◆ 2018-04-03 00:00:02 |
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>Leone
あっ、ちょ……こら、だめ、暴れないで…! …しばらくは離さない、から。――あの、ごめん。騙すつもりじゃ…な、なかった訳でも、ない、ん…だけど……
(抱き寄せた胸元、薄い布越しの湿り気に彼を苛む苦悩がありありと滲んでいる 。繊細な花弁に触れるかの如く後ろ頭を優しく撫でながら、その仮面の秘密に初めて触れた日の約束をやはり破れはしないと、喪失しかけの純朴をもう一度確りと彼と共に抱き直し。けれど、夢現の正体を晒せば相当の混乱に陥ったらしい急な腕の中での抵抗に、きかん坊の仔猫にでも対するかのような口振りで両腕の拘束を慌てて強め。ぎゅうぅ、と殊更密着率を上げ同じシャンプーの薫る髪にやんわりと頬を擦り寄せながら、申し訳なさげに紡ぐ言の葉は如何せん歯切れ悪く、裏にある下心を上手くは隠せない。それでも彼の本音を聞けたのを幸いにと、先刻の酷い焦燥を見ればその制約を緩めてやるべく努めて柔い音を赤い耳殻へ注いで。元々それは彼と当初交わしたものとは異なり、己の弱さから半ば無理矢理に結ばせてしまったものだ。彼を囚える鎖を惜しむ浅ましい欲もあれど、本来ならば約束があろうとなかろうと、その紫の双眸に己以外を映せぬようにしてやれば良い話。…いい加減自分も前に進まなければと、悟られぬよう静かに目蓋を伏せて、するりと全体を包み込むように回した腕でその背中を緩く撫ぜる。相手以外では到底得られぬこの快い鼓動と途方もない安らぎを、少しは彼にも与えられていたなら良いのだけれど。)
…レオーネ、そんなに気にしてるなら…あんな約束、忘れてくれていいんだよ。……俺、君にはたくさん救われてるんだ。何だって君にはあげられるんだ。…だから……――ごめんね、やっぱり俺じゃどう頑張っても時間がかかるだろうけど…いつか、絶対に君を助けてみせるから。
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