助手 2018-05-23 21:25:11 |
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…確かに僕は医者だけど、探偵じゃないから何が必要かまでは分からないな。飴じゃなくて何だ?──もしかして、グレープ味の方が良かった?
(相手の言葉に首を傾げて見せる。違う味が良かったかと、少し笑みを浮かべ揶揄ってそう言ってみたが当然そういう問題ではないらしい。身体を起こしていたのに再び相手の方へ引き寄せられる、今度は彼自身の欲によってだった。白い綺麗な白衣にくしゃりとシワがつく、彼に身体を固定されたままじっとその瞳を見つめ返した。そろそろ彼を帰さないと、他の最終患者たちの波から外れてしまう、ただでさえこの男は受付時からだいぶ目立った様子だったというのに。欲のままに行動したのは一瞬のこと、理性的な普段の彼らしいキスを彼の頰に落とすと、普段の様子でそう諭すように声をかけた。)
…そろそろ帰らないと、風邪薬だけ処方しておくよ。家に持ち帰って、薬箱にでもいれておいてくれ。今の君には必要ないだろうから。──1人で帰れるね?僕も明日の朝には帰る。
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