主 2013-06-22 18:50:00 |
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――…誰だ、お前。
(ただぼんやりと舞い落ちる雪を眺めていると、背後で扉が開く重い音がし。そちらに視線をやれば、己を見て何やら驚いたような表情を浮かべ佇む一人の男子生徒。ゆっくりと此方に近付いてくる彼はやがて目の前で止まり。視線が絡む中、形のよい唇から告げられた己の名に、何故だか一瞬胸がきゅっと締まるような不思議な感覚が起こり。しかしそれは直ぐに“何故自分を知っているのか”という疑問に変わり、訝しげに細めた瞳で相手を見据えて。下の名で呼ぶからにはそれなりに親しい間柄だったと考えるのが自然だろうが、下の名で呼ぶ事を許可する程親しかった友人が居たとは考えにくい。以前とは違う、何処か冷たさを感じさせる眼差しで相手を捕えたまま答えを求めて)
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