まったりとお相手を ( bl、nl )

ん。じゃあ俺はワッフル食べようかね…さーて、例のシュークリームはー、っと…あったあった。
(キッチンに向かう際に己の後ろに聞こえる礼に満足げに短い返事をし、冷蔵庫の前に立つなりぱかりと開けては目的のお菓子を探し当ててワッフルとシュークリームそれぞれ手に取り、ぱたんと冷蔵庫を閉めて元居た自分のソファーに座っている男の隣に戻ると「はい、シュークリーム」と顔の前に差し出してから隣に座って。)

…はぁ…。
(相手がキッチンに行くのを見届けては手に持ったままのコップに再び口付けてお茶を飲み、口の中に広がる香りにほっと心が和んでは小さく息を吐き相手がお茶を好むのも理解出来ると表情緩めコップをテーブルに置いて。キッチンから戻って来る相手の手に持たれているシュークリームに無意識に口角を上げては「ん、ありがとう。いただきます。」と受け取りながら礼を述べ、いただきますと呟いてから封を開け。)

どうぞ、俺もいただきます…と。
(再び沈む己の居場所に安心感を得ると背もたれに体重を預けてのびのびと足も伸ばして自分なりに楽な体勢を取り、食べる時の礼儀が聞こえ己も礼儀を置いてから封を切ってからあ、と短く声を発し伝え忘れていたのか「中身はカスタードだが大丈夫か？」と己好みの味に合うかどうかを心配して問いかけて。)

大丈夫、これが美味しいんじゃん！
(視線はもう手元のシュークリームに釘付けで封を開けて香る甘い匂いに我慢出来なくなってはぱくり、と一口齧って咀嚼した所で問いかけられた事に対して上機嫌で上記返せば「よいしょっ。」と態と声に出して呟いては相手に凭れかかる様にして座り。)

はは、そうか。好みが一緒のようで良かったよ。
(プレーンにチョコのトッピングがかけられたイメージ写真のパッケージの封を開けるなり甘い香りが鼻を掠め、ワッフルを半分出した状態でプラスチック部分に指を添えて幸せそうに咀嚼をするのを横目に見れば追うように一口齧り。同時に隣から重みがのし掛かると、ふと唇に笑みを滲ませて此方も重みの方角へ体重を任せ。)

一緒？…案外僕たち気が合うかもしれないね。
(ぱくぱくと食べ進めて何処か嬉しげな表情で上記述べる口端にはクリームが付いているが本人は気が付いておらず。自分の方にも相手の体重がかかった事に気が付けば「へへ。」と少し照れくさそうに笑い。)

それは良いことだ。…うん？口許にクリームがついているぞ。
(一緒だということに嬉しげな表情抑えさく、さく、と食のペースが早くなり。ふと重みのほうへ顔を向ければ口端にクリームの残りのようなものが見えると上記を述べた後、おやつを逆手に持ち替えて顎に指を添えつつ、取りにくいと言わんばかりに人差し指と親指で顔をグイッと上に向かせるなりその親指で拭うとその指は己の口元へ運んでカスタード特有の味を堪能し。)

え、本当？
(相手より先にシュークリームを食べ終え袋を捨てようとすれば口端にクリームが付いていると言われ、いい歳して恥ずかしいとティッシュで拭おうとティッシュを取ろうとすれば顎に添えられた指にきょとんとして相手見詰めては指で拭われそれを口にしたのを目にしては「…ち、千歳…、」とみるみる顔を赤く染めて。)

ん、やはりカスタードの甘さもあって美味しいな。思わぬところで食えて良かった。
(ティッシュに伸びた手を見たら視線を横に移動させて瞳に呆然としている姿を確認し。そのクリームを口内に運ぶとあっという間に溶けるようになくなってしまう存在に少しばかり残念そうに肩を竦めてしまうが、ほんのり頬に赤みを帯びているのに気づけば「何照れてんだよ」と林檎色の肌に指の背で軽く一撫でしてからプラスチックの入れ物に入っているものを食べ切り。)

もう、何するのさ！自分で拭けたのにっ。
(赤らめた顔で眉を寄せては恥ずかしさを紛らわす様に軽く相手の腕を数回叩き上記述べて。まだ熱を持つ頬を指先で撫でられては擽ったいそうに肩を竦め「だって、あんな事するから。」と視線を斜め下に逸らしぶつぶつと小さく呟いて。)

