桜宮サーガ雑談

桜宮サーガ雑談

風人  2014-11-30 06:00:58 
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『チーム・バチスタの栄光』から始まる田口・白鳥シリーズに発端し架空都市桜宮市を中心に過去・現在・未来、東京霞ヶ関や北は北海道の極北市、ドイツのブリュッセルまで広大に広がる桜宮サーガを雑談し語る部屋

トピ主はまだ読んで一年と満たないですが桜宮サーガを語れる方がいてくれたら嬉しいです。男女年齢に関わらずお越しください。

『桜宮サーガ』のシリーズなら小説・映画・ドラマ・漫画などいずれでも話題は構いません

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  • No.341 by 風人  2016-10-17 18:33:55 

『極北ラプソディ』をあらためて読むと世良先生の心境が最初と最後でぜんぜん変わってることに気づく。
はじめは医療債権人として以前とおなじようにやってただろうけど最低限、今中先生を将来に傷をつけまいと救命救急センターに派遣する。
だけど今中先生はほんの半月ほどで市民病院に戻ってくる。将来ある若者の将来を救う意思はある。
しかし市民病院を救うという意思はあってもできることは限られる。たぶんそれゆえに極北市に来るまでの間にいくつかの地方病院がつぶれて挫折を味わったと思う。
だから極北市にはじめて来た時もそれまでと変わらないだろうというあきらめが本心がどこかにあったんでしょう。
だけど今中先生は戻ってきてしまった。
そしてドクタージェット構想のトライアルの際に運命の悪戯かかつての恋人であった花房さんとの再会してしまった。
花房さんとの過去をおそらく捨てたけど彼女は速水先生とは結局うまくいかず北海道でマスコミ通したり講演会を通して世良先生と出会う。
今中先生は戻ってきたし花房さんも極北市民病院付けの看護師になってしまう。
これではおそらく市民病院がつぶれるわけにはいかないと覚悟したんでしょう。

  • No.342 by 風人  2016-10-18 06:44:41 

『極北ラプソディ』の世良先生の対マスコミ戦略、対市役所戦略はやり方はともかく理にかなっていることもある。
マスコミが移り気なのは他作品でもたいがいは語られている。
東城医大は事件でたびたび作品世界で報道されているけどちゃんと誠意ある対応をマスコミや市民についておこなえばさらされることはない。
それは『極北ラプソディ』でもおなじ。ただし世良先生は新聞各社ではなくネットを通した訴え。
これもいまの時代の在り方。
市役所に対しては必要以外なことは口に出さないだけ。
黒字経営しても再び病院が破綻する原因が病院ではなく市役所の対応にあるということ。予算がなければ人員はおろか薬も買えない。レントゲン検査ができない。
だけど神威島の久世先生はいう。“世の中そんなに悲観したものではない“と。
世良先生のやり方が悲壮感あるものに久世先生にはマスコミを通してそう見えたんでしょう。
『極北ラプソディ』で彼なりに光りを見つけた世良先生、花房さんが一緒にいるからたぶんだいじょうぶと思う。
だけど今中先生は恋愛の要素がない。これは『田口白鳥シリーズ』の田口先生もだけど。
いつこのふたりが恋愛をしてくれるか気になるところだ。

  • No.343 by 風人  2016-10-18 08:55:10 

日本三分計画をたてる彦根先生、霞ヶ関の闇を掌握している斑鳩芳正。
どちらが悪人かといえばどちらも悪人でしょう。
彦根先生は巧みにひとを利用し操ることに長けて逃げることもうまい。
斑鳩芳正は不要となった人間はたとえ味方や内部の者でもその命さえ利用する。
彦根先生はひとの心や気持ちを多少は踏みにじることもある。だけど命はおそらく奪わない。
斑鳩芳正は命を奪う。
ある意味、このふたりも鏡のように表裏一体なようにも映らなくもない。
『輝天炎上』での彦根先生と斑鳩芳正の対比、これが『ナニワ・モンスター』そして続編『スカラムーシュ・ムーン』(未読)につながる。
『ナニワ・モンスター』で互いの目的が明らか、浪速府につくるであろうAiセンターの存在がふたりの勝敗を決するであろう。
その鍵は村雨府知事。臥竜たる彼が大きく左右するかもしれない。

