赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>白の女王
(聞いてしまったのは全ての真実、あの白い綺麗な人がメイドさんと兵隊さんを殺したのだと、漸く合点がいって。とはいえ肉薄した恐ろしさを感じないのは、彼らの遺体が相変わらず現実味のないものだからか。血が流れていない燃えてもいない、そんな遺体に心は痛まない。それはそれで何処か感覚が鈍ってしまっている節はあるけれど、今はそれに気を取られる余地はないようで。ふ、と影が差したかと思えば、見上げた先には部屋の中に居る筈の白い人。可笑しいと思う間も無く担ぎ上げられれば、次の瞬間にはどさりと床の上に着地していて。咄嗟に確認したのは雪玉の安否で、壊れても溶けてもいないことにほっと息をつきながら、王座に座る御人へ目を向けて。「オリバー外がさむかったから入っただけだもん。かってに入ってごめんなさぁい。でもちゃんとおじゃましますって言ったよ?」何の用かと問われれば言い訳じみた口調で説明、一応謝罪も添えながら先程の挨拶が伝わっていなかったのかしらと首を傾げて。それらを飄々と言ってのける様は背後に己のせいで命を落としたトランプ兵が居ると分かっているのかと言いたくなるもので、「ネズミじゃないよ、オリバーだよ!ねえねえ、なんでオリバーのせいなの?オリバー最初ね、おにごっこしてるって思ってたんだけど多分ちがう、よね?それはわかったの!じゃあなんでつかまったの?なんでこの人しんだの?ねえねえ、カワイイならなんでころすの?」矢張りまるで分かっちゃいなかった事を自ら露呈しながら、なんでなんでと繰り返そう。)
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