イテッ、痛えよ…ムキになってカワイイ奴だなお前は。
(これでもかと数回か叩かれている腕への衝撃に口許に緩く弦を描いて浮かべ、態とらしく棒読みでその柔らかな反抗に対して鈍痛の意を伝えて。先程取った行動に不満を感じているかのような素振りに笑みを浮かべたまま、胡桃色のさらりとした髪へ指を持って行き、その指で一本一本梳くように弄び。)

…。
(これくらいの力量で痛い筈ない、と緩い口元で棒読みで告げられた言葉にじとりとした視線を無言で向けて。さらさらと髪を大人しく撫でられながら未だに不満気で「ムキになってなんかないよ。それに可愛いって何さ、僕男なんだけどー。」と独り言の様に文句を口にして。)

…悪い悪い｡面白くってな｡
(地を這うように向けられた視線に僅かにも言葉を飲み込み､それから眉尻を下げつつ肩を竦めれば楽しいと言わんばかりな言葉を洩らし。そして不満の言葉を耳にするとさらりとした髪束を指でざら､と指を横へとずらすようにしながら暫し適正な表現の仕方を考えるために思考を巡らせ､巡らせた結果は「…じゃあ素敵ってことで｣と伝えて､男に綺麗もどうかなと思いつつ様子を見つめて。)

何が面白いっていうのさ、シュークリーム食べてただけじゃん。
(相手が思う面白いというのは一体何がなのだろうと疑問に思っては首を傾げながら問い掛け。言い変えられた言葉に「ムキになる所が？…ふふ、意味分かんない。」これだと言葉の意味が変だと可笑しそうに笑って。)

反応が面白かったんだ｡さらに弄りたくなるもの､というか。
(不思議そうに見詰めている視線と問いかけに自分なりにわかりやすくしようと改めて説明しようと意識すればするほど､その解説は段々とややこしくなっていって気付かないうちに深く考えているようで無意識に眉間に力を込めるが､此方の回答に笑っている姿に考えることを制止し呆気を取られるも「違う､可愛いんじゃあなくて､言い換えれば綺麗ってことだ｣と少しばかり慌てつつ伝え。)

弄りたくなるって…止めてよねー。
(相手の説明を聞き自分の反応を思い返してはそんな反応をしていたのだろうかと思いつつ、弄られまくるのは勘弁だと告げながら皺の深くなった相手の眉間に人差し指を当てほぐす様にぐりぐりとして。慌てた様子で告げる相手に解釈が違ったのか？と不思議そうに「綺麗？」と聞き返して。)

ホントの事だ｡…可愛いと言われたのが不満だったんなら言い変える｡綺麗で素敵だってことだ｡
(幾度も弄られる事は嫌だという解釈をしながらも更にわかりやすく伝えるために眉間に力を入れた侭だったが､触れた人差し指によってふと肩の力が抜けていき､気づかぬうちに考えこんでいたんだなと少しばかり苦い笑いを口元に浮かべ｡さらに疑問に感じている姿に「説明が下手クソなんだよ､悪ィ」と髪に触れている指遊びを止めて。)

不満っていうか、何だか恥ずかしかっただけ。
(相手に可愛いと言われ不満気な態度をとっていたのは単に照れ隠しの様なものなんだと少し言いにくそうにしながらも素直に心情告げては目を合わせていられず僅かに反対側へ顔を逸らすようにして。相手の無駄な力が抜けていくのがわかれば指を離し「説明なんて僕だって下手っぴだよ。」と何かを他人に説明するというのは難しく自分も苦手なのだと困った様な笑みを浮かべて。)

恥ずかしい？はは！やっぱ可愛いじゃねえか。
(素直な心境吐露した言葉に深呼吸して一息しては心の中の雲みが晴れるような気持ちになっていくのを感じるとくっ、と口角が勝手に上がる唇に手を持って行き、肩を微かに揺らして。視線を噛み合わせないようにしている動作に「もっと綺麗な瞳を見せてくれよ」と自分の方へ合わさるように促し。)

笑わないでよ、仕方ないでしょ、いきなりそんな事言われたら誰だって恥ずかしいよ！
(笑われてしまえば余計に恥ずかしくなり眉を寄せて淡く頬を赤らめ、上記述べなが相手の両頬をむにっと摘んで笑うのを阻止して。少し沈黙を作ったが控えめにチラ、と其方に顔を向けては「…よくそんな台詞さらっと言えるね。」と。)