匿名ゆき 2014-11-23 17:15:10 |
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新聞の中で、一番好きな項目は放送欄だ。
固有名詞、数字、記号…統一感がなく、全てが等価値に見渡せる。
ばらばらの区切り線さえも、化学調味料として存在しているが
色の付いた特別番組があると、途端に等価値性を失う。
新聞を開くと、とある局の放送欄が空白になっていた。
印刷ミスにしては不自然過ぎる。
僕に対する当て付けだろうか。
以前、24時間番組か何かで、区切りもなく、色付きの背景が無限遠点へ達するのではないかと思った時には
間髪いれずに、苦情の電話をいれた。
しかし、非常に不親切な対応をされたため、本社まで駆け込んで文句を言ったりしたものだが
こんなやり方はあまりにも酷すぎるよ。
まてよ…むしろこれが真の等価値の姿なのではないだろうか?
そう思い始めると、幾分か気が楽になった。
だが、そうなると今度は誰がこんな事をしたのか気になる。
まさか局のやつらが、こんな贈り物を届けてくれるはずがない。
文字は印刷されなかったのではなく、奪われたのか?
なるほど、「文字泥棒」か。
お前がその気なら、明日の新聞が届くまで格闘してやってもいいんだぞ。
まだ文字泥棒は、新聞のなかに潜んでいるかもしれない。
新聞を数枚捲ったところで、ふと、恐ろしい疑惑が生じ始める。
文字が消えれば、文字で定義された僕も消えるのだろうか。
「文字泥棒がそっちへ向かっているぞ!」
僕の姿はどこまで残されるか分からないが
これを読んでいるあなたにお願いがある。
僕の親を見付けた時には、彼は・・・・・・
駄目だ、存在を消されては息子などいなかった事になるに違いない。
「母さ
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