  • No.344 by 風人  2016-10-19 09:27:29 

村雨府知事はどうしても橋下徹さんにかぶる。
浪速共和国、西日本連合これらは壮大。
だけど現実に置き換えたら無理そう。
天城雪彦に『桜宮サーガ』の人物たち何人かは影響を受けている。
高階病院長、黒崎教授、世良先生、垣谷先生、彦根先生、村雨府知事、『バチスタ』の桐生恭一先生、マリッツィアを通しての桜宮姉妹など。
天城雪彦、バブル三部作のなかで光彩を放つ。
『ブレイズメス』においてはまだスリジエハートセンターの前のセレモニーだから物語が中途になっている。
だけど天城先生を守れるのは世良先生だけと気になる一言。
後々の物語において天城先生を誰もが語りたがらない。
高階病院長は田口先生に、世良先生は今中先生に伝えている。
それぞれの形であまりいい形に終わらなかったと想像はできる。藤原看護師でさえ語らないのはスリジエハートセンターがつぶされなくなったのは当時の東城医大、あるいは桜宮市に大きな悔恨を残したと思われる。

  • No.345 by 風人  2016-10-20 05:50:22 

『桜宮サーガシリーズ』に時おり『ウルトラマン』『ゴジラ』『ガメラ』『ゲゲゲの鬼太郎』など他作品の名前が出てくることある。
おそらくウルトラシリーズなど未来が希望溢れる時代だった過去と21世紀をすぎてもフィクションに科学技術が追いついても人間(の中身)が意外にも技術発達をいいことに生かせないあるいは何かしらの虚しさが田口先生や今中先生を通して宿っている。
あるいは書き手である海堂尊先生の内にそんな思いが現実と離れたところにあるのかもしれない。
あえて他作品の名前を出すことフィクションの科学技術を通して医療に訴える何かがあるのかもしれない。虚しさも含めて。
『モルフェウスの領域』のコールドスリープ(冷凍睡眠)はまだまだ現実に出来ても海外でもたぶん法整備さえ追いついてないと思う。
実際におこなったら『モルフェウスの領域』同様にいろいろ法律の壁が被験者や医療従事者、あるいは被験者の保護者などを阻むでしょう。
そういえば世良先生と西野さんはいつ知り合ったのか?『極北ラプソディ』ではすでに互いを知ってたようだけど。
西野さんは一見するとややイヤな男性だけど、涼子さんについてはひとつの思いはあると思う。不眠症や少し屈折した部分はあると思うけど。
涼子さんや西野さんは孤独を知り理解している人物。その対比に如月翔子がいる。
そういう風にも『モルフェウスの領域』は読める作品。

  • No.346 by 風人  2016-10-20 07:23:22 

速水先生は孤独と表現するより孤高。
東城医大にいても雪見市救命救急センターにいても。
だけど『ケルベロスの肖像』のボーナストラックで直接は出てこないけど如月翔子が医大で待ってくれている。
速水先生は患者を救うためなら経済観念はないしヘリパイロットのルールさえ無視させる。ある意味、子どもではある。
だけど“ジェネラル(将軍)”には基本だれも逆らえない。そういうルールを東城医大でも雪見市救命救急センターでもつくってしまった。
したがう人たちは大変だけど命を救うために間違ったことをしてるわけではない。だけど、社会や会社にはある一定のルールがある。
それに逆らっている限りは速水先生は孤高なまま。
いずれ東城医大に帰った時に如月翔子さんが受け止めてくれるでしょう。その時に“大人”になってるかどうか(苦笑)。

