの洋館へ。

『涸声のセイレーン』
女 / 負け組 / 新参
ゾッとする程美しい歌声でもって船乗りを魅了しその身を喰らう魔物である筈が、何時からか発声出来なくなったセイレーン。仲間にも見捨てられ力尽き打ち上げられた所を他住人へ救われて洋館へやって来た。現在は魔女の魔法で生かされ水槽にて生活中。

『記憶持ちのリビングデッド』〆
女 / イレギュラー / 古参
墓より蘇った死体。一般的に知性は無く意思疎通は図れないとされるが、食した人間の記憶を受け継ぐことで言葉を再び理解。とはいえ決して理性的でなく、食欲から住人にさえ襲い掛かろうとする為魔女の力により支配下に置かれている。

『無知の堕天使』
女 / 負け組 / 新参
神に対し敬愛ではなく情愛を寄せる大罪を犯し、同僚から忌避憎悪され天から堕とされた元天使。自分の犯した罪の重さも地上での暮らし方も分からずに、魔物にも人にも利用されボロボロになった末洋館へ辿り着いた。

『焼身のドール』
女 / イレギュラー / 新参
古くは3世紀に作られた陶器製のドールであり、長く存在した為に物心宿った魔物。化け物と恐れられ教会にて炎に焼かれた為美しい見目は溶けだして半壊。それでも魔物としては死に至らず何度も焼かれる中、遂にほうほうの体で逃げ出し今に至る。



  • No.15 by Gwendal von Wallmoden  2018-09-09 23:09:56 




>語り部様

(/こんばんは。此の度は参加の御許可を賜りまして、大変嬉しい限りで御座います。此れから皆様方と緻密に紡いでゆく物語を思い、今から楽しみでなりません。何卒、宜しくお願い申し上げます。
絡み文を提出させて頂く前に、先ずはドッペルに関する個人的な意見をば。300字と言うボーダーが設けられている以上、ドッペル可の状態で今後参加者様が増えていきますと、レス作成に掛かる時間の確保や進行中の交流内容の把握等々の観点から確かにご負担を感じられる方もいらっしゃるかも知れませんね。参加人数の不足する内はドッペル可とされている事ですし、主様のご判断で参加人数が増えてきてそろそろドッペル可進行が弊害になり始めるかなと言う頃合で予定通りドッペル不可へ移行する形で問題ないかと思います。ただ、私も含め背後様によってそれぞれ参加可能な時間帯や頻度にバラつきもあるようですし、ドッペル不可進行ではどうしても一対一の相談や交流そのものに支障が出てくると言う事であれば再度検討する…と言う形で宜しいのではないでしょうか。
個人的にはドッペル可・ドッペル不可どちらの進行でも構いませんので、他参加者様のご意見も踏まえて主様にご判断頂けますと幸いです!)


  • No.16 by 匿名さん  2018-09-09 23:53:36 



>語り部様

(/『稀代の魔女』をkeepしてもらい、誠にありがとうございます。pf提示の前に、ドッペルについて私自身の意見述べさせていただきたく思います。また、ご回答くださった保留につきましても承知済みです。

上記の参加者様が仰られている事に対し、多いに頷ける部分がございますので賛同とさせていただきます。やはり実際に物語を始めてから背後様の事情で難しくなってしまうのは十分にあり得るかと。注意書きへ記述されているものを行い、既出の意見を取り入れるのはこちらから見て問題ありません。また、ドッペル可能となった場合は「0/3」というように現段階で対応出来る人数を予めニックネームの所へ記しておくのも背後の体験から得た一つの方法です。
他の参加者様から挙げられる意見も同時に考え、最終的な判断をいただけるのを首を長くしてお待ちしています。)


  • No.17 by 名無しさん  2018-09-10 00:12:14 



(/初めまして。魅力的な世界観と住人達、それから推奨ロル数が長めであるという点に惹かれ声を掛けさせていただきました。つきましては、「無知の堕天使」のkeepをお願いしてもよろしいでしょうか?

