_ 電脳少女 と ××× _

( 伸太郎ver . )


ｰ ‥ 突然で悪いんだけど 、俺さ ‥ 御前の事 、好きかも 。 笑った表情も 、怒ってる表情も 。 泣き顔はあまり好きじゃない ‥ つｰか 、俺には見せて呉れないけどさ 。まだ俺が見てない御前の素顔 、全部見たい 。

( 夜も深まった頃 、PCをじッと見据え乍想いを伝える青年の姿 。 PC内にて ぽかん 、と驚きを隠す事もしていない間抜けな表情を 、不覚にも “ 可愛い ” 何て思ってしまうも 、きっと其れ迄述べれば彼女は 茹で蛸の様に真っ赤に頬を染めて此方を睨んで来るだろうから黙っておこう 。 其れにしても告白 、と云う奴をした後の返事を待つ時間は随分と長く感じるものだな 、何て 他愛も無い事を考えて緊張を和らげる努力をしよう 。)

( 鹿野ver . )


ねｰね 、エネちゃ-ん 。 エネちゃんはさ 、好きな人とか居るの ? え 、僕 ? あはは 、僕が質問してるのに 、返されちゃったね 。 ｰ‥ うん 、居るよ 。 僕の目の前に 、僕が一番大切にしたい人が 。

( 何時もの様に 、朗らかに 、態とらしい笑みを浮かべ乍意中の彼女に語り掛ける今日此の頃 。 然り気無く彼女の好きな人を訊いてみたのにも関わらず 、何故か自分自身にへと質問を返されてしまい 、内心焦ってしまうも御得意の能力で彼女の目を欺く 。 ‥ 彼女にだけは 、本当の僕を知って欲しいな 、何て無茶な事かな 。 返事を訊くのが怖くなるも もう後には引けない状態だ 。 戸惑う彼女を横目に気付かれない程小さく溜息を洩らそうか 。)