御都合主義

なにやってんだろ…。(ぼそりと呟いてはﾍﾞｯﾄﾞで丸くなり、肩までﾀｵﾙｹｯﾄを引き寄せ

お邪魔しまーす！（ドア開けてズカズカて入ってくる

んぅ…(目を擦りながら、

うとうとしちゃった…

ぁ…？俺…？(徐々に頭がはっきりしてくると、先程の寝惚けた子供っぽい発言が気になり、口許手で覆い、

寝れないお相手してくれる？（少し眠そうな様子の彼に近付いては頭をそっとなでて）

え…？(人の声に顔を上げて見れば、相手と目が合い、
俺でよければ。(頭を撫でられる感触に目を細め、ぎこちなく微笑み

君がいいんだよ。（くすりと笑みを零しては彼の隣に座って。）
名前は？（髪を梳かすように指を絡ませて尋ね）

ふは、それ…嬉し…(相手の言葉に照れたのか、目を逸らしながらも小さく呟き、

ん…あおい…(相手の指に擦り寄るように顔を動かしながら、気持ち良さそうに目を閉じ

可愛い、（照れた様子の彼に思わず上記を零してしまう。）

あおい君ね、（髪を撫でていた手を彼の頬に移動させて）

なに言ってんだよ…(相手の零した言葉に顔を背けたまま眉寄せ、

あんたは…？(頬に当てられた手に顔を乗せるように凭れ、小さく微笑み

ごめんごめん。（気分損ねただろうかと少し心配しては軽く謝り）

……ひみつ。（何となく意地悪してみては凭れる彼から手を離してみて。）

ふ、あんた…いい人だな。(謝る相手に、ｸｽｸｽと笑い声を洩らし、

ふぅん…？(急に支えを失った頭は、そのままﾍﾞｯﾄﾞにぽふっと落ち。そのままﾍﾞｯﾄﾞから上を見上げ、
あんた呼びでいいなら…いいけど。(興味がないのか、誂っているのか、べぇと舌を出し

それは可笑しいよ。（今まで言われたこともない言葉を聞いては思わず笑ってしまい）


…葵。（見上げる彼に覆い被されば名前を呼んでみて。）

そ？(否定する相手に首を傾げながら、
俺にはいい人だから、それでいいよ。(可笑しいと笑う相手を真っ直ぐに見つめ、

…なんだよ？(覆い被さる相手に返事をしながら、
ほら、こんな時も名前呼び返せない…(目を逸らしながら口の中でﾌﾞﾂﾌﾞﾂと文句を言い

葵もいい奴だよ。（優しく髪を再び撫でては呟いて。）

…ふは、その台詞は反則だろ。（予想外の言葉に思わず胸が疼いてしまえば負けたと苦笑いを零し）
……あ、き。（顔を近付ければ唇が触れそうな距離で上記を囁く）

ふは、俺も初めて言われた…(相手の言葉に何処か寂しそうに笑い、撫でられる感触を噛み締めるように目を閉じ、

…何がだよ。(反則の意味がわからず、拗ねたように口を尖らせ、唇が触れそうな程に近くにある相手の顔を見つめ、
…あ、き…。(相手と同じようにゆっくりと呟き、自分の呟きに嬉しそうに顔を綻ばせ、何度か相手の名前を繰返し

…可愛くて、いい奴。でも無理してる。（無理して笑う彼の頬に人差し指をさしては馬鹿、と軽い頭突きをする）

色々と。（見つめられると目を細めて微笑む）
なーに。（何度も呼ぶ彼に間延びした声で答えては微かに唇を触れさせて。）

…っ(無理してると言う相手の指摘に言葉が詰まれば、軽く当たった額の体温にｸﾞﾘｸﾞﾘと己の額を押し付け、馬鹿で悪かったな…と零し、

色々じゃわかんねぇ(笑う相手を、睨むようにじとっと見つめ、
…っ…なんでもねぇ(軽く触れた唇に、一瞬目を瞠るも、なんでもないような素振りで応え

無理ばっかしてると禿げるぞ。（脅しのような冗談を告げては元気出せと言うようにぽんぽんと頭を撫でて。）

…葵の唇触っちゃった。（何事もないようにする彼に上記を耳元で告げては耳朶を甘噛みしてから上体起こして）

…大人ぶってんじゃねぇよ。(元気付けようとしてくれる相手に、顔が見えないように俯き、小さく笑いながらも悪態のような言葉を洩らし、

…っ…ん、(耳許で囁かれる言葉と甘噛みにﾋﾞｸﾘと身体を揺らすも、離れる相手の服の裾をきゅっと掴み