〜日常の中の非日常（ ひぼ ）〜

…何でィ、嫉妬ですかィ?そもそもアンタ以外興味ねェし、見る訳ないだろィ。( 相手から発せられた言葉を聞取ればふっと笑み零して、相手の不安かき消す為にはっきりと言えば弁当を食べ進め )

っ…ずるい。(不安を見透かしたように求めていた言葉をくれる相手に対し頬染めぽつりと憎まれ口を。照れ隠しのつもりなのかそのままペースを上げて手元の弁当食べ進め)

別に狡いことしてやせんけど。…アンタが言って欲しそうにしてたからでィ。( 頬染める相手の姿を満足気に見れば人差し指で頬つんとし。食べ終えると「ごちそうさん。」と一言言って弁当箱片付け )

そ、それじゃ無理矢理言わせたみたいじゃない！(頬突かれれば更に頬染め、バツが悪そうに憎まれ口を返し。此方も食べ終えては「ご馳走様」と弁当箱片付けて柵に背中預ければ空見上げ、「なんか、眠くなっちゃうわね」とぽつり)

別に無理矢理じゃねェだろィ。…俺が嫌がって言った訳じゃねェんだから、( ボソッと呟けば頭を掻いて。眠そうに言う相手を横目で見れば「…確かにそうですねィ。ちょっと寝やすかィ?」と己は散々寝たというのにまだ眠いようで欠伸をし )

…やっぱりずるいわ、総悟。(相手の呟きが耳に届けば嬉しくて思わず緩みそうになる口元無理矢理抑え込み。昼休みが終わるまではまだ時間があると確認し、「そうね。膝、貸してあげるけど？」床固いでしょ？アスファルトだから、なんて理由を付け加えながら自分の膝をとんとんと叩き)

…だから狡くないでさァ。( 言い返すもののなんとなく相手が嬉しそうにしているのが伝わってくれば小さく笑みが零れ。相手の膝に目線落とせば提案に少し驚くも、すぐに口元緩め。「んじゃ、お言葉に甘えて。」と言うと相手の膝へと頭乗せ、いつも着けているアイマスク着用し )

アイマスク着けるほど熟睡する時間ないわよ？(膝に相手の重み感じればとりあえずアイマスクについて述べながら、そっと相手のさらさらの髪を梳くように撫で。見えないことをいいことに、普段は強がって見せない柔らかく幸せそうな微笑を浮かべ)

…じゃあ、アンタも一緒に午後の授業サボりやすかィ?( 髪を撫でられれば内心少しビックリして、アイマスクを額部へとずらせば相手の笑顔が目につき。ふっと笑うと腕を伸ばして相手の頬撫で )

あ…、い、いきなり上げないでよ。(予期せぬタイミングで相手が瞳覗かせれば、見られた、と恥ずかしくなり。むっと拗ねたような表情浮かべるも頬を撫でるその手が心地良く、その手に己の手を重ねれば、日頃サボるなんて考えもしない癖に今はサボりたくなってしまい、「…たまには、いいかもね」なんてらしくない呟きを零して)

…いつ上げようが俺の勝手だろィ。( 恥ずかしそうにしてる相手を見れば意地悪な笑みを向け。まさかのOKが相手から出れば断られると思っていた為驚き。「…本当に良いんですかィ?アンタは俺と違って真面目なんだから、先生に目ェつけられやすぜェ」と確認するかのように聞けばそっと指先で頬撫で続け )

いいのよ、たまには。半日くらい抜けたところでテストの満点は変わらないわ。(相手からの確認の問い掛けにも、もう決めたからと言わんばかりの口振りで皮肉を込めて答え。空いた手で再び相手の髪を撫でつつ、「それに、今は総悟と居たい気分なの。…悪い？」と素直にはなりきれないものの自分にしては上出来ともいえる言葉を発し)

…嫌味ですかィ?( 相手の頭の良さを羨ましく思えば撫でていた手を一旦止め、軽く頬抓り。相手から発せられた言葉に対し目を見開くも笑みを零して、「…いや、上出来でさァ。アンタにしては素直に言えてる方なんじゃないですかィ?」と褒め )

痛いっ、満点取るのは特技なの、仕方ないでしょ？(反射的に頬抓る手首掴めば減らず口を。褒められれば照れ臭さから視線泳がせるも、口では「総悟が褒めてくれるなんて珍しい…何かご褒美でもくれるの？」なんて言葉を返して)

へえ、満点が特技とか羨ましい限りですねィ、エリートさん。( 手を掴まれたものの頬抓ったままエリート、という部分を強調して言葉放ち。相手からの返事にふっと笑み零せば、相手の後頭部を片手でぐっと引き寄せてギリギリまで顔を近づけ。「なに期待してんでィ。…キスでもしてほしいんですかィ?」と唇寄せるも寸前でピタリと止めて話し )

うわっ！べ、別にそういう意味で言ったんじゃ…！(引き寄せるその力に逆らうこともなくただ驚きの声を上げ、気付けば相手の整った顔が目の前にあり。かぁ、と頬を染め期待してないと否定するも、詰められた距離も相俟ってどうしても唇を意識せずにはいられなくて)

違うんですかィ?…んじゃ、褒美は無しな。( くすっと笑うも加虐心に駆られれば更に意地悪な発言し、相手の頭からすっと手を離せば顔も離し )

ッ、ほんっとドSなんだから…(悔しそうに小さく悪態つくも期待してしまった気持ちが消える筈もなく、ちらちらと相手の顔を見た後、そっとその頬に触れ、「してよ…キス」と視線は合わせられないままにぽつ、と要求し)

それは褒め言葉でさァ。( よく言われる単語に対し得意気に笑みを浮かべ。相手からの要求にきゅんとなればむくりと体を起こして、相手と目線合わせると顔を近づけ。「ったく…して欲しいなら最初から言えばいいじゃないですかィ。」と小さく呟くも満更ではなさそうな顔で唇重ね )

うるさいっ……ん…(相手の呟きはもっともであり返す言葉無くなるも目の前にあるその笑顔に心臓は高鳴って。それをどうにか隠そうと平静を装いつつ口付けを受ければそっと瞳を閉じ。耳にはグラウンドで遊び回る他の生徒たちの喧騒が響いて)