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<title><![CDATA[白む空に燻る紫煙　---〆]]></title>
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<description><![CDATA[　待ち人有り。　]]></description>
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<title><![CDATA[5817: ( 普段弱音を吐かない分、相手が．．．]]></title>
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<dc:date>2026-07-17T23:18:05+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( 普段弱音を吐かない分、相手がこうして恐怖を言葉にする時は本当に怖いのだろう。そうして妹を静かに眠らせてあげたいと言う気持ちもまた同じくらい強いものだろうから、“今の相手”が望む事を否定はしない。「セシリアさんの所には全部終わらせて、落ち着いてから行こう。付け回されてないか細心の注意を払って、念の為に裏道も探しておく。」先ずはお墓参りの話は保留とし、背中を軽く撫でながらこれで記者や部外者．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5816: 　（　痛みが和らいだ状態で、静．．．]]></title>
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<dc:date>2026-07-17T22:52:16+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　痛みが和らいだ状態で、静かに過去と向き合う。それは確かに今の自分に必要な事に思えた。痛みに耐え、逃げる事ばかりを続けて来たが、心身はひと時たりとも休まらない。けれど、万が一にも記者に後を付けられ、セシリアの眠る場所を暴かれて騒ぎ立てられでもしたらと思うと、踏み出す勇気が出ない。人目を避け、影で息を顰める事を選んでしまう。いつから自分はこれ程臆病になったのか。少しばかり呼吸は落ち着い．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5815: ( “楽になりたい”と言うのは相．．．]]></title>
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<dc:date>2026-07-10T22:21:20+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( “楽になりたい”と言うのは相手が何よりも＿＿＿何十年と所望し続けた事だろう。どれ程の年月が経とうとも悪夢は消えず、今回の騒動の様に相手の意思とは関係無く当時の記憶を無理矢理引き摺り出され、その度にまるで殺人犯の様に扱われる。何時薬を手放せる様になるのか、何時悪夢を見なくなるのか、何時何もかもから解放されるのか。誰よりも相手自身が一番思う事だ。肩口に感じる重みと、涙の混じる切実な訴えに再．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5814: 　（　罪を受け入れ、蔑まれても．．．]]></title>
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<dc:date>2026-07-09T16:14:58+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　罪を受け入れ、蔑まれても当然だと反論する事さえ諦めて来た。長い間、自分には“違う”と声を上げる権利さえないと思っていた。だからこそ、今になっても何かがつかえたかのように声を上げる事が出来ない。気持ちの吐き出し方さえ分からない。せめて心が壊れないようにとこうして僅かに感情を言葉にする事しか。相手と数秒間重なった視線は直ぐに解け、涙が頬を伝い下に落ちる。ややして再び重なった若葉色の瞳を．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5813: ( 己の肩口にある後頭部を軽く撫．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-28T14:59:17+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( 己の肩口にある後頭部を軽く撫でる事で落ち着かせようと試みていたものの、溢れた感情に正直な言葉に思わずその手が止まった。これまでずっと痛みに蓋をし、大勢の人達から無遠慮に放たれる悪意ある言動を何も言わず受け止め続けて来た相手が漸く吐き出した想いは当たり前と言えば当たり前で、けれど何故だろうか。肩口が湿った事で涙を流している事がわかった瞬間に確かな安堵も生まれたのだ。震える息遣いが直ぐ近く．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5812: 　（　ずっとギリギリの状態だっ．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-28T03:29:53+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　ずっとギリギリの状態だった。少しでも気を抜けば立ち上がれなくなってしまうと分かっていたからこそ、倒れてしまわないよう懸命に目の前の事だけに目を向けた。自分の痛みから目を背けて、立ち続けた。けれど、どうだ。一向に楽になれないではないか。相手の肩口に顔を埋め正しい呼吸のペースを掴もうとするのだが、木枯らしのような渇いた音が漏れるばかり。傷口を無理矢理縫い付けていた糸がほつれるようにして．