カナリア 2013-06-03 21:38:20 |
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~春~
桜の花びらが目の前に舞い降りてきた
いつもと違う新鮮な道を、新しい制服に身を包み歩く
私、飯沼みきは今日から新高校生だ
「ん~!良い天気♪」
のびをしながら校門の前に立つ
今日から通う「嵐山高校」だ
成績的に少し厳しかったのだが、どうしてもここに通いたくて頑張った
そこまで頑張った理由、それは・・・
「ここで、素敵な相手探すぞ~!」
この高校はにはあるジンクスがあり
入学式に校門前の桜の木の下で出会った2人の男女は永遠に結ばれる・・・
というジンクスだ
そのために、入学式の1時間も前から来ているのだ!
「ふふっ♪1時間も桜の木の下にいれば、きっと素敵な出会いがあるはず!」
という不確実な期待を抱き、桜の木の下で鼻歌を歌いながら立っていた
しかし・・・
10分経過・・・
「まあ、まだ50分あるし!」
30分経過・・・
「まだ半分だし!」
50分経過・・・
「・・・え?もう、入学式遅れるんですけど・・?」
55分経過・・・
「やっ・・ヤバイ!遅刻!」
走り出そうとした途端、私は顔面から誰かにおもいっきりぶつかった
「きゃっ!す・・スミマセン!」
顔を上げた瞬間、そこには・・・
茶色い綺麗な髪と目、整った鼻と唇、少し焼けた肌・・・
みき「めっちゃ、タイプ・・・」
? 「え?何?」
みき「あっ!いえ何でも・・・」
思わず声に出してしまった、だって・・・だって・・・
好み、ど真ん中ストライクなんですもん!!!
しかも、ここ桜の木の下!もしかしてこの人が運命の相手かな?
みき「あの!なっ、名前・・・」
? 「あ!早くしないと入学式遅れるよ?」
そういえば・・・!忘れてたけど、遅刻しそうなんだった!!
あーあ、名前聞けなかったな・・・
まあ、クラス替えに期待しとこう!
前向きに考えながら、その好みど真ん中ストライクの男子と一緒に体育館に走っていった
~入学式~
さっきの男子のことがまだ忘れられない
「「もう、運命の相手決定でしょ!ジンクスはきっと本当なんだ!」」
校長先生の長い話を聞き流しながら、私はさっきの好みど真ん中ストライクの男子の事を
考えていた
しかし、その妄想(?)は新入生代表の言葉で途切れた
だってその代表は・・・
「新入生代表、桐谷時雨。」
時雨「はい」
え!?あの人は私の運命の相手!!
桐谷時雨・・・時雨君っていうんだ~!
しかも新入生代表って入試で1番の成績の人がするんじゃなかったっけ?
顔もかっこよくて、勉強も出来るなんて、さすが私の運命の相手だ-!
しかし私はお気に入りの小説の主人公みたいに
いきなり入学式で立って叫ぶみたいな事はできなかった・・・
尊敬します・・・るるかちゃん・・。
~新しいクラス~
長い入学式も終わり
私は新しい教室へと向かった
廊下で行き違う人たちみんな知らない人ばかりで緊張してしまう
ジンクスに気を取られてばかりで、友達のことを忘れていた(←おい!
私の友達はほとんど隣町の高校を受けていた
みき「友達は0からのスタートだけど、時雨君と同じクラスになれたからいいや!」
そう、さっき見てきたクラス表でなんと!私と時雨君は同じ1年B組だった
ウキウキな気分で教室に入ると、そこには・・・
みき「時雨君!」
時雨「!?君は・・・さっきの・・・?」
みき「はい!私、飯沼みきっていいます!よろしくね!!」
時雨「ははっ、元気が良いね。こちらこそよろしく、飯沼さん」
笑ってくれたーーーーーー!!!
もう、にやけちゃいそう~!
結構最初から良い感じじゃない?
みき、このチャンスを逃しちゃ駄目よ!!
