霜月タルト 2017-01-03 19:12:07 |
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>>85
「ここはどこだ!?」
白い天井に、埃一つもない箱のようなその場所。
私は、その中にいた。
――いた。というよりも、収められていた。
――そう。収容されていた。
透明の特殊な防弾ガラスに私の顔が映った。
「なんなんだ? この顔」
青白い顔に、人とは思えないような瞳の色。すべてがグロテスクな。まるで、バイオハザードの映画や、ワールドウォーZなどに出てくるであろう。所謂。――ゾンビのように形成された顔、骨格を目の当たりにした。
しかし、ゾンビ・・・・・・。
ゾンビ。
仮にゾンビだとして、なぜ!? と、いった疑問をわくのは、当然の人間としての判断なのだろうか。そもそも、ゾンビってこんなにも知性的なのだろうか。――そうか、ゾンビのようであって、私自身はゾンビではないのかもしれない。
だって、そうだろう? ゾンビは人襲うように仕組まれたように、ゆらゆらと、無意識なのか、遠隔なのかはわからいけど、そんな感じだ。私が、右を振り向こうと思えば、首を右に動かせるのだし。たちあがろうと思えば、下半身に力が入り、足を延ばして、腰を上げて、立ち上がることができる。
――私は自由でありながら、ゾンビ。
白い箱のような一辺に銀色をした扉を目にした。よく見られる、非常階段に設置されるような安くさい扉だ。どこか、この空間に、異様な雰囲気を放つ。どこか、似つかないような扉の前まで行き、ドアノブを回す。
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