また、進行に関して僭越ながら意見・要望を申し上げますと、仕事上顔出しできる頻度がそう多くないため「参加者様全員と同時に絡まなくてはならない」といったものでさえなければドッペルはどちらでも大丈夫です。ただ、必ず一対一ずつ絡まなければならないという進行方法も、それはそれでペアの方と相性の不一致を感じてしまった場合にどうすれば良いのかわからないので、必ず一人とor必ず全員と絡まなくてはならないという進行以外であれば特にどういった形でも構いません。
図々しく失礼いたしました。参加許可をいただけた暁には、当方の意見もご検討いただけると幸いです。)

  • No.18 by 匿名さん  2018-09-10 17:08:49 



▼住人票▼

「ええ、そうね。確かに他の魔女と私の魔法は違う。それは分かるわ。けど、だからって私そのものを脅威として見るだなんて耐えられない。美味しいご馳走も綺麗な宝石も出せるし、乱暴な獣から皆を守れる。もっともっと役に立てる。なのに、すごいよって、頑張ったねって、誰も褒めてくれないの。……寒いわ」

「───だからお願い、私を抱きしめてちょうだい?悪い夢が弾けるほどぎゅうっと、なるべく力強く。貴方の熱が深いところまで伝わるくらいに。呆れてしまうような我儘だけど、このまま離すなんてイヤ。ただ近くにいるんじゃなくて触れていたいの。でも駄目だと言うなら、拒絶するなら今のうちに、早く」


名前 : Isabella
読み : イザベラ
性別 : 女
種族 : 『稀代の魔女』

容姿 : 人間で例えて10代前半の少女の姿。眉よりも下へ伸びている前髪は毛先が微かに梳かれているため重い印象は払われており、櫛のよく通る艶やかな焦げ茶色の髪はくびれまで長く真っ直ぐとした形状。対照的に開かれた二重瞼は丸みを帯び、月とその光を連想させる淡い青と冷たい白を混ぜ合わせた色のしっとりと濡れた瞳が浮かぶ。顔立ちは空虚へ溶けてしまいそうな儚さを漂わせ、紅潮を除くのであれば生命体に在りし筈の血の気をまるで感じられない雪のような肌を持ち、身体の輪郭は若いとも幼いとも言える酷く華奢なもの。背丈はおよそ150cm。丸い花弁を咲かせる大小の花柄が全体に飾られた黒い総レースのワンピースを纏う。ネックには白色の襟が付き、その中央に鮮やかなピンクのリボンが結ばれている。長い両袖のベルスリーブ、柔らかい曲線を描くスカートは下へ潜む無地の衣類が膝上でレース部分が膝丈といった差がある。白いドロワーズを履き、ローヒールの落ち着いた赤に包まれたストラップパンプスが肌と相まって一層目を引く。

性格 : 今にも消え入りそうな、そしてどこか不確かな雰囲気を覚えさせる見目とは裏腹に意思を汲み取りやすい表情があどけなさを際立たせ、外部刺激やそこから生じる自身の思う事で態度や仕草などへ巡っていき同時に変化してゆく。そういった無邪気な振る舞いと手を繋いで背中合わせに存在するもう一つの面を兼ね備える。本来、与えられなければならない家族からの愛や温もりとは全く反対へ位置する感情を暴力的に受けていたのを理由に他者からの愛を欲したいという純粋たる心には陰鬱めいた根が蔓延っている。洋館の住人へ自ら施すのは役立たずだと捨てられたくないように、置いていかれないように、ほんの少しでもこっちを見てほしいがための、常に傍へ佇んで離れない不安と渇望が行為へなった無意識の自己満足。そんな魔女を良いように扱うか何かお返しをするか、或いは無反応でいるかは相手の考え次第。称賛や肯定、中でも好意か愛を含む発言などを行う者に信頼を寄せやすく、加えて子が持つ甘えの自我が増す。

過去 : 先天的に身に宿る魔力は身体から零れる事なく、消費を続けても尽きはせず。僅かな知識と経験では見合わない複雑な魔法は手を振るだけで容易くこなす小さな魔女。もはや物語のような恐ろしく主張が強すぎる力の持ち主へ向けられた眼差しは嫉妬と畏怖、分かりやすい逆恨み。娘の頭を撫で、優しく抱きしめるべき母と父は杖を握り敵に喰らわす筈の魔法を生み出した。日々の生活の手助けをすべき兄姉は舌を打ち、憂さ晴らしに殴りもした。愛情のこもる言葉などなく周囲は口々に化け物のような奴だ、と。
魔女は残虐な空間を飛び出し、安寧の地を探して続けた。しかし、どこへ行こうと鋭い拒絶に囲まれ、小指ほどの期待が芽生えたところで何倍もの仕打ちが返ってきてはすぐさま恐怖と絶望へ突き落とされる。ヒビだらけの心を己では粉砕出来ずにいる時、行き着いた洋館で求めるものは、とっくに決まっている。

