匿名ゆき  2014-11-23 17:15:10 
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無題が僕らを苦しめる。
だから分類を通し、平行線の公理のように事象を定義付けてきた。

本当はそうではない。

題は彼らを濁らせる。
事象はいつも題を欲しがっているが、あまり顔を出してこない。
僕らが絶対的性質を愛しているのと同じぐらい、彼らは偶然的性質を愛しているから。
これを例えるなら、僕らは多様性を駆使して愛を維持し続けることに必死だが
事象は素晴らしい逢瀬のきっかけにのみ固執し、本来の多様性を隠して生きたがる。
ここに集約されるだろう。

僕らが与えた題は、透き通り過ぎていている。
濁りきった水溶液を飲まされているにも関わらず。



思考の周辺とか、暇潰しに書いていきたいな。
勉強のこととか、本や音楽とかも。

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  • No.149 by 匿名ゆき  2019-06-18 09:46:05 

夕日性 (2018/9/01-21:43)

夕日は私の手中にもあるのだろうが、手中にある夕日を他人に伝える方法を知らない。
仮に説明できたとして、説明しきった頃には夜になっているはずだ。
夕日そのものを伝えることは、恐らく誰にもできないのだ。
しかし夕日のもつ性質…夕日性についていくつか思うところを挙げてみるのはどうだろう?
それぐらいなら私にも出来るかもしれないし、そうしないといられない私がいるのも確かだ。
ならば少し夕日について掘り下げてみるのも悪くない。
もっとも、"それぐらいのこと"と言いながら、内心では全くそう思っていないのだが…。

まずは夕日と絡むと考えられる幾つかの芸術様式について話すことにしよう。
結論から話せば夕日は【形而上絵画】的であり、そしてその夕日は【ダダイスム】と【シュルレアリスム】の二つの様式を生み出しているように思っている。
3つの言葉について簡単におさらいしておこう。

【形而上絵画】とは、ジョルジョ・デ・キリコを代表とする画家たちの描く絵画のことである。
これらの絵画では、目に見えるもの、姿形のあるものを重視することなく、その背後に潜む…ある時は神秘的、またある時は真理的なものを捉えるために筆を走らせている。
この形而上絵画を描いたキリコという人間が面白い。
彼はニーチェやショーペンハウアーといった哲学者に傾倒した、実存哲学の種を蒔かれた一人なのだ。
形而上絵画というとき、私の頭にぼんやり浮かび上がってくるのはキリコであるので、彼だけに限定してしまってもいいかもしれない。
さらに言い加えておくと、私は晩年の彼ではなく彼が20代頃に描いた作品が好きなのだ。
彼の絵画の中でも、特にお気に入りなのは「街路の憂愁と神秘」である。
『現在、過去、未来のあらゆる宗教よりも、太陽の下を歩く人間の影の方が多くの謎に包まれている』という彼の言説からも、夕日を示唆しているような気がしてしまう。

【ダダイスムとシュルレアリスム】について。
これらは芸術史を少し追ってもらえると分かるのだが、実はこの2つの様式の成立にはキリコの多大なる貢献があった。
彼の没頭した哲学的思考は、後のダダイスム的思想に繋がり、彼の描く世界は、シュルレアリスム的思想に繋がった。
私はシュルレアリスト的人間であるから、ダダイスムとの棲み分けには気を配らなければいけないのだが…出所が同じなだけに区別が難しい。
しかもシュルレアリスムはダダイスムの中から分離して生まれているわけで、違いが分かりにくくなっている。
そのうえ、芸術的手法は何らかの偶然性に委ねている部分で似通っている。
しかしこの二つは明らかに異なっているのだ。

【ダダイスム】とは、理性を否定する活動を指す。
意識や作意を否定し、言語や作品から一切合切意味を奪い去る活動のことを指す。
既存の概念を破壊しつくした先に何が残るのか?
ダダイストはそんなことに興味をもっているわけだが、最終的に残ったものすらも自分の手で壊すか、取り入れてダダイスム(自己)を捨て去るか、二つの選択に悩まされ続ける。
一種の自傷行為のようにも思える。
日本作家でダダイスムを描いた有名な作家の一人に坂口安吾がいる。
彼の「いずこへ」という物語は、ダダイストの悲痛な自傷行為が映し出されているようで…同じ悩みを抱えている節があるのであれば読んでみる"価値"はあるかもしれない。
(むろん、その価値は後に否定されるのかもしれないが。)

