凸 × 凹 = ♡

最近、掃除したんですよ。城谷さんにとって、少しは過ごしやすくなってたら良いですけど。（幾度と無く嫌なことをしたこの家に招くのも何度目かとぼんやり考え。たわいもない話題を一つ口にしては奥の部屋へ誘導し扉を閉めた。今夜は少し肌寒く夜桜を見に行くにも最適とは言えない気温、難無く連れ込む事が出来たのもそのおかげか内心感謝しつつ二人きりの空間に流され着いて来てしまった兎をどうしてやろうか何て。取り敢えずとばかりに其処にあるソファへ腰掛けると自らの膝上を叩き）──まあ、まずはくつろぐ為にも座って下さい。城谷さんの席はここ、です。

お邪魔します。…わぁ。黒瀬君多忙でしょうに、よくここまで掃除出来ましたね。（彼の背後を付いていく、人の家の匂い、というのも昔から苦手であったが此処は不思議と嫌な気持ちもしない。寧ろ安堵感さえ胸にしまいながら部屋を一通り見渡す。掃除前でも充分だと言うのに更に清掃に力を入れてくれたのは自分に気を遣ってだろう、自宅並みに綺麗で埃も無い。数度訪問したにも関わらず新鮮さを覚え表情明るめながらきょろきょろと周りを見渡し。彼がソファにつき、隣に座ろうかと歩みを進めた所での彼からの主張が目に入ると触れたい、という無自覚な気持ちと過ちを何度も繰り返す訳にはという反抗心の合い判せぬ気持ちの中ぐっと目を閉じダメだと自分に言い聞かせる。照れ隠しもままならずに、目の前通り過ぎ隣に鎮座して、)…ご飯、どうしましょうか。


（ トピ立て有難う御座います！可愛いらしいトピック名に早速きゅんと致しました…(←)愛らしい黒瀬君とこれから沢山お話し出来る事を光栄に思います。末長く宜しくお願いします！

城谷さんを連れ込む理由にしようと思って、部屋を綺麗したので見に来て下さいとか言って。まあ、今だから言える話ですけど（過ごすのには十分な程に怠りも抜かりも当然無く普段より綺麗だと実感出来る程の整った部屋。彼の声色が明るくなった事に苦労のかいがあったと安堵に肩の力が抜ける。膝に座るよう促したというのに聞き流しては隣に腰掛けるのには納得いかずそうっと包むようして頬を撫でれば唇が触れそうな程に身を乗り出し暫く見つめた後合図も無く額に軽く口付け。此方は散々待って居たのにお願いの一つも聞いてくれないのかとむくれ不満な気持ちを顔を出さまいと相変わらずの無表情を浮かべながら離れ立ち上がると台所へ。大量に買い溜めたパンの入った袋とボトル二本を両手に戻れば机の上に其れ等を並べ置いてからテレビに電源を入れる、其処に映ったのは退屈そうなビー級の洋画で思わず溜息を付いた。袋からパンを取り出すと腹癒せとばかりに豪快にかぶり付いて）こんなのしか無いんですけど良かったら食べて下さい。コンビニにでも寄れば良かったですね。考えてなかった、ようやくあんたが来てくれたからか浮かれたんです。

（ ／こんばんは、わざわざ足を運ばせてしまい申し訳ないです。御足労お掛けします; そう言って頂けて感激です。（/）此方こそ何卒宜しくお願いします、！〆）

ありがとうございます。俺も会いたいと思っていたので、嬉しいです。（彼の気遣いが素直に言葉に乗って現れると自然と自分の気持ちも吐露し易くなる。静かに笑みを浮かべながら、隣で静かに言葉を零した刹那に近づく顔と優しく触れる指。真っ直ぐ此方に注がれる視線はあいも変わらず心中読めない物で、頬に朱色が映え「…くろせ、くん」と名を口にする。かと思えば額に落ちた口付けも認識した頃には体も離れ目の前でパンを食し始める。表情こそ変わらないが、どこか不満な色も見える。「お構いなく、パン好きなので大丈夫です」と返事、豪快に食べ進める彼に反して一口一口、少しずつ食べ進める。一度触れられた箇所は熱を帯び、食事もままならない。今更ながら言うのも気が引けて、視線は食べ物に注ぎつつ声小さめに問いかけてみて、）あの、食べ終わったら、そちらに行っていいですか。

…そうですか、城谷さんにしては素直ですね。何か良いことでもありましたか、明日槍でも降りますかね。（冗談ぽく茶化しつつも飽くまでテレビ画面に目を向け残りのパンを口にし。根に持った気持ちは直ぐに変わる筈も無く、唯先程触れた時の赤くなった顔色とか奥に秘めた見え隠れする期待の眼差しが気に掛かって横目で様子を窺うと、何やら落ち着かない様子を醸し出しながらちまちまとパンを食べる姿が悩ましく眉間に皺を寄せた。すると何を思ったかもごもごとはっきりしない口振りで控えめに発せられた言葉に思わず舌舐めずりをして、確りと見つめるも視線は交わらず俯きがちにも健気な姿勢が憎めず距離を詰めると再び膝上を主張しつつ髪に触れ梳いて耳元で囁き）して欲しい事があるんじゃないんですか、そうゆう顔してます。…口で言わなきゃ分かりませんよ。

