主おじさん 2017-01-26 20:28:46 |
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”さようなら。”(手を振り返しては背を向けて。)
”はい、また会いましょう…。”(恥ずかしそうに大きくてを振り返してはニコリと微笑むと彼の大きな背中に背を向けて)
『またな。』(彼女の可愛らしく微笑んだ姿を一目すれば名残惜しそうに背を向けて去って行く)
『ええ、亦今度逢いましょうね。』(彼の照れ臭そうに微笑んだ顔を見つめては仕方なさそうに彼の傍に寄ると頬を撫でて…暫くすれば静かに笑うと去って行く。)
(─────)
(目を開けた頃には涙が頬から零れていた。まるで誰かが埋めた穴がぽっかりと空いたみたいに。)
(────)
(時計の針が彼の心臓みたいに脈打ち刻んでいる。何だか恐くて、それでも泣けやしない。)
(──…)
御免なさい、起こしちゃったかしら…。
…何だか貴方へ言葉が伝わるのって今じゃなきゃ駄目な気がしてしまって…
私の聲は聴こえてますか。
…私の想いは…君に届いてますか。(自身のスマホから彼の病室にあるスマホに電話を掛ける。
繋がっても彼の優しい聲は聞こえて来ない)
(─…)
今日は生憎の天気ね…。
…ねえ、貴方は私が”愛してる”と言ったら…あなたは何を言うのかしら。(公衆電話のボックス。
手には10円玉すらもらなく。
受話器にただ話し掛けるだけで、
ボックスの外からは雨音が漏れ出す。)
(…)
聴こえてますか。
元気ですか。
…貴方の聲が聞けたら良かったのに。
此の藐色のクロッカスも、
熟した枇杷も貴方にきっと似合う。
貴方を愛したことは間違いではなかった。
でも、貴方に出逢わなければこんな…っ…。
…なんてね、
…之が正解だったのかもしれないわ。
…愛していますよ、○○さん…。(藐色のクロッカスの束を片手に見えぬ糸を轢いて紙コップを耳に当て語り掛ける。…ぽろぽろと崩れた雫を紙に染みていくのを感じ乍、唯彼の優しい聲を求めては聞こえぬ間の中。〆)
説明:男女交互、”?セリフ?(描写)”の繰り返し。
(──)等は男の心臓の脈を表している。
最初の””は子供時代
『』は学生。
その後からこのお話の現在である事。
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