風人 2016-11-02 05:15:58 |
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「言うまいと思ってたが、やはり寂しいよな」
杉田の言葉に一条はハッとした。悟られないようにしていたはずなの思いを見透かされているのかと思った。だが杉田の視線は一条を通り過ぎて、その隣の席に向けられていた。
そこには料理が運ばれていたが、ずっと空席だった。そして披露宴が終わるまで、だれも座ることはない。
座席に書かれた名は----『五代雄介』。
(略)
「五代雄介……」
新郎新婦への祝辞がはじまる中、一条は胸の内でつぶやいた。席札のその四文字を視界の端で捉えると、あの笑顔がはっきりとよみがえる。
小説仮面ライダークウガ より
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