あの犬は今どうしてるか と、母が訪ねた、 「知り合いの家に預けた」だそうで。 私は何も感じずに話を聞いていた。鼻から犬が路頭に迷ったり、酷い目にあったりなどと、夢にも思っていないのだ。 「それを聞いて安心した、安堵した」とすらも思わない。あれだけの事をした犯人にさえ、私は未だに同情していて、 寧ろ預けるなり、引き取って育てるなりは、「当然である」と、 思っていた