備考 : 経過した年月の数字とは似合わず、その肉体的及び精神的成長は非常に遅い。魔法によって寿命をゆっくりとさせているのではなくこれは元からの性質。魔女にも個人差はあるらしいがIsabellaは長命の部類へ当てはまる。『牙折れの吸血鬼』には強制的な生命を、『涸声のセイレーン』には瀕死状態だったため治癒を、『記憶持ちのリビングデッド』には食欲への抑止のため仮初めの支配を。これらのように、使い果たしてしまうような気配が一向にない魔法を住人に対して否応なく発揮しており、誰かのためでもあると同様に自分のためでもあるがその点に自覚はない模様。読書や魔術を用いた実験、散歩などと気まぐれに時間を過ごす姿が度々窺える。けれどきっかけの内容問わず水面に石が投げ込まれたように情緒が不定期に乱れ、形容しがたい胸苦しさに耐えきれなくなっては僅かでも構わないので外へ追い出そうと部屋の隅で縮こまり、頬に涙を伝わせる。

他参加者様へ一言 : 皆様、お初にお目にかかります。『稀代の魔女』の背後でございます。当方の娘は愛へ諦めの視線を送る事も出来ず、一見なんでもないようでいて断ち切れない執着心に痛々しささえ覚える。そんな子を思い描き、一人の住人として言葉を交わしたく願っております。他からの行動に意思を揺らし、そして願望を手にするための積極性を滲み出せれば良いなあと思います。頻度につきましては平日の場合、夜間が多く週末は昼間から夜間の傾向がございます。こちら側の事情で変動もあります故に、そういった時は予めご連絡をさせていただきます。実際に絡んでみますとやはり相性の不一致が生じ、億劫な気を感じましたら息苦しさを強要させるつもりはないためいつでもご遠慮なくお申し付けください。
不備やその修正、若しくは住人への不似合いな部分がありましたらお時間ある際にお返事いただければ幸いです。


  • No.19 by 匿名さん  2018-09-11 22:51:01 


(/退廃的な美しさに惹かれて参加希望です。『無月の人狼』のkeepをお願い致します。)

  • No.20 by 語り部  2018-09-12 00:36:31 



>回答下さった皆様

この度は未熟な語り部に貴重なご意見、ご要望をありがとうございました。一晩以上お時間を頂きましたがこれ以上は煮詰まるだけだと思い、取り敢えず参加者様の少ない現状はドッペル可能とし、増加に伴いまた別の作戦を打ち立てることに致します。その場合は今回賜りましたご回答を参考にさせて頂きます。皆様、お付き合い下さりありがとうございました…!

それでは、参加許可の出ている方々はお手隙の際にでも絡み文を提出してくださいませ。また、語り部の愚娘が未だ顔を出さないこと大変申し訳ありません。今日明日には部屋から引き摺り出して参りますので、どうぞ愛想を尽かさないでやって頂ければ幸いです…!


>名無しさん、匿名さん

お褒め頂き光栄です…!『無知の堕天使』『無月の人狼』それぞれkeep承りました。24時間以内に住人票の提出をお願い致します。


>Isabella様

才女として生まれながらも痛め付けられた過去により、随分と幼げな大魔女様。我らが救世主の憐れな姿は住人の心に何を落とすのでしょうか?ようこそ洋館へ、ご参加歓迎致します。お手隙の際にでも絡み文の提出をお願い致します。


  • No.21 by Isabella  2018-09-13 18:02:25 



>語り部様

(/pfのご確認共に参加許可、誠にありがとうございます!洋館への歓迎の言葉を得て非常に嬉しく思います。ドッペルへのお考えに関しても把握いたしました。どうぞ、本日よりよろしくお願いいたします。)


>all

(/改めまして、稀代の魔女Isabellaを操らせていただく背後にございます。それぞれの傷を抱える住人の皆様とこれから何らかの関わりを結ぶ事が出来るのではないかと期待して、下記にある絡み文を書かせていただきました。
こちらから発展させたいシチュエーションがありましたら、お気軽にご相談くださいませ。よろしくお願いいたします。)


