フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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>テファン
――!?(驚いた。突然柔らかく温かい物に目の前を塞がれたのだ。余りにも唐突過ぎる現状に堪らず体を強張らせ、固めながら肩を跳ね上げる。驚きに息を飲みこむと自分に対して悪戯を噛ますのは恋人か、遊園地のもう一匹の鳥、若しくは恋人の兄弟か。考えられる選択肢を頭に浮かべ、そして会いたいと言う思いを込めて恋人の名を上げようとしたその時に振って来たのは全く持って予想外の声色だった。堪らずあんぐりと口を開けば益々状況が分からないと茫然と動きを固めたまま、新たな刺激として耳に掛かったその息に愈々我慢がならず、手を振り切る様にがばっと顔を向け。「――誰だ、っ」元の人見知りゆえか、聞き馴染みのない誰かに悪戯をされると言うのは受け難い様でぴりぴりと伝わる緊張感を持った声色でその一言を。そして其処に居たのは思い掛けないメイドの姿。意味が分からないと目を丸くし、漸く状況が掴めたのは隣に並ぶ恋人の姿を見た時で。何度も何度も浅く瞬きを繰り返せばこれが彼の仕組んだ悪戯だと理解し、「綿菓子、お前、――馬鹿じゃねェの」片手は目を覆いそのまま緊張感がほどける様に肩を落として「悪いな付き合わせて」そのままの姿勢でメイドへ詫びの言葉を。「驚いた」くすくすと笑いながら姿を消すメイドの気配が無くなってから目に宛がっていた手を下ろし、隣を指先で叩いてから来ることを促して)
>ネロ
(野生の小動物を相手にしているような錯覚を覚える。何かを恐れ怯える様に距離を取られてしまうと手持無沙汰と宙を浮いたままの手を引き戻し、至って恐縮と言わんばかりの雰囲気で尋ねかけられた地名は微塵も聞き馴染みのない初めて聞いたそれで。頭を少し傾けてから「力添えできず申し訳ございません、生憎と僕の知らない場所のようです。」先ずは簡潔たる返事を一つ。「恐らく、その場所に行くのは難しいことかと。――此処は不思議の国、貴方の過ごしていた元のクニとは全く違う場所です。」ぐるり、と周囲に視線を回せば述べる言葉は彼の不安を煽ってしまっただろうか。「今から話すことはとっても大事な話になります。少し長くなりますがお付き合いください」離れてしまった距離を再度詰める様に一歩二歩と足先を進ませ、防御する盾代わりの書類に軽く指先を添えて降ろさせて。「不思議の国は赤の女王とその他の住人、そして他所のクニから来た"アリス"で成り立ってます。貴方はアリス、僕はその他の住人。」交互に自分と彼と指を差しながら大雑把な説明を。この国におけるアリスの重要性、アリスが女王候補である旨、この国で生き方を説明すると、全てを終えた所で「以上が、直ぐには信じられないと思いますが貴方が置かれている状況です。――あ、でも、運が良いですよ。今はクリスマスパーティを行う期間なので、肩の力を抜いて過ごすのに一番向いてます」ニコニコと人当たりの良い笑みを浮かべながら彼の背後に回りグイグイと押しては城へと連れて)
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