風人 2016-11-02 05:15:58 |
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翌日の打ち合わせでまたしても僕は、冷泉深雪の優等生っぷりを思い知らされた。同じ話を聞いたメモなのに、九十パーセント以上は冷泉メモを採用することになった。発表内容の素案構成も、ほとんど冷泉がやってくれた、なのに素案がまとまると、冷泉は僕に向かって頭を下げた。
「今回は勉強になりました。私の世界は小さくて綺麗、だけど脆い。そのことを教えてもらえただけでもよかったです。それは天馬先輩と一緒でなければ、わからなかったことだと思います」
ぺこりと頭を下げ、ツイン・シニョンの髪飾りを揺らして、僕の前から姿を消した。
ニ〇〇八年が暮れようとしていた。
輝天炎上/天馬大吉、冷泉深雪/海堂尊敬
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