【シュルレアリスム】とは、「シュルレアリスム宣言」という本のなかで『男性名詞。心の純粋な自動現象(オートマティスム)であり、それにもとづいて口述、記述、その他あらゆる方法を用いつつ、思考の実際上の働きを表現しようとくわだてる。理性によって行使されるどんな統制もなく、美学上ないし道徳上のどんなきづかいからもはなれた思考の書きとり。』『シュルレアリスムは、それまでおろそかにされてきたある種の連想形式のすぐれた現実性や、夢の全能や、思考の無私無欲な活動などへの信頼に基礎をおく。 他のあらゆる心のメカニズムを決定的に破綻させ、人生の主要な諸問題の解決においてそれらにとってかわることを目指す。』(Andre Breton, 1924, 巌谷訳, 1992, p.46) と定義されている。
日本語では超現実主義と訳されるが、これは超現実で区切るのが正しい。
代数的整数論が、代数的整数で区切られるように…。
日本では、シュールと言えば「不思議で、奇怪なもので、笑ってしまうもの(不安を感じてしまうもの、と言った方が分かりやすいかもしれない。)」のように捉えられている。
これは通俗的な言葉になっているため、今更修正することはできない。
だから僕たちはシュールとシュルレアリスムを区別して語らねばならない。
では、どのような違いがあるのだろうか?
これは私がシュルレアリスムを感じるときの話になるが、確かに作品を見て「不思議だ、奇怪だ」とは思う。
だが作品を鑑賞して、笑ってしまったり、不安を感じた時、それらは原因不明なものでなくてはいけないものだと思っている。
不明瞭な感情の揺れ動きを理性的に説明されることがあってはならない。
上の定義を私なりに言い換えれば、通常、理性によって処理されるであろう出来事を、無意識や偶然性を駆使し、時制や順序などといった因果関係を一旦綻ばせ、再縫合するような作業をシュルレアリスムと呼んでいるのだと考えている。
日本作家でシュルレアリスムを描いた作家の一人に安部公房がいる。
だが彼はシュルレアリスムだけを描いているわけではない。
「赤い繭」などを読むと、形而上学的な自問自答が繰り広げられていることが分かる。
つまり彼は、夕日でもあるのだ。
だから僕には夕日である彼を、他人に伝えることが出来たという実感が沸いてきた経験を持ち合わせていない。
彼の作品にシュルレアリスムの技法を用いた幾何学的な補助線を降ろす悦びを伝えるのは、とても難しいことなんだ…。

3つの単語をおさらいしたところで、私はこれらを繋ぎ直さなくてはならない。
だが、まぁ慌てることも無いだろう。
折角だから、シュルレアリスムとダダイスムに対応しうる音楽について語ろう。
【シュルレアリスム】に対応するのは【プログレッシヴ・ロック】だと思っている。
これは私が勝手にそう思っているだけだから、様々な意見があると思われるが、基本的にプログレが文学的で詩的であることに疑いを持つ人はいないと考えている。
私がシュルレアリスムにプログレが対応すると思っている理由は、この二つに共通する性質、"不明瞭な物差し"にあると思っている。
何をするにしてもそれは"そう"なのか、ということを病的に意識せずにはいられなくなる。
自分だけの危うげで繊細な物差しで物事を測らずにはいられなくなる。
(注意してほしいのは、自分の物差し"だけ"で判断しているわけではない点である。彼らは部分的には独り善がりでありながら、意外に他人の意見には寛容なのだ。)
悪徳から得られた刹那的衝動に溺れる享楽者を常に脳内で踊らせているくせに、何事もないように振る舞い生活する。
日常に潜む作為的な微笑みを見つけては、それらをレシートの裏に書き殴る。
あらゆる物体・現象の中継係を担わされ、それらの間に線を結ぶ際に必然的に生じる粉末を楽しんでいる…。
このような感覚が両者に共通していると思われる。

【ダダイスム】に対応するのは【パンク・ロック】だと思う。
僕はパンクを好んで聴くわけではないので、話半分に読んでもらえるとありがたい。
これは上記の対応よりは分かりやすい。
二つの間に共通するのは、既存の概念を破壊することであるからね。
型に嵌まった自由や理想を押し付けられることへの反発。
抑圧された感情の解放。
暴力性の誇示。
彼らはカタルシスを感じているのかもしれないが、気が付かない内にカタルシスに対抗できなくなっていく。
原因が自身にあると分かった時には手遅れで、二律背反な感情で自分を保つのが難しくなっている。
自己矛盾的な存在ゆえに、この二つは衰退していったのだと思われる。

ここで面白いのは、ダダイスムからシュルレアリスムが生じたのに対して、音楽史を見てみるとプログレが先に存在してパンクが生じたという、順序関係の入れ替わりにある。
破壊に対しては創造を、創造に対しては破壊を…と、見えない天秤が釣り合いを取ろうとしているように感じられた。

さて、夕日性の話に戻そう。
私は、夕日性を破壊と創造の、一見相容れることのない概念の混合物のように感じているのかもしれない。
混合比は恐らく人によって異なるが、その比率がどのように決定されるかについては私の中では結論が出ていない。
夕日は存在を一時的に透明にする。
影だけを浮かび上がらせて、自分が何者であるのか考えさせる。
見るも憐れな自問自答と宣言を繰り返させる。
無意味だとは分かっていてもそうせずにはいられない。
何故なら、意味のないことを繰り返すなかに破壊と創造の種が隠れているのだから。
書くこと、生きること、その他あらゆる活動は等しく無意味なのだろうが、私はこれからも夕空に溶けながら「悪くないな」と納得し続けるのだろう。



…これを記述した当時は,上記の思想や音楽に心から熱中していた.
この頃は,私特有の気楽さというか,心に余裕があったような気がする.
適当さがあったような気がするよ.
今も好きなのだと思う.
しかし,何か音楽や思想の話をしても,演技じみているというか,ぎこちなさを感じてしまう.
好きなものを好きと言っていいのか分からない.
必死に好んでいるふりをしているような感覚,好んでいいのか分からなくなってしまってから取り戻すふりをしているような感覚.
数学への感情と,夕日性のみ残して消えていった自己.
今はこれだけが私で,これを否定されてしまったら,もうそれは私ではない,私によく似た機械になってしまう気がする.

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