真選組屯所内の秘密　非募

……。アンタは自信満々っつうか、少し前のヘタレ土方は何処行きやがったンでィ…(彼の言う己がMやら可愛いかどうかははっきり言って理解不能では有るが、相手の意地悪度は上がった気がして。此の侭ではまずいと暫し考え込んでは良いこと思いついたとにやり黒い笑み浮かべて)
ふん、言っときやすが…油断してっと命無いですぜい！此れから毎朝バズーカでアンタの事起こしてやりまさぁ…覚悟しやがれい！

それ命が幾つあっても足りねェよっ！起こすならもっとまともに起こしやがれっ（関係が変わっても命が狙われる事に変わりは無いのかと顔を引攣らせ、ばしっと相手の頭を叩き鋭いツッコミを入れ深い溜息を一つ）

痛っ…！土方コノヤロー今、本気で叩きやがったなッ、！(鋭い突っ込みにより叩かれた箇所に手を当て、唇尖らせ不満言い)
えー…まともな起こし方なんざ詰まんねェし…

つまんないとか楽しいとかじゃねェんだよっ…、俺が寝てる時に部屋に入ってきたら切腹だからな…（子供のように拗ねた表情と言葉に相手の胸ぐらを掴み睨みつけ、目で訴えるように視線を逸らさず）

─……へい、分かりやした。分かったンで離してくだせえ、勝手にはいりやせん(視線逸らさず真剣に告げられては、頷くしかなく。今まで悪戯しかして来なかった事も有り今更彼とどう接するべきなのか何も分からない為、心中がっくりとして──、ましてや相談出来る相手居ねェし…やばい、振り出しに戻りそう…)

おい、なにボーッとしてんだよ（先程とはテンションの違う相手に胸倉を掴む手を緩めて、何かを考えているであろう彼を不満そうに見つめ）別に、悪さしねェなら許してやるから、バズーカだけはやめろ、わかったか？（手を離し困ったように溜息を吐いて）

……へい。有り難うごぜぇやす、でも、やっぱいいでさ。アンタ忙しいし勝手に部屋訪ねてっと、隊士達に変に思われちまう。(困惑した様子ながらも許しが貰えたものの、相手が普段から多忙な副長だった事思いだし此れでは相手の言う通り餓鬼でしかない事に気付き上記述べ。)
其の代わりと言っちゃァ何ですが、たまにファミレス、連れてってくだせえよ。

……ファミレス？んな所でいいならいつでも連れてってやるよ（その代わりと言われなにを頼まれるのかと思えば簡単な事で、逆にもっと我が儘を言えばいいのにと思うもとりあえず頷き）なんなら今行くか？（優しい笑みを浮かべくしゃりと頭を撫で）

えっ…いいンですかィ？、行きてェでさ！(思ってもない返答に、身を乗りだし伝えて。優しい笑みを向けられては、安堵したように表情緩ませて)

よし、じゃ…いくか（身を乗り出し行きたいと言う彼に表情を緩ませ立ち上がり掛けてある上着を取り）総悟、…（名前を呼び髪を撫で、軽く唇にキスをすれば背を向け部屋を出て行き）

～…！？、(名前を呼ばれ疑問符浮かべ見遣れば、髪を撫でてもらった次の瞬間キスを贈られ、ぼふッと顔は朱く染まってしまい)──っ、土方さん…！(此れでは熱が冷めるまで出ていけなくなるじゃないかと思わず相手の名前を叫び、数分後蹴り入れるくらいの勢いで。急いで追い掛けていき)

ふっ……（勢い良く来た相手をチラリと見遣り微かに残る朱い頬を見て笑みを溢し）まだ冷えるな、寒くねェか？（屯所を出て相手の一歩前を歩き、冷たい風を感じれば昔なら掛けることのなかった心配の言葉を掛けて）

へっ…だ、大丈夫でさ…隊服きっちり着込んでやすンで。──(今にも飛び掛かるくらいの勢いで相手に追い付いた直後、掛けられた言葉にびくッとしてしまい。何だか感じた経験の無いよく分からない感覚に少々あわわ狼狽えつつ答えて)

ならいいけどよ…お前、そんなんじゃ命狙われんぞ（いつもと違い子犬のように見えてしまう相手を気に掛けて、だがそんな彼が愛おしく感じ）ほら、ついたぜ（扉を開け案内される席へと向かい）

………。んなの、分かってまさぁ…(彼に言われた言葉を重く受け止めるものの、好きな人から関心を持たれている事がこんなにも自分を変えてしまうなんて知らない感情で有り、苦笑溢しながら相手に続いて席へ向かい。)

お前は仕事サボってるかと思えば、一人で無茶する所もあるからな…色々心配なんだよ（席に着きメニューを眺めながら優しい口調で言葉を掛けて、注文が決まればメニューを閉じタバコに火を付け前に座る相手を見つめ）

……。(席に着いて聞かされた事に、そういやそんな事も有ったな。と、メニュー表見つつ思考巡らせ。)──でも、土方さんだってそうでしょうよ。聞かされてねェこたァ意外とありやすぜ、勝手に無茶して副長に何か有ったら真撰組は終わりでさァ…(己の姉の事思い出し、あの事実を知った時は何とも言えない気持ちになった事を此の男は分かってンのかと、じっ…と相手見つめ返し)

…その副長の命を狙い続けてるお前がなに言ってんだよ、それでも生きてんだ、もう怖いもんもねェな（相手からの心配の言葉は未だに慣れず、見つめ返されれば冗談交じりに相手を安心させようと上記を述べて）注文、決まったのか？（メニューを見ながらも別のことを考えているであろう彼に質問を投げ掛けて）

まァそうですけど…(相手の気遣いは分かったけれど、自分の中では納得出来なかったようで其の侭に見つめており、けれど、注文を訊ねられては慌ててメニュー表へ視線遣り)──ちと待ちなせえ、じゃあ、ハンバークの定食にしまさァ…！(急いで決めた為、普段と余り変わり無いメニューになり)

お前いつもそれだな、たまには違うもん食ったらどうだ？ゆっくり決めていいからよ（表情から納得いっていない事は感じ取りでもそれには触れずに、慌てる様子の彼に注文を聞けば苦笑いし焦らなくていいと伝えガラス越しに外を眺め）