助手 2018-05-23 21:25:11 |
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え、…ああ、それは良かった──…っ、!?
(彼の存在に気が付いたのはその男が声を上げてから。驚いたように目の前の男を見ると、完全に意表を突かれたのか相手に腕を振られるままにそう答えた。考え事をしている最中に、予想もしていなかったところから現れて声を掛けられたのだから思考回路が追いつかないのも無理はなかった。少し考えればわかること、この暗い道はこの病院の関係者しか滅多に通らない、その上この時間では救急以外患者であっても病院にやってくる理由などない、この男は一体何故こんなところに?昔治療をしてもらった、この男はそう言ったが自分はこの病院に勤めてからそんなに長くはない、その上感謝されるほどに大掛かりな治療など然程担当した事もない。この男は一体誰なのか?──しかしそんな事を考える間もなく、腕から肩に痛みが走り、ぐらりと視界が歪んだ。意識が飛ぶ寸前、探偵、という単語が耳に入った気がしたが意識はそのまま闇に引きずり込まれ、どさりと地面に倒れ込んでいた。)
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