(屋根や壁を打つ荒々しい豪雨とは正反対の、葉が擦れ合うあまりに小さな音でさえ耳へ届く冷えた暗闇。片方の生き物が寝静まるのであれば、もう片方はとうに動き始めている深い時間。緩やかに吹く風の中でアネモネか、または薔薇と同等に鮮明な色が複数浮いている。触れると滑らかな感触が指先からすぐにでも伝わりそうな真っ赤な花びらの集団がひらりひらりと舞っており、それは草の生い茂る地面へ落ちていく事はなく、却って不自然にも上空へ進んでいく。やがて洋館の二階に作られたバルコニーの、より厳密に言えばバルコニーの手すりに近づいていくとちょうどその上ではつむじ風が起こる。花びらは加速していきながら手足の指ではすっかり足りないほど数が増え続けては次第に人のシルエットへ形を整えていき、隙間を埋めるべく寄り添い集まって固まりだした。少女の姿を持つ肉体へ変わり、館に背を向けて立っている。煌々と輝く月に比べてまだ青い方ではあるものの、肌の次に色素の薄い瞳は夜空を見上げていて。)


  • No.22 by Agamemnon[過干渉の死神]  2018-09-14 16:54:18 


>ALL

――冥界に月は浮かぶのだろうか

(ぽつりと零れた独り言が、冷たく冴えた夜気を誘った。死の使者である己が冥界の疑問を口にするのは些か不自然かもしれないが、如何せんあの世界では目にしたことがないのだ。屋敷のバルコニー、そのフェンスの上に黒い靄が蠢いている。その靄の中、覗くのは禍々しい牡山羊の頭蓋骨。さらにその奥には、闇夜に浮かび上がる金色の双眸があった。天上には月、地上には我楽多の如く寄せ集められた我ら魔物衆。煌々と天に鎮座する月は、我らを嘲笑っているようにも、優しい月光で包んでくれているようにも見えた。否、馬鹿馬鹿しい。この世の全てに絶望しなければ、この魑魅魍魎の巣には辿り着けやしないのだ。一度扉を開いてしまえば、もう戻れない――戻りたいとも思わないだろう。この館が心地良いわけではない。此処にいれば胸が冴え渡り、もやついた気持ちなど飛んでいってしまう、そんなわけでもない。ただ、本能が叫んでいる。自分の居場所はここなのだと。夜に生き、闇を抱き、魔道を歩む者達が、この世の最後の救いを求めて命からがら縋り付くのが、この洋館なのだと。古くから此処に住む過干渉の死神は、そう認識していた。かくいう己もそう、寄る辺を失いさ迷い続け、今ではこの屋敷に居着き、古参の顔をして同じようにボロボロに成り果てた同胞たちを待っているのだ。愛しい。彼らのことを、どうしようもなく愛しいと思ってしまうのだ。ふ、と自嘲の笑みを零すと、それをかき消すようにざあっと木枯らしが吹いた)

(/改めましてはじめまして、過干渉の死神の背後にございます。愛したがりの愚息は、皆様に馴れ馴れしいほどお節介をかけに行くことが多々あるかと思いますが、適当にあしらったり、共に依存へ落ちたり、様々な人間(?)関係を紡がせて頂ければと思います。絡みにくい、描写が分かりづらい等のご不便がございましたら、お気軽にお申し付けくださいませ。それでは、素敵な闇を。)

>Isabella

――お早う。濡れてしまわないか、其処は

(ふと、魔力のざわめきを感じて顔を上げる。ぼうっと夜闇に沈むのに夢中になっている間に、彼女が目を覚ましたようだ。迎えに上がらなくては、と無意識に思う。黒い靄は、空中を滑るように、人が歩くより何倍も速い速度で屋敷の中を移動した。赤い花弁が視界の端に映る。嗚呼美しい、と反射的に感じる。それが少女の形を成すのをじっと待つ――月を見上げるパウダーブルーの瞳に、声をかけるのを一瞬躊躇う。誰にでも、何かを見つめて物思いに耽りたい時間はあるものだ。ああでも、このまま彼女を雨の下に晒しておくわけにはいかない。背後から穏やかな口調で声をかければ、ふわりと近づきつつ、後ろから彼女へ覆い被さるような形で、実体化させた靄のローブをレインコート代わりに広げて)