時雨「そいえば、俺の前の前の席が飯沼さんだよ。」
みき「そうなの!?ん・・・?前の・・前?」
最初の席は名前順で、「飯沼」「桐谷」の間に誰が入るんだろう・・・
ここはお決まりで私と時雨君が前後か隣でしょ~!!
そんなことを考えていると、いきなり私の頭の上から声が降ってきた
? 「時雨~おはよ!」
時雨「おはよ、一哉。」
一哉「いや~!お前と同じとこ通えて本当ラッキー!」
時雨「お前が頑張ったからだよ。」
ん?誰だろうこの人・・・一哉って時雨君が呼んでたけど、友達かな?
時雨「あ、飯沼さん、紹介するね。俺の幼なじみの・・・」
一哉「ん?なんだこのチンチクリンは?」
みき「!!?」
時雨「一哉!なに失礼なこと言ってんだよ!飯沼みきさんだよ。」
一哉「ふ~ん、俺は大野一哉。ま、一応よろしく、チンチクリン。」
な・・な・・何こいつ~!!チンチクリンって!!しかも一応って!!
あ、もしかして私と時雨君の間ってこいつ~!!?
「飯沼」「大野」「桐谷」
うわ~!!サ・イ・ア・ク!!
一哉「なんだ?チンチクリン。そんな顔を真っ赤にして。俺がイケメン過ぎて話せねえか?」
みき「誰があんたみたいな相手に赤くなるかっての!!」
たっ・・たしかに・・
綺麗な黒髪にキリッとした目、鼻も唇も整ってて・・・イケメンではあるけど!!
先生「はい~!みんな席に着いて~」
先生が教室に入ってきて、私たちの会話は途切れた
しかし席についた途端、後ろからボソッと一哉が私に言ってきた
一哉「時雨に惚れたって無駄だからな?時雨がお前なんかを相手にする訳ねーだろ。」
みき「なっ!大きなお世話です!」
先生「飯沼さん静かにしてください。」
みき「え?あ・・スミマセン・・」
一哉「へへっ!怒られてやんの!」
みき「あんたのせいでしょうが!!」
一哉「ほら、また怒られるぜ?前向いとけよ。」
みき「っー!!」
訳分かんない!!なんなのこいつ!本当に時雨君の幼なじみなの!?
信じられない・・・私の恋を邪魔しないで!!
ありえない出会いと新しいクラス、
いったいこれからどうなっていくんだろう・・・ハー・・・
~一哉~
「今日からここに通うのか・・・」
俺、大野一哉は今日からこの「嵐山高校」に通う
成績的に正直きつかったが、どうしても通いたかった理由が2つある
1つは幼なじみの時雨と同じとこに通いたかったから
もう1つは・・・
もう、3年くらい前になるだろうか・・・
~3年前~
中学に入学したての俺は、兄貴の入学式に行っていた
それがここ、「嵐山高校」だ。
俺は入学式なんてつまんない、と校門前の桜の木の下で兄貴達を待っていた
すると、1人の女が俺にぶつかってきたんだ。
? 「ごっ、ごめんなさい!」
一哉「だっ・・大丈夫です・・・」
すごい勢いでぶつかられ、思わず声がかすれてしまった。
すると、その女は俺の顔を見て、
? 「あっ、あの!ここの高校のジンクスって知ってますか?」
一哉「え?いや・・知らない」
? 「入学式の日に桜の木の下で出会った男女は永遠に結ばれるんですよ!
素敵だと思いませんか!?」
一哉「え?・・・あー・・・うん・・」
なんだこいつ?いきなりぶつかってきて、何だかよく分かんないジンクスだかを話し始めて・・・
でも、まあ、見た目はなかなか可愛いな・・・。
薄茶色の長く束ねた髪に、大きな瞳、鼻も筋が通っていて、唇は桜色。
部活のランニング途中のようだ。
? 「私、あなたのこと運命の相手だと今確信しました!!絶対にまたここで会いましょう!!
