「姫様、なぜ私を置いていくのですか」
燃え盛る一室で和服を着た今にも命がつきようとしている女性を抱き寄せる青年
『私は、もう直ぐ父上のもとに行くかもしれません。最後に貴方の顔がみれて、貴方の胸の中で最後を迎えられて幸せです。』
「私を一人にしないでください。私は、私は姫様の為に、護るためだけに生きてきました。姫様がいなければ私は何の為に生きていけばいいのですか」
『充分、充分に守ってもらいましたよ。貴方は自分の為に生きてください。私の分まで生きて、ありがとう』
女性はそっと息を引き取る。燃え盛る炎はやがては全体に燃え上がる。しかし青年は女性の体を離そうとはしなかった。
ー数十年前ー
あらゆる種族が一度に争った、第一次種族対戦。泥沼化した戦争はやがては世界政府の設立により終止符を打った。
しかし、やがて種族同士の大きな争いが始まろうとしていた。
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