ねてもさめても 2018-08-31 05:32:53 |
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波に打たれて侵食が進んだテトラポットは、そこここに鉄筋が剥き出しになっていて、それが錆びて赤茶けて見える。
その向こうに白い砂浜が見える。
そしてそこには、苔と雑草と蔦に覆われた巨大なコンクリートの建物が、まるで倒壊したかのように波打ち際に横たわっていて、あたかも切り立った山と見紛うほどに豪壮とした景色を作り出している。
浜に降りたわたしは、ただただその圧倒的な存在を見上げている。
コンクリートに打ち付ける波。
絡み合う蔦の間に巣を作り群がる海鳥。
海の向こうから吹いてくる潮風。
とにかく静かで、なんの重力も感じないほど心地がよくて。
わたしはその建物のなかに入ってゆく。
海に浸かった足元には、蛍光色の小魚がびっくりしたように泳ぎ回る。
見上げるととてつもなく広い空間。
穴の空いた天井からは、雑草の隙間から木漏れ日が降り注ぐ。
まるで海のなかの森みたい…。
はじめはこんな夢でした。
同じ情景の夢を何日も続けて見ていて、それが最近になって少しずつ変わっていったんです。
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