(/お初にお目にかかります、過干渉の死神の背後でございます。PFを拝見させて頂いた時から、一刻も早くこの小さく偉大な魔女様を慈しみたくて仕方ないと思っておりました。背後の都合上、頻繁にお返事出来るのは10月以降になってしまうのですが、何かご希望の展開等ございましたら是非ともお聞かせ下さいませ。それでは、今後とも宜しく御願い致します。)

  • No.23 by Gwendal von Wallmoden  2018-09-15 01:44:08 




>Isabella

此れは此れは…御機嫌如何かな、フロイライン――相も変わらず、君は憎い程華やかな目覚め方をする。

(目を閉じ、思考を止め、夜闇の中へ溶け込まんとする安寧は彼女の目覚めと共に迸る魔力の気配によって掻き消える事となる。今や己の肉体は、枯れた魂を未練がましく宿すだけの器に過ぎず、そしてその器は他でもない彼女の魔力によって保たれるもの――だからこそ、こうして彼女が目覚める瞬間にはまるで共鳴するかの様に己の肉体が騒めくのだ。気に入りの座椅子をギイ、と静かに軋ませながら立ち上がり、例の"施し"を必要とする時期が近い所為かいつにもまして気怠い体を引き摺って向かうのは月明かりに照らされる華奢な少女の体が佇むその地点。ひらり、ひらり、最後まで宙を待っていた花弁の最後の一片が視界から消えた頃、鼻から抜ける微かな吐息、あまりに露骨な皮肉を含んだ笑いと共に目覚めの挨拶を贈ろうか。一歩バルコニーへ踏み出せば、容赦無い雨粒が襲いかかって来たが二歩三歩と踏み出す足に躊躇いはない。濡れた衣服がゆっくりと身体に張り付き、痩せこけたその体のシルエットを少しずつ浮き上がらせながら必要な分だけ距離を詰めた所でまたぽつぽつと言葉を紡ぐ。月明かりの青白さにさえ勝る青白い顔には、最早彼女の魔力無しにはどうする事も出来ぬ窶れの色がこれでもかと刻まれていた。)

悪くない月だが、其処が月を眺めるに相応しい場所とは思えんな…さあ、中へ戻ろうではないか――生憎、其の手を取りエスコートする余力が無いのは口惜しい限りだがね…

(/初めまして、牙折れの吸血鬼の背後で御座います。早速では御座いますが、絡み文を拾わせて頂きました。小さな身体に何者をも圧倒する絶大な力を秘めて生まれついてしまったが故、魔女様が心の内に抱える悲しみと孤独に何らかの形で寄り添う事が出来ればと思いつつ、こうして関われる時を楽しみにお待ちしておりました。何処までも陰鬱な洋館の主、魔女様の力に依存して生きる身では御座いますが、何卒宜しくお願い申し上げます。)



>Agamemnon

何を言う…今、其の答えを知り得る者は此の洋館にたったひとりしか居ないと言うのに――嗚呼、然し、君がもし答えを知っているのなら今は未だ言わずにおいてくれたまえ。我輩もいずれ、此の目で確かめる事になるだろう…無論、其の時は他でもない、君に手を引かれている筈だが。

(一体何時から其処に居たのか、彼は己の存在に気が付いていたのか。ともあれ、ひんやりとした夜闇の中に立ち込める静寂をそっと破いた低音は何やら物思いに耽る彼の其の鼓膜を揺らしただろうか。カツ、カツ、カツ…此の世と彼の世の境目で頼りなく揺れ、宛ら蝋燭の火の様に弱々しく曖昧にぼやけた己の存在が今は未だ辛うじて此の世で存在する事を許されているのを無意識下に主張するやや強めの足音と共にゆっくりと彼との距離を詰めた。夜風に靡くローブを眺めるのは酷く虚ろな眼差し、唯でさえ調子に波のある男ではあったが、今宵はどうやらあまり良い気分では無いらしい。微かに持ち上がった口角は一見笑みの様なものを形作っているようでいて、実際はもっと、空っぽの表情を成しているに過ぎない。癒えぬ渇きと憂鬱さだけが重たく伸し掛る体を引き摺って、それでもたった独りで夜を明かす不毛より誰かと言葉を交わして過ごす不毛を選ぼう――そんな身勝手さを例によって隠そうともしないまま、視線の先に捉えた彼が此方を振り返るその瞬間を待ち)