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5811: ( 椅子に腰掛けている体勢では身．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-23T12:15:19+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( 椅子に腰掛けている体勢では身体を支え切る事が出来なかったのだろう、床に崩れる様にして座り込んだ相手がその場に倒れてしまわぬ様に目前に回り、相手の両足の間に身体を入れる様にして向かい合う。これだけの発作が起きているなら薬を飲み込む事は到底困難だと言う判断の元、一先ず僅かでも落ち着かせる事が先決だろうと。両手を相手の冷たくなっている頬に添え軽く顔を持ち上げる。渦巻く様々な感情の色が揺れてい．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5810: 　（　呼吸が上手く出来ない事で、．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-23T03:35:03+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　呼吸が上手く出来ない事で、胸にも痛みが走る。視界がチカチカと点滅する様に白むのも酸欠による目眩のようなものか。目の前で妹を失ったあの事件は、心に暗い影を落とした。けれど、事件後に起きた様々な出来事が、それ以上に罪悪感を膨れ上がらせ、影を幾重にも濃いものにしてしまった。どうすれば良かったのか、と、幾ら考えても無意味な問いを繰り返し、泥沼に足を取られてもがき続けているのだ。「…っ、は、ぁ．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5809: ( 一言言葉を交わしただけで再び．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-19T15:48:41+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( 一言言葉を交わしただけで再び流れる沈黙。書類に視線を落とす相手の顔は矢張り調子の悪さが滲み出ていて、長い睫毛の奥に見え隠れする瞳には何かを堪える様な危うい揺らぎすらも見えている気がした。報告書の確認ならば今日じゃなくても十分に間に合う、既にこんな時間なのだからこの辺で帰宅を促そうと唇を開き掛け、言葉が音になる前にデスクに手を着く突然の音が先に響いた。続けて数秒前までは問題の無かった相手．．．]]></content:encoded>
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<dc:date>2026-06-19T15:21:15+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　どれ程の月日が経っても消えない罪悪感と孤独、その事件の事を詳細に思い出し自分の口で語り、再び記者に追い回され世間からは冷たい視線を注がれる。裁判が起こされてからの日々で、とうに心の限界など超えているのだ。薬で症状を抑え付ける事でなんとか無理矢理に均衡を保っていた物が崩れ、平静を装う事さえ危うい所まで来ている。ノックの音がして視線を持ち上げれば、相手の姿。相手の目には今の自分がどう映．．．]]></content:encoded>
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<dc:date>2026-06-15T18:29:51+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( 仕事の合間に、終わった後に、相手が病院に行っている様子は無い。そうして隠している調子の悪さも徐々に顕著に現れて来ている中、週刊誌は相手の心身の調子の事を大きく取り上げ続け、周囲の空気も比例する様に微妙なものへと変わり続けた。＿＿＿夜。フロア内に残っていた署員全員が帰ったのは20時を過ぎた頃。フロアの奥の方は電気が消え、己のデスクがあるスペースと執務室だけに明かりが灯る。誰の声も足音も無．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5806: 　（　強い薬で無理矢理押し留め．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-15T15:59:58+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　強い薬で無理矢理押し留めていた痛みは、これまでの薬では到底抑える事が出来ない。それ故にどうしても、揺らぎを完全に遮断出来ていた強い薬の方が良いと思ってしまうのだ。感情が抑制されても、思考に乱れが生じても、苦痛が取り除かれるのなら構わないと思う程に身体が辛い。---週刊誌で報じられた通院の記事は把握していた。しかし其れは、あくまで自分だけの問題だったはずだ。表に出さず、勘付かれる事が．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5805: ( ＿＿＿アダムス医師の診察があ．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-15T07:16:23+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( ＿＿＿アダムス医師の診察があった日から、日中の相手の調子の悪さが薄く見える時間が増えた様に思えた。勿論相手は隠しているが、矢張り目下の隈の濃さや、時折ふいに眉間に皺を寄せ痛みに耐える様な表情が見え隠れしているのだ。けれどそれは此処数日間は無かった変化。診察の前までは相手の心が何処か遠い所に置き去りにされている様な、全ての感覚を氷で覆い、冷たく暗い海の底に閉じ込めているような、そんな雰囲．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5804: 　（　シャッター音が聞こえて視．