槍、ですか？…嗚呼、でも雨とか目に見えない細菌より、よっぽど分かりやすいです。（彼の冗談で紡がれた言葉の１つのワードに着目し空から槍、なんてファンタジーの世界だなぁと悠長な考えを。彼が食べ終えた後しばらくして最後の一口をぐっと飲み込む。並べられたパンの中で自分の好物を選んだつもりだが正直、味なんて殆ど感じなかった。気持ちばかりが膨らみ、羞恥心が段々と強まっていく。横から注がれる視線は視界の端からひしひしと伝わり、一呼吸。己の人生で髪に触れられる行為は良くも悪くも特別な思いで、一段と過敏になりぴくり、とやや大袈裟に見られるか肩に反応を写しながらもゆっくりと腰をあげ控えめに彼の膝に跨る。自分が今どんな顔色でどんな表情をしてるいかなんて考えても想像出来ず、目線を交わす。言葉で表せ、という彼の訴えに答える事なんて出来る訳も無い、しかし確かな気持ちもあり先程から張らない声に愛想を尽かされるだろうか。増さない声量はそのままに、ただ真っ直ぐ見つめ後者を紡いで）…俺の今の気持ちは、きっと黒瀬君と一緒です。

実際は細菌より危険ですけどね。（目の前の事に気を取られ相槌を打ち流し触れた先直ぐ様肩が揺れる様を見遣ると口元緩んで。先程まで躊躇っていたのにも関わらず自らの膝に跨った彼は成人男性とは思えない位に軽く心配になる、細い腰の括れに掌を当てて幾度と無く撫で回すと上着の釦に指を掛け脱がし手を離すとそのまま床に落ちてゆく。少し触れて誘っただけなのに何て言ったら泣いてしまうだろう。可哀想な位に敏感なものだから既に粗方出来上がっていて気やり場に困る。無自覚に晒された物欲しそうな顔付きが男を煽ってくる。そんなつもりは無いのだろうから質が悪いのだとぼやきつつ、背中へ腕を回し引き寄せると何度か軽く口付けた後次第に深いものに。耳の形に指を這わしたり、耳朶を指の腹で擦り合わせてみたり。一度酸素を吸う間を与えては首元に頭を擦り寄せ首筋に唇押し当て）…俺はこうゆうつもりでした。言葉に表すよりもこうした方がずっと伝えられる、このまま油断するなら据え膳だと思って喜んで頂きますよ。

…っ、（釦が解かれては外気の空気が直接触れる。腰、耳朶、唇、何処も今まで他人には触らせた事の無かった箇所。触れられる箇所は擽ったくもあり悦もあり、そこに羞恥心も加わると思考回路はとうに覚束なく。深い口付けにはされるがままで、経験の無さが露わになったようで情けなくなる。しかし、自分から仕掛ける程の気持ちの余裕なんてとうに無い。酸欠から脳がとろけるような感覚に陥る、不意に一気に吸い込まれる空気に１つ空咳を。乱れた呼吸を整えながら、ぼやける視点を彼に定めるように、かつ彼の肩に手を置き肩口の布をきゅっと摘んで。後者の呟きは、羞恥心を隠す物なのかはたまた本意なのか、小さくそう呟いて。）…油断なんてしていません。その代わり、俺に触れた後は洗って下さいね

城谷さんはやっぱりキス好きですか。…気持ち良さそうですよ、特に息がなくなるまで無理矢理されてる時が。（前までは迫れば直ぐに逃げていたのにこんなにも精一杯受け入れてくれる事に隙間だらけの心が満たされて、その反面もっと自らの手で汚してしまいたいという衝動に駆られる、思わず笑みが零れて。とろんと潤んだだらしなく無防備な表情に堪らず唇を奪い舌先をくぐらせ、時々休憩を与えながら何度も貪って口腔を犯した。離す時には銀糸が垂れて、それを彼の目の前で舐め取って見せる。薄ら瞼を開き様子を窺いつつ隙を狙い薄い身体をなぞる様に掌を滑らせ言われるままに跨り屈折した事によって普段より強調された太腿を撫でてやれば、続けて内腿を中心に愛撫しさり気無く指で脚の裏を擽ってみて）それ、誘ってるようなものですけど。スーツを汚さないで下さいって言ったのは、一体誰です？

それは、…。（彼の言葉に、″黒瀬君が″という言葉を紡ぎそうになる。事実、彼にされるがままの現状で頭が付いて行くのに必死である。きっとその言葉を紡げば彼はやめてくれるだろうが、快楽を覚えていることも確か。再び口付けが深まると、室内には時計の秒針の音を搔き消すように粘着質な音だけが響き渡る。口腔からの直接的な刺激とは他所に聴覚さえも快感を受け取り、無意識ながら彼の耳を塞いでしまおうか。指先は太腿を意地の悪く擽ぐる。何度この状況に陥ったろうか、まるで自分が意図的に作り出してるようで情けなく感じる。彼の質問に小さく俺です、と返す。擽ったさに身を震えながら、下向き彼の耳を覆ってた手を離し目元を覆うと後者を紡いで。）黒瀬君は、前に俺が汚されたいと思ってる人だと言いました。未だに人の手が触れるのは気持ち悪いんです、すぐにでも洗いたくなります。でも、黒瀬君だとそれが、よく、…分からないんです。