  • No.347 by 匿名  2016-10-21 11:55:55 

本来なら『極北クレイマー』のラストで市民病院が破綻した時点で今中先生は大学に戻るのが現実の姿勢と思う。
だけど物語内の今中先生はあえて残った。出世が目的でもなく市民病院や市民病院に来る患者のためあるいは自身のためか。
『極北クレイマー』のラストは世良先生の登場で希望になったはずが、『極北ラプソディ』の冒頭では希望さえ潰えたような印象さえ与える。この落差は読んでて驚いた点。
だけど後半にほんの少しだけ黒字経営という兆しはみえる。兆しがあっても全体として微々たるもの。
ちゃんとお金を支払う患者には薬を減らす治療をして愚痴や世間話に耳を傾け不定愁訴外来をして患者を心身ともに治療してゆく。
そういうあたりまえなことをしていけば黒字にもなる。
だけど極北市にはそれが根づいてなかったし室町病院長や先々代の病院長が現代に残した負の遺産。
だけど一度は破綻した病院に残る姿勢の今中先生を描くのはフィクションならではだけど現実にそうあってほしいというのも海堂尊先生の願いのひとつと思われる。
ある程度、『極北ラプソディ』でも世良先生は今中先生を救命救急センターに派遣する形で彼の将来を傷つけまいと救済措置をぶっきらぼうながらにしている。
おそらく現実の医者に対しては“こういう判断もありうるんだ”と伝えてもいるかもしれない。

  • No.348 by 風人  2016-10-22 05:49:29 

『スリジエセンター』が未読だからわからないけどそこで世良先生は挫折したんでしょう。
本来なら桜宮に根ざすはずが挫折を経験し佐伯外科のキャリアを捨て放浪した。そして神威島と久世先生に救われた。
その後、何らかの経緯があって医療債権請負人になった。
佐伯外科のキャリアを捨てる覚悟ができるまで医療債権請負人になった後もおそらく苦い経験ばかりだったでしょう。
地域地方の病院が救えなかったから。世良先生は自然と世界を敵に回すような生き方しかできなくなった。
ひょっとしたら医療債権請負人という第二の生き方でさえもどこかで絶望や悲観があったと思われる。
花房さんと別れてまでというのも天城雪彦先生とスリジエハートセンターの存在はそれほど大きかった。
だけど花房さんは長い時を経ても世良先生を待っていた。女性にしたら十数年はさほどでもないのかわからないけど。

  • No.349 by 風人  2016-10-22 12:43:12 

『極北ラプソディ』の戸田整備士は目立つ人物ではないけどドクターヘリ側においては欠かせない。
越川さんほどではないけど作品内でドクターヘリについて説明したり越川さんや大月さんのフォローを影からしてくれる。
ほんの少し大月さんと五條さんのラブフライトを応援してくれる。
速水先生の活躍に目がいきがちだけど戸田整備士がいないとドクターヘリもまた飛べない。

  • No.350 by 風人  2016-10-23 10:57:56 

『輝天炎上』を読むと天馬大吉、冷泉深雪は平成生まれの世代の雰囲気。
昭和世代の田口先生たち大人とはやや世代の壁や境界があるともいえる。
それは大学病院という箱の中の世界も時代ごとにちがうのかもしれない。
天馬大吉をいちがいに不真面目とは思わない。彼なりに桜宮巌雄から託されたものは内にいきている。
ただ別宮葉子や冷泉深雪と異性に振り回され若い時間を謳歌し悩んでもいる。
基本的に『桜宮サーガ』は田口先生に対する白鳥さんのようにだいたい“対”で書かれている。
『輝天炎上』の天馬大吉の対は冷泉深雪ともいえる。かたや留年生、かたや優等生という対もあるけどそれ以外の意味も物語内に含まれている。
冷泉深雪のまっすぐさは『桜宮サーガ』の物語全体を考えたら『輝天炎上』においてはまだまだ彼女にとってはスタートでしかないと思われる。
医学生としてあるいはその先にあるのは前へと進む道かもしくは他の人物のように苦い挫折をするのか。それはわからない。
だけど天馬大吉という存在によって医療が必ずしも輝ける未来ではないという一面はおそらく理解はしてる。しかしそれを受け入れるかどうかでまたちがう歩みもあると思われる。
その辺ももしかしたら未来の東城医大、桜宮を左右することもあるかもしれない。

