主 2016-12-11 19:11:09 |
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『__月の出ない暗い夜に森に入っちゃいけないよ…そのくらーい森の奥には真っ黒なお屋敷があって、其処にはヒトの血を吸う化け物がいるんだって』
<真っ黒な屋敷のとある部屋で悪魔の少女は一人妖艶に笑う>
『__この塔の上には聖女が幽閉されている。聖女は5歳の時に村の平和の為に塔に閉じ込められている。聖女に接触できるのは極一部のものだけ…』
<白髪の美少年は聖女のいる塔に掛けられた幾つもの鍵を外す>
『__このお屋敷は広すぎるよな…どうして僕は此処の召し使いになっちゃったんだろ…まあ、家のない僕にはありがたかったんだけど…って無駄口叩かないで掃除しなきゃ~!?』
<獣人の少年は必死に掃除をする>
『__この村には高い塔がある…そこには私の姉さんがいるそうです。私は姉さんにあったことがない…そして、私の恋する人は姉さんに恋してる…』
<幼さの残るあどけない声で少女は悲しそうに塔を見上げる>
『__彼は私を見てはくれない。私はずっと…ずっと前から彼を想っているのに!どうして!?あの塔を見つめているの!?貴方のためならば何だってするのに…!』
<藍色の瞳を持つ人形の少女は愛しい想いで彼を見つめる>
『__前々から興味があった。あの塔に閉じ込められていた少女に。私は心を奪われた…しかし、白髪のヒトに片目をやられた…弟にその事を話したら、興味を持っていたな』
<銀髪の青年は今はもう無い片目にそっと触れる>
『__5歳の時から塔にいます。外の世界を知ることが出来るのは彼の持ってきてくれる本だけ…ある本の中に吸血鬼と言うものが載っていました。少しだけ、会ってみたくなりました。』
<聖女はまだ見たことの無い世界に憧れながら窓の外の夜空を眺める>
『__長い時を退屈に過ごしてきた。兄貴から塔の事を聞いて興味本意で夜に聖女の事を見てきた…自分は何を思ったのか分からないが、何故か彼女に話しかけていた。どうして…本当に、分からない』
<紅い瞳をもつ少年は今日も屋敷から塔を眺める>
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