(/初めまして、牙折れの吸血鬼の背後で御座います。早速では御座いますが、絡み文を拾わせて頂きました。死という安寧を唯一齎す事の出来る存在、底無しに沈みゆくばかりの吸血鬼がその存在に何処かで依存してしまうのは言うまでもありません。嘗て愛深き生を生きた吸血鬼が如何にして死神様の心に寄り添う事が出来るのか、これからの物語を楽しみにしております。只管に暗く陰鬱な館の主では御座いますが、何卒宜しくお願い申し上げます。)



>ALL

――…、

(青白い月明かりに照らされるテラスにひとり、憂いばかりを只管に欲張って今宵も泥濘の様な救いようの無い気分へと沈み込んでゆくのはこの館の主。つい今し方、指の先に摘んで口の中へ放り込んだ大振りの葡萄一粒をゆっくりと咀嚼している。ぷつん、と弾ける様な実の弾力と溢れ出す果汁の瑞々しさ、酸味より遥かに勝る贅沢な甘み――本来"美味"と評されるべき葡萄の味を堪能している筈が、浮かぶ表情から陰りが消える事は無い。それは、何故か。本来血液を糧として生きる種族、必然と最も美味たる味は新鮮な人間の血液の中にある。然しながら、今の己にとって、その味は最早味わう事の叶わぬもの。血液以外の物を前にしては殆ど無いに等しいと言っても過言では無い、吸血鬼特有の味覚を残したままの己には、どんなに上等な葡萄であろうとも、それは幾ら咀嚼したとて砂を噛んでいる様な虚しさと不快感を残すばかりなのであった。嗚呼、嗚呼、もううんざりだ。そんな叫びが喉元まで出掛かり、堪らずぐったりと椅子に体を預けながら夜空を仰ぐ。こんな日程、月も星も美しく瞬くのだ。己の惨めさを嘲笑うかの様にきらり、きらり、と輝く星々を空っぽの眼差しで見詰めながら、虚空に小さく吐息を漏らして)

(/皆様初めまして、牙折れの吸血鬼の背後で御座います。御覧の通り、何処までも暗く陰鬱なばかりの情けない主では御座いますが、館に集う住人達との心の交流を楽しみに絡み文として投下させて頂いた次第です。もし宜しければ、お手隙の際にでも拾って頂けますと幸いです。他の参加者様も書かれておりますが、何か展開のご希望など御座いましたら御遠慮なくお申し付け下さい。それでは、何卒宜しくお願い申し上げます。)


  • No.24 by Isabella  2018-09-15 17:13:46 



>Agamemnon

……ありがとう、ノンさん。もう既にちょっぴり濡れているのだけれど、貴方の気遣いっていつも本当に嬉しいわ。ねえ、お部屋へ行きましょ?これ以上はお互いびしょびしょになっちゃう。

(つい先程まで花びらでいた時の名残か、元の状態になった瞬間からその髪と衣服には少しばかり水が付着している。重い雲に空は覆われ、星も月の明かりも差さない。背中の方から放たれた目覚めの常套句に反応してはくるりとそちらへ振り返った。繭のように全身を包ませたら、今の時刻ならばあっけないほど簡単に夜闇の一部と化してしまいそうな黒い靄が魔女の周りへ広がる。優しげな波長の声色といい、彼の動作はやけに紳士的でいて演技の欠片などない自然体に対し、ぱちりと瞬きをして。実際の経緯を辿れば略してきたという意味であるが、愛称の意を込めて名を呼ぶ。そうしている間にいつだったか読んだ絵本のシーンを思い出した。特に、王子様がマントでお姫様を覆うあの絵を。お姫様も、弾むような気持ちを味わったのだろうか。そんな心情が知らずに染み出てしまい、はにかんだ笑みを浮かべ。彼が雨水を垂らすほど濡れてしまう事を避けるため、手すりから降りては着地し。)



