赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>侯爵夫人
はは、まさか。草木は勝手に動いたりしないし、猫は自由気ままなだけさ。(故郷について問う声にはゆるりと口角を吊り上げ。薔薇は愛でるもので、猫は気紛れな生き物。不思議の国のように自我を持つ植物などそう存在するものではないのだと小さく呼気を零して「オレが育った国は海と空が綺麗だよ。どちらも青くて、すごく澄んでるんだ」高く澄み渡る空の濃い青と、地平線まで伸びる透明で柔らかな海の青。どちらも同じ青だけれど、似て非なるもの。されどその違いを言葉にして説明する学はなく、抽象的なイメージを伝えるのみに留まり。髪や喉元を撫ぜる指先に心地好さげにとろりと蒼眼を細めて「サンドイッチの次はワインだなんて、侯爵さんは太っ腹だな」と、酒と肴の準備に立ち上がった彼の動向をそわそわと落ち着きなく見守り。餌付けという単語がちろりと脳内を横切ったが、今は目の前のご馳走をいただくとしよう。器に注がれ、細やかな気泡を立てる薄く色付いた液体の何と美味しそうなこと。ツマミとして広げられた塩気のあるチーズもまた魅力的である。掲げられたグラスに、自分のそれを軽く宛がい「あなたとオレの出会いを祝して」乾杯の挨拶とした後は、手の内の果実酒で豪勢に喉を潤して、心底幸せそうに)~~ッ、Buono!
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