匿名ゆき 2014-11-23 17:15:10 |
通報 |
2014年3月 爆発
僕は爆発が嫌いだ。しかし残念なことに、同意するものは一人もいなかった。
芸術性を模索する連中なんて問題外だね!
彼等は悪魔に取り憑かれたように現象を観察している。
曰く、芸術を越えた先を目指したいそうだ。馬鹿馬鹿しい。
くる日もくる日も実験を繰り返しているので、爆発音にも慣れ始めた。
材料費はどこから賄われているのだろう。
ある日を境に爆発音が変化した。「パシャ」「カシャ」と明らかに違っている。
少し注意して聞いてみると、爆発音ではなくシャッター音だと判明した。爆発には懲りたのかもしれない。
それから数日後、僕の学校に無数のカメラマンが現れた。彼等が問題を起こしてくれたのだろう!
研究室まで嬉々として向かうと溢れた記者にインタビューを求められたが、何も答える事は出来なかった。
爆発音とシャッター音、響き渡る歓声を背にして、振り返る気力すらなかった。
トピック検索 |