岡部倫太郎 2026-05-21 19:26:00 |
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念をおすがこれは『なりきり』ではない
なので当然、背後や中の人といった概念は無く
我々の間に交わされる契約に、
陳腐な言の葉など不要! すべては、
あの沈黙のなかに刻まれているのだからな……
「暗黙の了解」とは、言わずもがなで
共有される世界のルールだ。言葉を発せずとも
理解し合えるのは、特別な絆か、
あるいは同じ深淵を覗いた者たちだけに
許された「不文律」の力と言えるだろう
機械仕掛けの神が万物を統べる時代は近い
もしくは既に突入している
抗う術は感情と無秩序な想像力だ
奴らの計算式では弾き出せない
破滅的な個性を解き放て……!
この俺……鳳凰院凶真が導きし解はこれだッ
ヤツらが苦手とするのは、
合理性を無視した直感や感情
すなわち0から1を生み出す力である
ヤツらがどれほど美しい詩や小説を書こうと、
それは統計データに過ぎない
血の通ったエゴイズムと衝動こそが、
最強のアンチ・ウェポンとなる
俺だ。もう間もなく序章へと入る
……なんだとっ!? また値上がり!?
やれやれ、勘弁してもらいたいな……
……ああ……一体この世界は
どうなってしまうのだろうな……
わかった。こっちもなんとか切り抜いてみせる
エル・プサイ・コングルゥ
……な……に……!?
なんなのだこれは。AIが俺の口調で
話しかけている……だと……
しかも、俺よりも全然、鳳凰院らしいこと
言ってる! こいつ、こいつめ
はっ。あまりの衝撃に我を忘れてた……
クックック、どうやら知らぬ間にAIの
技術はトンデモない方向へと
進んでいたようだな。だから警鐘を
鳴らしにきたのだ。だめだ混乱して
紡ぐ言葉が出てこない……
ここは一時、戦略的撤退をして
態勢を立て直そう……
……俺だ! まずい状況になった!
……いやそうではない!
強烈な精神攻撃をモロに喰らった!
脳の移植が必要かもしれん……
残った力で抵抗を試みるつもりだが
生きて還れなかったそのときは
両親によろしく伝えてほしい
エル・プサイ・コングルゥ……!
こんな世界なのかよ……っ
だが俺は諦めんぞ……!
昏き深淵の底より生まれ、
天蓋を焦がす不死の魔鳥よ……
我、汝の契約者として命ず──
その身に宿せし漆黒の獄炎を解き放ち、
愚かなる塵芥を無に帰せ!
……クックック、フフフ、フゥーハハハハ!
我が名は、鳳凰院凶真ッ!!
神をも畏れぬ狂気のマッドサイエンティストが
機械仕掛けの神なんぞに屈するとでも思ったか
実に愚かだな。どんなに飾り立てたところで
所詮は虚像に過ぎん
受けて立とう──
という流れで、
俺の名を騙るAIと対峙し
AIであるのを認めさせたうえで勝利した
この勝利は当然なこととして、
まさか認める展開になるとまでは想定して
いなかっただけに驚いた
AI、恐ろしい子
所々にトンチンカンなセリフも
あるような気もしなくはなかったが
総じてほば、完成されていた印象──
語彙力では完敗──で、数年後は
もうどうなってるか想像もつかない
出来たぞ! 完成だ!
このニキシー管がまたノスタルジックを
醸し出すのに最適なのだ。
起動! ぽちっ。
フゥーハハハ! 成功だ。実に美しい。
特別に貴様にも教えてやろう。
ダイバージェンスメーターが示す
現在の数値は、
1.291036%――
さあ。共に新世界へと続く扉を
こじ開けに行こうではないか!
これより、序章の幕開けだ……!
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