如月 蓮斗 2013-03-02 16:10:48 |
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(不意にじんと胸が熱くなった。痛い、それは徐々に広がる鈍い痛み。心臓はまるで役目を果たさないように、血液を素早く巡回している。息は自然と乱れた、が、ふう、と小さく溜め息を一つ。やはり、彼女に思いを伝えることなど、己には不釣り合いだ。もう諦めが出てしまった。はは、と小さく苦笑を漏らすと、「うん、作るね。」少し複雑だったかもしれない。早まる動機。目眩、気持ち悪い。吐き出してしまいそうだ。嗚呼、簡単な事だった。/)
..?、 ( 彼の様子を見て、眉を下げ乍首を捻る。え、何。私何かした?、御免。嫌なら言ってよ。分からない。そんな言葉が頭の中をぐるぐる回る。彼が嫌悪感を抱いたのかもしれない。好い方に考えたくても、如何しても悪い方に考えてしまう。泣きそうに、なる。彼が如何思っているのが分からないから、辛い。視線を地面に移すと、必死に唇を噛み締めて、堪える。それを見られないように、マフラーを鼻の辺りまでぐいっと上げる。情けない。人の考えてる事とか気持ちが、分かればいいのに。そんな最低な考えまで浮かんできた。 /、
(痛い痛い、吐き出す事が出来ない。ふう、と小さく呼吸を、何か困惑している彼女に静かに心の中でごめんねと続けた。痛い、心臓が、左胸の奥が。鈍く広がる痛み。体調不良なんか関係ない、恋の痛み。ぐ、と唇を噛み締めては、「..凛音、...俺も..我慢できる部分と、出来ない部分がある..し、....その、ねえ、まあ...夜、だから...というか..うう...」頭をぐしゃりと掻けば、少し気まずく顔を逸らした。どうしようか、今改めて思い返すと、あっさり承諾してしまったが、理性が持つのか、本当に色々とヤバいかもしれない。なんて、口が滑ってもいえない。)
.. 夜、 ..?、 ( 視線だけちらりと、彼に遣る。無意識にきゅっと彼の手を握り締める。「..行かない方がいい、かな?、」と、眉を下げてゆるりと首を傾ける。訊き返すのが、狡いとは分かっていてもこうやって云えば違う、って云ってくれるかもしれない。そんな最低で醜い考えが浮かぶ。
彼の家に行ったとしても、自炊などをしない自分に何が出来るんだろうか。掃除、洗濯なら出来るが料理だけはどうも苦手だ。今迄幾度となく挑戦してきたが、どれも御世辞にも美味しいとは言えなかった。久し振りの彼の家だと浮かれていた自分を嘲笑してやった。隣の家なので何ら問題は無いけど。そう思いたい。久し振りに家行きたいんだけどな、なんて。言える筈も無い。 /、
(違う、言葉が伝わらないとはもどかしい。小さく苦笑を漏らせば、首をふるり、と降り彼女の頭を撫でた。うん、大丈夫。頑張れるだろう。理性よ保て。自分に打ち勝つんだ。へらり、と頬を緩めながら、寒さでかじかむ手で彼女の頭を撫でた。「...大丈夫、...うんん、是非来て、」へらり、と笑いつつ彼女の頭を撫で続ける。彼の漆黒な瞳は、何かを伝えたがっている。愛してるから、僕が怖いんだ。君を壊してしまいそうで、君に嫌われたくないんだ。嗚呼、自分は本当に弱虫だと思った。/)
え、 .. いいの?、 ( 目をぱちくりと、丸くする。自分の考えていた事とは違うのだろうか。う-ん、と小さく唸って首を捻る。数分して思考というものを放り捨てた。面倒臭い。其れよりも彼の家に行けるという事に、嬉々とした。嬉しい、楽しみ。思わず、顔が綻ぶ。だらしなく目尻を垂らして、頬を緩める。心地好さそうに撫で受けると、「うん、...ありがと、」と続けて彼を見上げ、にへら、と笑う。其れと一緒に、何時までも冷たいままの彼の手を握る。御飯は何だろうか、何を作ってくれるんだろうか。手伝おうかな。そんな事を考えて、また頬を緩めた。 /、
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