じゃっ、さようなら!!」
一哉「!!?」
なっ・・・なんなんだ!?
いきなり運命の相手とか・・・
ヤバイ、もしかしたら、俺・・・
一哉「惚れた・・?」
~回想終わり~
あの子のことがまだ忘れられず、もう1度会いたくてここに入学したんだ。
それにしても俺って、惚れっぽいのか・・・?
だが、あの去り際の笑顔が頭から離れなかったんだ。
名前も分からないから、あの時の容姿で見つけるしかないと思ったが、なかなか難しい
とりあえず、新しい教室にでも行ってみるか・・・
お!さっそく時雨発見!!
一哉「時雨~おはよ!」
時雨「おはよ、一哉。」
一哉「いや~!お前と同じとこ通えて本当ラッキー!」
時雨「一哉が頑張ったからだよ。」
ん?この時雨の隣にいる女は誰だ?・・・!!
あれ?こいつ・・・もしかして!!
髪の毛は短くなっているが、あの時の子と同じ薄茶色、目はパッチリ大きく、鼻もあの子と同じ、
唇も桜色・・・。
見間違いなはずはない!!正真正銘あの子だ!やっと会えたぜ!
・・・が嬉しいくせについ、嫌みを言ってしまう
一哉「ん?なんだこのチンチクリンは?」
あー!もう俺なにやってんだよ!!
でも、「あの時の君の運命の相手です。」なんて言える訳ね-!!
てか、気付よ!自分で「運命の相手」とか言ってきたくせに・・・
しかし、あの子の目には今、時雨しか写っていないようだ・・・。
ずっと昔から仲の良かった時雨が恋のライバルになるなんて・・・予想もしてなかった。
だが、俺は諦めない。
いつか絶対にあの子、飯沼みきを振り向かせる。
が、なかなか素直になれない俺であった・・・ハ-・・・
今日中総体の振替で休みだったから、すごく暇でした・・・。
でも、そのおかげで小説をいくつか書けました(^v^)
コメントくれたら嬉しいです♪
~新しい友達~
なんなの!さっきの一哉って奴!!今もまだムカツク!!
でも、なんだか初めて会った気がしないんだよね・・・
どこかで前会った気が・・・ま、いっか♪
今は正直時雨君しか眼中に入りません!!
休み時間、そんなことを教室の窓際で考えていたら誰かがいきなり私に声をかけてきた。
? 「えっと、飯沼みきちゃん・・・だよね?」
みき「え?・・・うん。そうだけど、何?」
? 「ああ!ごめんごめん!ウチは神崎直美や!よろしゅうな!」
みき「直美ちゃんっていうんだ!よろしく!・・・あれ?なんで私の名前知ってるの?」
直美「いやー!なんか、教室入ったら、男子とケンカしてるさかい、
初日からやるなー思て、興味あったんよ!」
みき「え?あー・・・なんかチンチクリンとか言われたからむかついちゃって
ごめんね!朝っぱらから・・・ハハ-・・・」
直美「謝らんといて!みきちゃん良いキャラしてると思うで!!」
みき「本当?ありがとう!!」
なんか、すごく感じの良い子だな~!
関西の人かな?それに美人さん!!
少しつり目で、綺麗な黒髪はポニーテールでまとめられてる。
性格もサッパリしてそう。
一哉にイラついてたけど、新しい友達もできたし、
なんか楽しい高校ライフ送れそう♪
リンリさん
ありがとうございます!!
あの・・・勝手にるるかちゃん出させちゃってスミマセン・・・。
るるかちゃんとっても良いキャラなので、つい・・
本当にごめんなさい!!
私もリンリさんの小説楽しみにしてます♪
~委員会~
チャイムが鳴り、みんなそれぞれの席に着く。
先生が教室に入ってきてからの第一声が・・・
先生「今から、委員会きめるぞー。まず学級委員から決めてって。
立候補いるかー?」
委員会!?めんどくさそーだし、、、(特に学級委員なんて)
パス、パス~♪
とか思ってたら、男子が1人学級委員に立候補した。
? 「はい。俺やります。」
え!?嘘!!