>Gwendal von Wallmoden

ふふ、おはよう。貴方も変わらず───ううん、何だか重たそうね。土がこんもり入った透明なずだ袋を背負ってるみたいに。

(子供が大人の真似をするみたく、どこかわざとらしい仕草で口元へ片手を添える。引き寄せられたかのように雨水が頬へ張り付いた。目の前の吸血鬼は、人の気配のない寂れた暗がりと似た印象を漂わせるが前と比べてそんなものが増した気がする。室内への誘導に首を頷かせては、短い着地を行うと他者の意識と視線を集めやすい部類であろう赤色のパンプスがバルコニーの床と接触し、無機質な音が鳴った。後ろからは木々の葉や枝が、風によって波立っているのが分かる。それに合わせて髪やワンピースの裾がふわりと揺らめいた。今よりも雨の降る加減が強くなってくるかもしれず。)
…──いいの。気にしないで。"施し"をしてから日にちが経ってるんだもの。太陽と月が追いかけっこをするたびに、どうしようもなく貴方の生きるための力は減っていってしまう。……でも、あんまり辛いなら我慢はダメよ?いきなり倒れたりしたら私、びっくりしちゃう。少し早めに始めたって、平気なんだから。
(部屋へ戻るため歩いては、コツリと響く足音に自身の声を被せる。存在し続ける事に大切な糧となる血液、そして得るため使う牙は吸血鬼にあるべき要素だが彼はそれを持っておらず。魔女による延命がなければ、誰かが説明しなくても想像は出来たであろう。期間が空くにせよ、時刻が進めば進むほど与えた魔力も減少する事は仕方がなく。)



(/お二人方、当方の絡み文へのご反応していただき本当にありがとうございます。纏めてお返事させてもらう事、どうかご了承ください。死神と吸血鬼がそれぞれ織り成す行動の、細やかな文章に思わず胸を押さえてしまいました。貧しい表現ではありますが、その美しい描写に相応しい対応を励ませていただきます。くどいようですが、よろしくお願いいたします。)



  • No.25 by Agamemnon[過干渉の死神]  2018-09-16 23:20:01 


>Gwendal von Wallmoden

甘い秘密が匂い立つほど、彼処は魅力的な場所ではないさ。輪廻という救いがある分、この世界よりは甘いかもしれないがな⋯⋯。

(聞き慣れた跫音だけで、その主が誰なのかを判別できるようになったのは僥倖なのだろうか。その足音が、誇り高く木霊していたであろう彼の全盛期は、もはや想像も出来ないほど遠い昔なのだろう。吸血鬼のシンボルにしてアイデンティティでもある牙を、彼が如何にして失ったのか、その過去に想いを馳せるだけで胸が締め付けられる。その時、彼の傍に寄り添い、慈しめたのならば、なんて独善的な空想から我に返ったのは、耳に届くのが足音ではなく彼の声に変わったから。冥界、生ける者全てが辿り着く終着点。一般に恐ろしい場所とされる世界だが、この現し世はさらに恐ろしい。ならば身を寄せ合うしかないと、死神は歓迎の微笑を浮かべるが、それは頭蓋骨の奥に隠れてしまいコミニュケーションの意味を成さず。だが、全身を闇で覆っていようが、屋敷の主であり己が全幅の信頼を寄せる相手でもある彼の体調の機微には目敏く気付く。空中を滑るように移動しながら、靄の奥からいざなうように灰褐色の片手を差し伸べる。その所作に、上腕に絡みつくリングが、しゃなりと小さな音を立てた)

重たい身体にご足労かけて済まないな――其の時と言わず、今手を引こうか


>Isabella

嗚呼、異論はないよ。君が風邪でも引いてしまったら、皆が困ってしまうから。⋯⋯と、君ほど素晴らしい魔女でも風邪を引いたりするのだろうか?

