匿名ゆき 2014-11-23 17:15:10 |
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中二病日記
「沈黙の螺旋か」
おっと、口が緩んでしまった。
聞かれたところで問題になるわけでもないが、制御できないのは歯痒い。
少なからず扇動員と言うものが存在するわけで、学校においては教員の役割だ。
教育よりも力を入れているかもしれないが。
「今日は6月3日だから、はい、Kさん」
呼ばれた気がしたので、教科書を開き、無意味なほど流暢に読み上げる。
「…鞄を手放すなんて、そんな、あり得ない仮説を立ててみても始まらないでしょう。…」
そもそも読み方を矯育しようとする方が無意味だろう。
それでも、文章の書き方を教わる時間よりはましだ。
他人の為に書いたものが役に立つ場合など、ほとんどないからだ。
「なぜ、どうして」
文字の下には登場人物の行動理由について考察してみよう、と書かれている。
…不条理は時に人を助ける…?
あり得ないよ、まったく。
「はぁ…『べつに貴重品だから、肌身離さずってわけじゃありません。』」
人を助ける不条理は、最早不条理ではないね。
勘違いしないでもらいたいが、矯育上仕方のない事なのだろう。
弱いものを救うためにあるのではなく、どちらかと言えば強いものを殺すためにある。
殺すために存在する武器は確かに美しいと言われることもある。だが…
勘違いが勘違いを引き起こして、あたかも不条理の渦中で苦しんでいるふりをしたり、不条理性皆無の出来事を不条理として捉え、あまつさえ美しいなどと言うのだ。
不条理に関して分かったふりをするなんて、愚かすぎるよ。
ほどかれた鎖を前にして、それを鎖だと言い張るぐらいには盲目なのだろう。
「…選ぶ道がなければ、迷うこともない。私は嫌になるほど自由だった。」
今日、Kは欠席だった。
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