助手 2018-05-23 21:25:11 |
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『はっ、健気な飼い犬だ。それじゃあせいぜい頑張れよ。シャーロック・ホームズは助手と共に爆弾を止め、大切な助手を救い出すことができるかな?安心しろ、一応お前の勝ちも用意してある。そうじゃなきゃゲームにならない。ワトソン先生も医者なら爆弾解体くらいできるだろ?俺は先生の前からじっくり様子を見させて貰うとするか』
(2人の会話は爆弾魔にも筒抜けのようで彼はジョンの言葉を鼻で笑い飛ばしていた。爆弾魔はジョンが入った水槽の正面にあるベンチに座る。深海魚コーナーは客が入る場所も照明がほとんどなく、爆弾魔の顔は暗くて見えない。異様に白い歯と憎悪に満ちた目だけが暗闇に浮かんでいた)
ジョン…君は本当に勇敢だな。安心しろ、僕は必ず君を救ってみせる。君が望む限り僕は世界一の探偵だ。時間がない、同時進行でいこう。君のそばにあるという黒い箱を調べてくれ、僕らに挑戦する限りは止める手段があるはずだ。それと君を拐った奴の特徴を教えて欲しい。ジョンがいる場所を教えるのは禁止だが、犯人のことを聞くのは禁止じゃないんだろ?
(こちらを落ち着かせようとするジョンの言葉に場違いながらも笑みを浮かべてしまう。自分の背中にそっと手を添えてくれるような言葉、思考はクリアになり、しかし心は平静にさせてくれる言葉だ。そして分かったこともある。ジョンの言葉は未だ微かに震えていた。ジョンは拐われて危機的な状況にあるが、いつまでも震えているような男じゃない、となると言葉が震えているのは別の要因。おそらく気温の低いところにいるのだろう。ジョンがいる場所は熱帯雨林や淡水魚のコーナーではない、もっと寒い地域の魚を展示している場所だ。ジョンの居場所を考えながら、黒い箱と爆弾魔について問いかける。犯人について聞くのは禁止されていないと予め指摘することで、爆弾魔がジョンの回答を妨害するのを防ぐ。こういうタイプの犯人はプライドが高くて自らのミスを認められないものだ。
一方でジョンの目の前にあるのは爆弾である黒い箱、そして隣には工具箱だ。黒い箱は上部に4つネジ止めがしてあるようでこれを外せば蓋を開けることが出来そうだ。蓋を外せば中央にはカウントダウンのタイマー、その周囲に赤・緑・紫・黄色にカラーリングされた4つの文字盤が配置されている。それぞれの文字盤には赤いランプが点灯しており、4種の数字をそれぞれ文字盤に打ち込めば良さそうだった)
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