(眼前に立つ可憐な少女、年相応の笑みを向けられれば釣られてこちらの表情も頭蓋骨の奥で綻ぶ。彼女に名を呼ばれることが好きだ。彼女が己を略称で呼ぶ声はとても暖かく、それに略する以上の意味合いがあるのではないかと妄想してしまうほど柔らかい。気遣いに礼を述べらると無論悪い気はせず、むしろ当然のことをしたまでなのに、と一種の気恥しささえ覚える。手すりから降りて移動の意を表した彼女に同意するように頷き、歩み出す行く末を濡らしてしまわないように先に1歩半前に踏み出す。濡れた地面に足を取られてしまわないか、警戒するように視線は依然彼女を捉えたまま。ふと自分の発言に違和感を覚えれば、万能のイメージがある彼女でも人間と同じ病に罹るのだろうかと素朴な疑問を問いかけて)


(/吸血鬼様、魔女様、お返事ありがとうございます。まとめてのご挨拶になることをお詫び申し上げます。本当に、御二方の表現や台詞回しの一つ一つに惹き付けられ、こうしてお返しの言葉を紡がせて頂くことさえ恐悦至極に存じます。これほど尊敬出来る方と出会い、共に物語を紡がせて頂ける幸運に感謝します。拙文ばかりが目立つまだまだ未熟者でございますが、今後ともお付き合い頂ければ本当に幸いです。何卒、宜しくお願い致します。)

  • No.26 by Isabella  2018-09-17 23:58:57 



>Agamemnon

…そうね。熱が出たり、咳が続いたりなんて事はたまにあるわ。苦しくて嫌だからやっぱり魔法で治す時が多いけど、私も病気に罹りはするのよ。死神という存在がそういうものに侵されるなんて、聞いた覚えはないのだけど貴方はどうなのかしら。

(「素晴らしい」という、相手を直接讃える言葉に思わず呼吸を一つ置いて返答した。彼から発せられた発言には状況の流れを飾るために作られたような偽りを感じる事はなく、むしろ素直に受け取りたい、そう信じていたい誠実な響きが伝わる。裏があるかどうかを考えただけでも嫌気が差すのは心から嬉しさが湧いているからで、脳内で結果を出している際にもこちらが歩こうとすれば向こうが先に行き、己を雨除けにしている姿に気付いてしまえば意識せざるを得ない。一体どこまで、大半の女性が憧れるような振る舞いをするのだろう。そこに自分も当て嵌まるのだから、高鳴りが緊張と混ざりつつある。洋館の廊下へ入っては平静を装うために同じ質問をしてみせ。)


  • No.27 by Agamemnon[過干渉の死神]  2018-10-03 19:40:21 


>Isabella

……ふむ。俺が余計な心配を抱くまでもなかったようだな。……俺達には、病も怪我も、死という概念も存在しない。故に誤解されがちなのだが、痛みを感じないというわけではない。稀に、ごく稀にだが、――自分では触れない場所が、ひどく痛むことがある。

(魔女でも人間と同じように病に苦しむことがあるとは意外だった。だがよくよく考えてみれば、魔女の素体は人のようにも思える。否、種族としての誕生秘話など、一介の死神である自分がいくら考察したところで真実に辿り着けるわけもない。ぐるぐると脳内で続いていた一人相撲に決着をつけ、こくりと頷く。人間と彼女の決定的な違いは、呪文一つで病を治せることだ。死に誘うことはできても回復や再生についてはからっきしの自分が、彼女の体調を案じる事など烏滸がましかったのだと、被り物の奥で微かに苦笑した。同じ問いを返されれば、記憶を辿るために数秒間沈黙する。死神には、実体はあるがそれは肉体とは少し違う。ウイルスの類に侵されることなどなければ、刃物で切り付けられても黒い靄が少々飛び散るだけで痛くも痒くもない。だけれど、と弁解するようにすぅっと一呼吸置く。ゆったりと片腕を動かして自身の左胸あたりに手を添える、それと同時に上腕のリングがしゃなりと小さな音を奏でた。鼓動も血脈も生み出さない冷たいそれが、不思議なことに痛みを発することがあるのだ、と。まるで秘密を暴露した時のように、吐息を漏らしながら自嘲気味に笑った。「……魔女、いや失礼、イザベラ。君の魔法は万能か?」ふと問いかけたその内容は、我ながら他力本願すぎて失笑してしまうほど。この館の住人に惜しみなく魔力を分け与えている彼女に対して、浅ましくも助けを乞おうなんて恥を知るべきだろう。だが、それほど馬鹿な言動に死神を至らせるほど、手の施しようのない心の痛みは灼けるように苦しく、凍れるほどに悲しいもので。)

(/大変お待たせして申し訳ございません。仕事の方がひと段落いたしましたので戻って参りました。もしまだいらっしゃいましたら、ゆったりと絡んで頂ければとても幸せです。)

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