かげ腐ろ。　/　BL

　おっと　、　此処まで来て逃げるのは無し　…　っすよ　、　(　まだやや頬に赤みが残った状態で　、　相手の腕をぐい　、　と引っ張り元の体制に戻し　。　後何ﾐﾘという距離で相手の『目』をじっと覗き込むと　、　　

ちょ、ばか…
(またもや同じ体勢に戻ってしまい、じっと見られるものは「目」。嗚呼やめてくれ、そんなことを考えてしまっては視線を逸らして

　…　ｶﾉは可愛いっすねぇ　、　(　ｽｯ　、　と目に赤みがかかるがそれも一瞬　。　爽やかな笑顔で相手を揶揄するように　。　相手を逃がすまいと大きな手で相手の顔を此方に向きなおせば　。　

な、にすんだよ…
(未だに赤い顔と若干赤みが掛かった瞳が再び相手に向けられる。近い、こんなに近くに相手の顔がある。そんな可愛げのない考えが頭の片隅に落ちてきて、「近い、から」と

　…　厭っすか　?　(　相手に拒否られていると思ったか　、　急にしょんぼりとした顔になり　。　まるで犬の様な出で立ちで俯きながら顔を離す　。　

い、いやじゃないけど!
(潮らしくなってしまった相手の機嫌を戻すようにそう述べると、「あんまり近いとさ、ほら…その…」と語尾を濁すように、何かを隠すように言って

　…　ｶﾉ　…　気を遣わなくても良いんす　…　俺だから厭なんすよね　…　俺だから　…　…　、　(　言葉を云う事に段々と虚ろな目になっていく　。　相手を潤んだ目で見つめ乍　。　

ち、違う!僕はただ、セトが…
(だんだん自分が何を言ってるかわならなくなる。もうここは行動に出ちゃったほうがいいのだろうか、しかし相手がビックリするのではないか。よし、もう行動してしまおう。そんなことを自己解決しては相手の唇に自分のそれを重ねて

　!　(　果たして予想通り驚いた自分は相手の積極的な行動に目を見開き　、　それからこれはそういう雰囲気でやっても良いんだよな…と自問自答し乍も相手の腰に手をまわし慣れた動作で舌を相手の中に　。　

ん、っ…
(相手の舌が侵入してくる感覚を感じては少しばかりピク、と反応を示して。出したくもない甘い声が口から洩れ、鼓膜まで犯される錯覚に陥る。相手の手が添えられた腰が微かに震えていて

　どしたんすか　?　ｶﾉ　、　(　相手の口内の歯形をなぞったりし乍口の端から自身のと相手のが混ざった唾液が滴り落ちるのも構わずに僅かばかり揶揄する様に微笑むと　、　段々と熱が上がってくるのを感じ乍　。

ど、どうもしない…!
(相手が何故か余裕そうに見える。この野郎、僕のが上手で居たいのに。可愛げもなくそんなことを思考しながら「甘いものって言ったのはセトだろ」と全ての責任を相手に押し付け

　…　ｶﾉが俺の事を下にするなんて天変地異が起こっても有り得ないっすね　、　(　思わず相手の考えを読み取ってしまえば　、　「　でも　、　まだまだ足りないっすねぇ　…　例えば此処なんか　、　食べてみたいっすね　」　と　、　悪の欠片も無い笑顔で相手の下半身をすっと撫でてみて　。　

よ、読むな!
(相手が心を読んだことに上記を述べながら、これだからこいつは、と少々困ってしまい。いきなり自分の敏感な箇所を触られては「ひぁっ」という甘ったるい声と一緒に腰がはねて

　おや　、　今の声は何すかねぇ　、　(　「してやったり」という顔でにやぁっと笑みを浮かべれば　、　相手の反応を面白がる風に　。

な、なんでもない!
(一枚取られた気がしてむすぅ、と頬を膨らませては「この変態!」と小さな反抗をしてみせて

　ははっ　、　やっぱりｶﾉは可愛いっすねぇ　、　好きっすよ　俺　、　(　からからと心地良い笑い声を上げた後　、　突然何を思ったか告白を　。　暫く自分の云った言葉の意味を思想してこれもまた突然相手の発言も聞かずに　「　ぃぃぃ今の無しでっっ　!　」　と　、　かぁーっと熱くなった顔で　。　

…は!?え、あ、え…
(突然の告白。まさか、先程まであんなことをしていたのにここで告白するのか、と一瞬考え込んでしまうも、「僕もセトが好きだよ、だから今の、なしに出来ない」と相手を覗きこむような目で言って

　ふぇぇ　!?　えっ　、　いやぁ　、　…　嬉しいっ、す　、　(　非常に嬉しそうな顔でにやけそうになるのを抑えるが効かず　、　ゆるゆるに緩んだ頬でがばぁっと相手に抱きつけば　「　んーー　」　と言葉にならない喜びの声で　。

何すんだよ、もう…
(ニヤつきそうになる気持ちをぐっと堪えて相手の首に腕を回して。嗚呼ちゃんと生きてる、ここに存在がある。そう考えながら存在を確かめるように相手に擦り寄って