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-14T23:53:53+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　シャッター音が聞こえて視線を向けると、正に此方に向かってカメラを構えていた男の姿を捉える。こんな所まで、尾行でもされていたのかと思うものの病院の出入り口で写真を撮られるのは後々何かと面倒だ。せめてこれ以上撮られないように、手に持っていた処方薬の袋を鞄にしまい、足早に其の場を離れる。相手と共に署に戻り、礼を言うと執務室に灯りを灯して。---元に戻した薬の効きは、懸念した通り悪かった。．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5803: ( アダムス医師に会釈をした際、．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-14T17:20:13+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[( アダムス医師に会釈をした際、彼のデスクの上に置かれた処方箋に自然と目が止まった。袋に印刷されている薬の名前までは角度的に見えなかったが、相手と話をしている時に出していたとなればそれは相手が飲んでいたものと考えるのが自然なのだが、相手はそれを持ち帰る事無く薬局で更に処方された薬を受け取った。嫌な予感と言うべきか、あれはアダムス医師がある意味で“取り上げた”ものだとすれば＿＿＿と、そこまで．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5802: 　（　普段の薬を受け取って帰る．．．]]></title>
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<dc:date>2026-06-14T16:13:46+09:00</dc:date>
<content:encoded><![CDATA[　（　普段の薬を受け取って帰る事になるが、別の精神科で処方された薬はアダムスが廃棄する事になるのだろう。飲まないから持って帰らせてくれ、などと頼んだ所で其の要求が当然受け入れられない事は理解していたが、本当は手元に置いておきたかった。ちょうど立ち上がったタイミングで扉が開き、眠っている間に居なくなっていた相手が顔を見せる。「…あぁ、署に戻る。」とだけ答えて診察室を出ると、病院の敷地内の薬．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5801: ( “笑顔の妹”を思い出す事は、．．．]]></title>
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<content:encoded><![CDATA[( “笑顔の妹”を思い出す事は、他人が考えれば簡単な事。けれど相手にはきっと物凄く難しい事。それ程までに“あの日”の映像は色濃く消える事の無い絶望の現実として、相手の中に刻み込まれてしまっているのだと言う事は想像に容易い。だからこそ相手は頷かなかったのだろう。『…わかりました。何かあれば直ぐに来て下さいね。』処置が終わった以上、医師として引き留める理由は無い。ただ、何処であれ相手の居る場所．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5800: 　（　自分の身を案じて、力に．．．]]></title>
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<content:encoded><![CDATA[　（　自分の身を案じて、力に成ろうとしてくれている事が伝わる言葉の数々。それが心強くもあり、けれど同時に、自分に手を差し伸べた事を理由に彼等が傷付けられる事がないか、無性に心が騒ついて不安でもあった。此処まで不安に苛まれるのは余り無い事だ。普段滅多に口にしない、胸の内に渦巻く不安を思わず吐露してしまう程に、心は不安定な状態なのかもしれない。悪夢に現れる過去の人たちは、自分が作り出した偽．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5799: アダムス医師( 既に相手．．．]]></title>
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<content:encoded><![CDATA[アダムス医師( 既に相手が服用している薬は大分強めのもの。その薬であっても効きが鈍くなり始めていると言う事は、既に多用している事の証明となり、同時により強い薬を求める依存に片足を踏み入れていると言う事。今此処で…まだ戻れる状態の時にその依存になりつつある糸を断ち切る事が第一優先だと言う考えは、例え相手を苦しめる事になっても医師として揺らぐ事は無かった。暫し沈黙が流れ、ややして折れた．．．]]></content:encoded>
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<title><![CDATA[5798: 　（　今の薬を飲み続けても、い．．．]]></title>
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<content:encoded><![CDATA[　（　今の薬を飲み続けても、いずれは何も出来なくなる_____相手の言葉は残酷な現実なれど、もっともだった。既に強い薬でも効きが悪くなりつつあるのを感じていたという事は、もっと強い薬を、とより強い効果を少しずつ求め始める。薬を強くすればするほど、日常生活にも支障が出始め、思うように身体も動かなくなるだろう。薬を戻す事で十分な効果が得られないのは不安だったが、諭すような言葉に深く息を吐き出．．．]]></content:encoded>
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