  • No.351 by 風人  2016-10-30 04:48:57 

医師が目の前の患者を救うことに必死になるというのはおそらく大半の医師がそうしているあるいはそうせざる得ない状況だからと思う。
日本的な思考としてはそこに経済観念もしくは金儲けの思想を持ち込むことは“医は仁術”の思想に反するから従来からタブーとされてたと思う。
だけど『ブレイズメス』の天城雪彦なる人物を海堂尊先生は生み出したのか。
そこにひとつの答えがあるように思われる。
現代の時代が医療破綻したことへの答えがバブル時代にあるのか天城雪彦にあるのか。
後々の『桜宮サーガ』の時代においては東城医大オレンジ病棟、極北市民病院が一時的に破綻、マリアクリニックも未来においては不透明。
この三例をとっても経営が行き届かなくなる。
だけど過疎である離島の神威島は高度な治療や手術はできなくても病気の早期発見はできまた患者を毎日診ることで医者と患者が共存している。
神威島に似た例は『ナニワ・モンスター』の舎人町(とねり)。
患者が何を求めているかということにある種の集約はされる。
東城医大においても病院長室よりもファミリーレストランが階上にあるというのも時代や病院の象徴と思う。
すべてに行き届いた治療やサービスは現実においてもまだまだと思う。
だけど東城医大に限らず日本の医療が破綻するのを『ブレイズメス』内で天城雪彦先生は予見をしている。
だけど彼は先鋭的にやり過ぎたんでしょうか。
海堂尊先生の書く人物は人となりがシャープかつ二歩三歩先をゆく人物が目立つ。
だけど反面敵をつくりやすい状況もつくる。
『ブレイズメス』においても高階先生はラストに天城雪彦先生のやり方は受け入れられない姿勢を見せる。

  • No.352 by 風人  2016-11-01 09:48:34 

『桜宮サーガ』のシリーズを読むとある程度、医療関係のニュースに耳を傾けることある。
いつもではありませんけど。
地元の医療センターがおそらく新棟を建てているみたいだし『桜宮サーガ』劇中の物語に重なる。
またドクターヘリや厚労省関係のニュースもなんとなくは気になる。
あと過疎地域の診療所の話題など。
医療が身近に思える。
それでもまだまだ読めてない作品が多々あるから作品世界は謎だらけ。
いまの医療従事者たちは経済観念に悩み苦しみながらあえいでいるんでしょうか。
『ブレイズメス』から他のシリーズから波及を考えたら現実に伝わることから多くあるように思われる。

  • No.353 by 風人  2016-11-02 04:14:39 

新装版の『螺鈿迷宮』を中古で買ったけど刷行のところを見たら第3刷だった。
海堂尊先生の作品は新装版になっても読まれているのが伝わる。
海堂作品は上下に分かれてるのが常だけど新装版になって出るのは読みやすくもたのしい。
『螺鈿迷宮』そのものに関しては時代は平成時代と同じ時の流れだけど作品の冒頭や舞台となる碧翠院に昭和時代の面影やおもむきがある。
桜宮巌雄先生が『ブレイズメス』の頃は東城医大もしくは佐伯清剛病院長と蜜月だったのはうかがえる。だけど高階病院長は欲張ったんでしょう。
光と闇は同時に取り込めない、とラストに言い残しそれは後の作品で東城医大は徐々に変えていかなくてはならない。
天城雪彦先生の理念や思想、桜宮巌雄先生の信念や遺したモノそれらは形を変え有形無形として人物たちの心や気持ち、もしくは“結界”という形で取り巻くものではないだろうか思われる。
天馬大吉、冷泉深雪などの若き医学生が如何なる道を選ぶのか、というのも未来の桜宮もしくは医療の在り方を問う。

  • No.354 by 風人  2016-11-02 17:29:24 

桜宮サーガ内で解剖が行われた場面があるのは、『螺鈿迷宮』と『極北クレイマー』だけだったかな。
どちらも食事時に読むと食欲をなくす場面でもある。
けど死に目を向けろ、というのも桜宮サーガの一貫した姿勢でありいまの医療が招いた現状のひとつでもある。
医者、警察とアプローチは違えどメッセージとして訴えているところはおなじ。
『玉村警部補の事件簿』の「青空迷宮」にせよ真犯人は殺害された被害者が知っておりそれを加納警視正と玉村警部補が突き止める。
バブル三部作の昭和時代の医療がよかった、というのはリアルにむかしのお話。
手術も高度化にもなるけど医者や医学生が育たない時代でもある。
『螺鈿迷宮』から『輝天炎上』の天馬大吉くんの成長は素晴らしい。本質は変わってない面もあるけど(苦笑)。
『ケルベロスの肖像』と対比したら『輝天炎上』互いの表裏はおもしろい。
田口先生は『肖像』においてはAiセンター会議で一番上の席に置くけど実際は高階病院長らのマリオネット。
だけど『輝天炎上』の天馬くんから見たら権威があり権力があり実は実力あるのでは?と疑われる(苦笑)。
どちらも見方は正しいと思う。本人や他人のちがいはあるけど物事の受け取り方はひとによる。
いちがいにどれが正しいかは絶対ではないと思う。
人間はなかなか自分を見ることはできないから。

