フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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>フラミンゴ
(目の前で鮮やかなほど顕著に緊張で強張っていく体は見ていて嗜虐心を刺激する。それだけでなく、普段聞くことのない警戒した声音もなかなかに新鮮で緩む口元が止められない。振り返った彼にひらりと片手を振り「いつ見ても可愛えなァ」と、しまりのない顔で冗談とも本気ともつかぬ口調で挨拶がわりの返答を。自身の悪ノリに付き合ってくれたメイドへ片手を上げ"おおきに"と礼を述べてから、彼に招かれるままどさりと隣に腰を落とし。伸ばした指先は珍しく粧し込んだ彼の髪へと伸ばされクルクルと人差し指に毛先を巻き付け弄ぶ。「…ふーちゃん、俺怒ってんねんで?」突拍子もなく切り出しては、むすりと口をへの字にして不機嫌な表情を作ってみせる。特に彼が悪いことをしたわけではなく、ただの子供染みた嫉妬からくるもの。それは自身が一番良く知っている。指先に絡めていた毛先を持ち上げ、そこに唇を落とす。「こん可愛え姿をみんなが見たって思うと、焼いてまうわァ。なんで俺に一番に見せてくれんかったん?」ぱっと指を開き彼の髪を解放すると、今度は彼の肩に顎先をちょんと乗っけ、横顔に嫉妬混じりの熱視線を注ぐ。一緒に行こう、とパーティーに誘ってくれれば良いのに。そんな思いを込めて、彼の無駄な肉がない削がれた頬に人差し指をぷすぷすと突き立て抗議を示し)
>ダム
──……は?(まさに開いた口が塞がらないとはこの事だろうか。許容範囲を超える説明内容にフリーズしてしまう。その為、彼が近寄ってきたことも、背後に回られ城の中に案内されたことにも対応出来なかった。気付けば見たことのない建築物、過ごしやすい気温、触れるのも憚られるような光り輝く装飾品に囲まれて。ふらふらと足取り危なく彼の側から離れ、掌を城の壁に当ててみる。触れた素材は果たして何で造られているのか。考えれば考えるほど己のいた所と比べるも無く恵まれた住環境。「…何故だ、何故なんだ…。俺なんかが何故…。おい…、アリスというのは俺以外にも何人も居るんだよな?」ボソボソと呟いていたかと思うと背後の相手を振り返り確認するように聞き返し「仕事しか能のない俺には代役のきくアリスとやらがお似合いということか……」返事を聞く前に自己完結するようにそう締め括る。そのままズルズルと頽れるように床に膝と両手をついて。追い討ちをかけるように掛けられた言葉は精神を底へ突き落とす。一体クリスマスパーティーとは何ぞや、肩の力を抜くとはどのようにするのか、まるで難題に直面したように顔の表情を強張らせ。この世の終わりとばかりに曇らせた表情、ふらりと立ち上がりツカツカと再度相手に歩み寄っては、頼もしい両肩に手を置いて。「…お、俺は一体これからどう過ごせばいいんだ。アリスという名の代替えのきくものになるのは構わない。いや、寧ろ俺なんかには相応しい。…然し、どう過ごせば良いのだ?き、…っ君の話を聞いているとそのアリスとやらは好きに過ごして良いみたいじゃないか。好きに過ごすとはなんだ…。俺にどう過ごせと…。そ、そうだ!仕事をくれ!馬丁でも野菜の皮剥きでも、水を汲んでくるだけでも、なんでもいい!俺に仕事を…!!」混乱はまさに頂点に達し、ガクガクと目の前の身体を揺らし、カッと目を血走らせながら訴える。途中、"君"と呼びかけた際にばっちりと相手の顔貌を見てしまい、その燦めくような美貌に一瞬言葉を詰まらせ目を逸らしてしまったものの、何とか一思いに気持ちを伝えきり。ふるふると極度の緊張と、高スペックな男を相手にしている憂鬱から小刻みに体は震えて)
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