私が驚いた理由、それは立候補者が時雨れ君だったから。
まあ、成績優秀な時雨君は似合うな!!
もちろん他に立候補者はいなく、時雨君に即決まった。
先生「男子は決まったが・・・女子は誰かいないかー?」
みき、ここはいくしかないでしょ!!
みき「はい!私やりま・・・」
一哉「いや~チンチクリンには無理でしょ。」
みき「!?」
一哉「こいつより・・・ほら、そこの席の、神崎?って奴が良いんじゃないの?
頭良さそーだし。」
先生「チンチクリンて・・・。飯沼、一哉からそういう意見が出てるが・・・」
みき「えっ、いやー・・・その・・・」
なんなの!?こいつ!!みんなの前で!!
しかも、みんな「「早くしろよ~」」的な目で見てくるし・・・
みき「か・・・神崎さんで良いと思います・・・。」
先生「だ、そうだが、良いか?神崎。」
直美「え?ウチはええけど・・・本当にええの?みきちゃん。」
みき「うん!誰かさんが指摘してくれたみたいに私には無理だと思うから!」
と言いつつ、一哉を横目で睨む。
直美「ほんなら、ウチやらせてもらいます。」
先生「では、後のことは学級委員よろしく。」
あ~!時雨君と同じ委員会!!うらやましい!!
これも、全部後ろのあいつが悪いんだ!!
一哉「おい、怒ってんの?」
みき「べ・つ・に!怒ってなんかいません!!」
一哉「いや、絶対怒ってんだろ!」
もう!なによ!こんな奴無視無視!
私の恋の邪魔ばっかして!!この最低男!
時雨「次に、図書委員決めます。誰か立候補いませんか?」
あーあ。仕切ってる時雨君かっこいいな♪
私も近くでサーポートしたかったな・・・
雰囲気に逆らえなかった私も少しは悪いけど・・・。
図書委員、やってみようかな。。。
みき「はい。私図書やります!」
もうヤケだ!!
やっぱり他の立候補者はいなく、私はあっさり図書委員会に入れた。
時雨「次に男子ですが・・・」
一哉「はい。俺やる。」
みき「!?」
え!?こいつと同じ委員会!?それだけは絶対嫌!!
お願いだから他に誰か手挙げて!!
私の願いは、むなしく終わり、結局私は一哉と同じ委員会になってしまった。
一哉「よろしくな?チンチクリン♪」
よろしくしたくない~!!!!!
私は1人、心の中で叫ぶのであった。
~一哉~
さっき素直になると誓った5分後にまた俺はやらかしてしまった。
時雨が手を挙げた瞬間、みきの目が輝き始めやがった。
こいつ絶対手挙げるつもりだろ!
案の定、みきは俺の目の前で勢いよく手を挙げた。
みき「はい!私やりま・・・」
ここで阻止しなくてどうする俺!!今しかないだろ!さあ、いくんだ!
(↑この思考回路約0,2秒)
一哉「いや~チンチクリンには無理でしょ。」
みき「!?」
おい!阻止の仕方にも、もっと他にあっただろ!!
絶対、こいつ怒ってるな・・・。
振り向かせるどころか、嫌われてどうする。。。俺。
こいつ、きっと他に委員会入らないんだろうな。
同じ委員会にするというのは無理か・・・
みき「はい。私図書やります。」
なに!?こいつ、図書委員にあげやがった!
ここはいくしかないだろ!!
一哉「はい。俺やる。」
頼む!!ほかに誰も手を挙げるな~!!!
俺の願いは叶い、見事みきと同じ委員会になれた。
一哉「よろしくな?チンチクリン♪」
あ~!!今日はラッキーデーだ~!!!
俺は1人、心の中で叫ぶのであった。
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