来須 典太 2013-10-26 18:06:32 |
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うん、何とかできましたか・・・
(門の前から庭を通じ、遠くに見える館を眺めながらつぶやく男)
さて、今はこの気分でしょうか
(庭に1歩、足を踏み入れると、地面がまるで水面のように波うち)
紅葉の並木道・・
(ぼそりと呟く。するとどうだろうか、波は揺らめきを大きくしたかと思うと、その波間から綺麗な紅葉を称えた木々が生まれ、門から館の玄関までの空間を色付かせた)
うん、これだ
(その木々を見上げながら、ゆっくりと玄関に向かって歩き出した)
あそうそう
(ゆっくりに見えるその歩調。しかし歩幅が広いのか、それとも見た目より距離が短かったのか、男はいつの間にか庭を通り抜け、館の玄関の前に辿り着いていた)
ここは私の館でございます
(スッと振り向き、虚空の誰かに向かって語り始める)
ここは万物の御来館をお待ちしております
(胸に手を沿え恭しく辞儀をする。そしてそれと同時に扉が大きく開き)
アナタとの出会い
(頭を上げると、その顔には笑みを称えており)
お待ちしております
(男が闇に飲まれる。いや、よく見ると男が館に入っただけだった)
お待ちしております・・・
(最後に一言呟くと、扉はゆっくりとしまった)
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