今いざ行かん、 【BML/戦闘/半指定】

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遠い秋の空だった。
空が高く、広がる雲は純白で。

清々しい秋風が頬を撫でていた。
静かで、何も無い。

遠くから煙の臭いが鼻をついて
ゆっくりと視線を向けてみれば。

燃ゆる炎と雷のような怒号と轟音に
何故だか、“安心”を覚えた。

『もう“動けないから”、“次は無いから”』
肩の力が抜けた途端に走馬灯が走る。

その瞬間、“恐怖”と“安堵”を感じた。
もう『動けない』
もう『殺さなくて良い』
もう『明日はない』
もう『怯えなくて良い』

もう……、





“ やっと、終われる ” ─ “ これで、終わり ”





苦悩と幸福に喜び
希望と絶望に怒り
思いと想いに哀み
愛情と哀情に樂み

そして、

限られた時間を生きた者。




“ 今いざ行かん、逆らう事も許されずに ”

“ 大事な人を護るために ”

“ 突き刺す雲から華と散る ”


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( 暫し口噤 )

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