  • No.355 by 風人  2016-11-03 10:34:52 

『螺鈿迷宮』をあらためて読むと碧翠院側がかならずしも悪い側には読めなくなる。
地域のサテライト病院として“闇”を背負い抱えてきた長い年月。
ひとの“死”を 背負ってきた地域病院。
それを己の利益優先のために潰そうとする高階病院長と東城医大、そして白鳥さんと姫宮香織。
もちろん自殺や安楽死はいけないと思うけどひとが次々と亡くなる碧翠院の怖さ。
だけど巌雄先生たちは最後まで抵抗する。そして娘に託す思い。
続編『輝天炎上』のラストに至るまで読んでも桜宮小百合・すみれがどちらとも実は生きているようにも思える。
桜宮巌雄先生の意思は清川司朗先生などに受け継がれているわけだし。
東城医大の血脈とはちがう形で彼の意思は天馬くんや清川司朗先生、そしてふたりの姉妹の内で生きている。
『輝天炎上』ですみれや小百合が亡くなったとは思えない。
あり得ないことが『桜宮サーガ』のシリーズでは起きるから。
まだ医療の未来はわからないものだし。

  • No.356 by 風人  2016-11-04 05:12:54 

『輝天炎上』での天馬くんと美智さんの再会は何を意味するのか。
たんに再会だけではないのは『肖像』での田口先生と美智さんの治療や愚痴を兼ねたいきさつからでもわかる。田口先生は美智さんの内にすみれを見ている。あるいは見ることができた。
なら天馬くんにとっては?
医学生として初めて触れた患者が高原美智であった。過去への邂逅ではない何かを彼に託すために高原美智さんは二年もの間生きていたと思われる。
『肖像』ではおおざっぱにしか描写されてないのを『輝天炎上』では天馬くんを通して事細かに描写されている。
田口先生が大人としてやらなければならないことが多くあり田口先生の物語にとっては美智さんは一患者。忙しいなか毎週のように治療の具合や愚痴を聞いてカルテに記す。
だけど天涯孤独の天馬くんには数少ない家族同然な人物。そのぶん情や気持ちがある。
しかし将来、医者になる上で何が必要かというのも美智さんが亡くなった直後に田口先生や田口先生が記したカルテを通して問われる。
患者が延命治療を望んでいないというのもある現実。
『輝天炎上』で天馬くんと美智さんの場面は決して長くはない。むしろ短いけど中身は濃い方。
涙を誘う場面のひとつ。

  • No.357 by 風人  2016-11-04 12:11:36 

『ケルベロスの肖像』『輝天炎上』は読み方を変えたら『スカラムーシュ・ムーン』の浪速の死後画像センターへの布石とも読めますね。
『ナニワ・モンスター』で作品世界の日本地図がだいたいあらわになった。そこからシミュレーション的に各人物が事細かに桜宮、霞ヶ関、浪速などから動いてるのがわかる。各人物は駒のようでもありまさに医者、官僚、政治家などが各々の思惑で動き動いている。
彦根先生を白鳥さんは本気で警戒してないまでも斑鳩芳正はどの作品に登場しても不気味さを醸し出す人物。
とはいえ“火喰い鳥”である白鳥さんは『弾丸』で怒りの表情は見せたものの『ナニワ・モンスター』では斑鳩室長らのルーレットの存在を知りながらも手を出す様子は一切なし。あくまで知り理解はしてる程度の理解に留めている。
若き官僚としては迂闊に官僚の闇に触れることを暗に知っていると考えた方が自然。
だけど斑鳩芳正が医療が主導になるのを許さない背景はたんに警察官僚ということでしょうか。
南雲忠義、桜宮小百合ほどに個人的感情や気持ちがはっきり見えない人物だから掴みどころがない。
『スカラムーシュ・ムーン』を読めばまた何かわかるとは思うけどなかなか中古書店で見かけない、(;´д`)。

  • No.358 by 風人  2016-11-06 18:00:05 

『ケルベロスの肖像』はややもするとおおざっぱ。
だけど田口先生が桜宮小百合の生存を知らないのは何かの伏線にも思える。
『輝天炎上』の表裏の関係。『輝天炎上』において小百合は東城医大に手紙を出しのちにAiセンター長が田口先生であるのを知る。
これがただ知ったというだけならともかく未来への伏線としたら物語に影響があるんじゃないだろうか?
真実、『輝天炎上』ですみれ小百合姉妹が亡くなってたとしてももしも小百合が誰かの子を身籠っていたら……とも考えられる。そしてその子が未来の桜宮や東城医大を守るとか……。
さすがにそれは想像力を拡大しすぎか(苦笑い)。

  • No.359 by 風人  2016-11-07 05:44:08 

自分の中で小百合とすみれが入れ替わっているのはドラマ『螺鈿迷宮』かあるいは『桜宮サーガ』全体の情報量の多さか(苦笑い)。
けど『ケルベロスの肖像』をあらためて読むと『ブラックペアン1988』からのバブル三部作は現在に至るも尾を引いてることが伝わる。
『肖像』『輝天炎上』については人物からの視点で読めるのはもちろんだけど過去(の作品)からも読めるという視点。
マリッツイアと小百合の関係も合点がいく。
天城雪彦の無念をどこかで晴らしたいという心情があるのか。
『スリジエセンター』で何があったかは私は未読なので知らないけど『肖像』の高階病院長は天城雪彦が植えるはずのスリジエ(桜)の樹を引っこ抜いたことを彼は後悔していた。
『ブレイズメス』のラストで敵意を露に燃やしていた高階先生、だけど時を経るにつれ後悔が何かしら芽生えてきた。
田口先生から見ても高階病院長は伝説多い人物。
黒崎教授は一見すると高階病院長に隠れがちだけど『田口白鳥シリーズ』における院内対立の必要悪でもあり時にコメディリリーフ、病院長代行、口では悪態をつくものの田口先生、速水先生ら次の世代に何かしらの期待とあえて対立する立場にいることで東城医大に必要不可欠な人物。
小物なように見えて意外にしたたかというか器用貧乏ではないだろうか。
『肖像』のラストで田口先生に悪態をつくのは信頼の裏返し。院内対立としていえば自分の配下が後継者にならないのは本音を口に出せば残念と思う。
だけど高階病院長が選んだ後継者なら使われてもいいという度量はある。
黒崎教授を主役に据えたコメディな物語を書いてほしいところでもある。

  • No.360 by 風人  2016-11-07 08:50:11 

冷泉深雪は『肖像』と『輝天炎上』といまのところ活躍が少ない。
『輝天炎上』で人となりは浮き彫りだけど。天馬くんにちょっと手を出されたりはにかんだり。
じゃじゃ馬な別宮葉子とは対照的であり桜宮姉妹ともまた異なる魅力。
若いぶん真っ直ぐを画に書いたような大人になりかけの美少女と言える。
天馬くんからみれば幼馴染みではないヒロインのポジションに位置する彼女。『輝天炎上』では碧翠院のことを知らないがゆえに天馬くんと接点を持ちながら知っていき関係が少しずつゆっくり進む。
だけど天馬くんと葉子さんから幼馴染みでないから時に仲間外れにされそうになるのが嫌なのか首を突っ込んでゆく。
天馬くんと同級生でなおかつ優等生、また融通が利かない。だけど先輩である天馬くんにはそこそこフォローしちいさくチクリと刺す可愛らしさもある。
『輝天炎上』ではAiセンター絡みや医療にとっての“死”については天馬くん同様に彼女なりに考えるけど優等生らしく自分の範疇を越えた考え方ややり方には納得しない一面や大人社会の医療としての壁に突き当たる。
ところどころに悩むところはあるのも特徴。
『輝天炎上』を彼女視点で読めば先輩である天馬くんにほのかな恋に近い感情や気持ちを抱いているのでは?と思わせる場面はある。
東城医大の医大生のなかで偏見なく見てる唯一の異性といえなくない存在。
反面、純粋かつまじめで正義のカタマリみたいなところがあるから逆に世の中のけがれや裏を知らなく知った時に対処できなく悩む一面があるのが彼女の魅力のひとつ。

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