鞭を喰らふ飴（　締切　）

……じゃあ、暫く抱きしめていてほしい。（ 分かりやすく残念そうに眉根下がり / 離れようとする相手を無理矢理引っ張って珍しく自ら望みを訴え ）奈月から離れたくねェよ。体温感じていたい。

── ッと、可愛いですね先輩。オレも同じ気持ちです（ 勿論離れるつもりではいたが心のどこかで引き止めて欲しいという気持ちもあり嬉しそうに表情緩ませ / 身体傾ければ此方へ引き寄せつつ優しく抱き締めて ）…あ、そうだ。こっち向いて（ 直ぐに離れたかと思えば何か閃いたように呼び掛け / 不思議そうに見詰める君の襟を掴めば隠れるか隠れないかのギリギリの位置に強く吸い付いて ）

……俺は可愛くねェし。（ 優しく抱き締められると満更でもない様子で / 甘えたり求めてしまった行動が恥ずかしいのかいつもの姿に戻るもしっかりと抱き寄せており ）─ッ！？ なに、すんだよ。（ 素直に顔を向ければ不思議そうに首傾げ / まさか吸い付かれるとは思わずタイミングを見失いそのままなすがままに、位置的にギリギリの場所に残され首まで真っ赤にさせ ）奈月も案外独占欲強いんだな。…ファンの奴に何か言われても俺は奈月だけを愛してるから。

そりゃあモテモテの真澄先輩なんですから、嫉妬もするし独占欲も湧きますよ（ ゆっくりと唇離せば其所には赤く色付いた印が出来上がっており満足気に表情綻ばせ / そっと指先で首筋撫でながら ）……うん、有難う先輩。コレ、頑張って隠してくださいね？

いや、モテるのは奈月の方だろう？ 俺はモテた記憶なんか一度もねェし。（ 自分のことになると疎くなるのか他者から向けられた好意に気付くことはなく首筋傾げ / 隠すつもりなど全く無い様子できっぱり告げて ）俺は隠すつもりないんだが。コレがあれば虫除けになるしな。

……はァ、良いのか悪いのか。先輩みたいなスペック高い男、周りが放っておく訳ないでしょバカ（ こつんと額合わせればつまらなさそうに告 / 予想外の返答に目丸くするも次第に嬉しそうに頬緩めて ）ふは、そんなの堂々と見せびらかしてたら真澄先輩が厭らしい男って思われますよォ。

そんなん奈月みたいにハッキリ言ってくれないと俺は気付かねェし。……スペックって家柄のこととか？（ スペックと聞くなり真っ先に家柄を思い浮かべ強く抱き締めるなり首筋へ顔埋め / 性格ゆえに隠すのは苦手なのか男らしく堂々と宣言し ）俺は別に気にならねェからそんなの言わせたい奴に言わせておけ。せっかく奈月がつけてくれたんだ。隠してたら勿体ねェだろう。

先輩って恋愛のことになるとなんでそんなに疎くなんの。まあそこが先輩の可愛いとこでもあるんだけど（ 思い違いをしている相手に吹き出すように笑えば同じくらいの強い力で抱き締め返し / 隠さないと堂々と言い張る相手に欲情したのか優しさに甘えるように更に求めて ）……次はちゃんと見えないとこにつけるからさ、もっとオレのモノって印つけてもいい？

そんなに疎いか？告白とかされたことないからモテているという自覚がない。奈月はたくさん告白されてるだろう？（ 吹き出されるほどに疎いのか悩み、モテるというのは相手のような人物なのではと真剣な表情で / 可愛い甘えに快く頷くと相手の首へ両腕絡ませくっつき ）……もちろん。奈月の思うままにたくさんつけてくれ。

…ン、いいよオレの話は。それより集中して（ 真剣に思案する姿に愛らしさ感じながらも自分の話になると小っ恥ずかしくなり話逸らし / 首筋に優しく何度も口付けつつ下りながら臍上まで服捲ればお腹へ強く吸い付いて ）真澄先輩はどこにつけてほしい？

奈月のことはなんでも知りたいんだけどな。俺のことをいつ好きになったとか。（ 話を逸らす姿が可愛くてついじっと眼差し向けて / 首筋へ口付けられる度に擽ったそうに反応見せ、愛おしい相手からつけられるならどこでもいいのか特に指定はなくて ）奈月がつけたい場所で、なんて言ったら全身真っ赤になりそうだな。

先輩と出会ったときから好きだったよ。一目見たときからずっとオレのもんにしたいって思ってた（ 痛いほどの視線感じれば自身の制服のネクタイ取り相手の目元へ巻き付け目隠し / 腹部の至る所へ何度も強く吸い付くと気付けば言われた通り真っ赤になっており ）…そうだねェ、先輩口開けて。

一目惚れってスゴいな。奈月に目隠しする趣味があったとは驚きだぞ。（ ネクタイで視界遮られても余裕な雰囲気で / しかし目隠しされた事で感度は更に良好となり吸い付かれる度に身体をビクビクさせ、素直に口を開き ）……こう、か？

今でもこうしてオレの腕ん中に真澄先輩がいることが信じられねェよ、まだ夢みてるみたい（ 余裕気な態度に追い討ちをかけるように自身の舌挿入し相手の口内掻き乱すように深い口付けを交わし / 視界を奪ったことで更に反応する身体に悪戯心芽生えて ）

──ンッ！？（ 視界を遮られたことより相手の行動が読めず突如咥内へ舌が侵入、掻き乱されるような口付けに驚くも受入て激しく舌を絡ませ合い/ 相手のシャツを両手で強く握りしめながら口付けだけで身体は何時もよりも遥かに敏感さを見せ ）

あは、先輩えろ。さっきあんだけちゅーしたのにまだ物足りないって感じだねェ？（ いつもよりワントーン低い声色で耳元囁き / 優しく掌握ればゆっくりと指絡ませてみて ）

うるせェ…ったく。そんな奈月だって盛ってんじゃねェか。（ 敏感な耳元への囁きに背がぞくり粟立つ感覚がして更に震え、理性を保つ為に強気でいようと痩せ我慢し / 指が絡まると同時強く握るように指絡ませ ) このままだと手足も拘束されちまいそうだな。可愛い顔してそんな趣味があったとは。

あは、先輩のくせに結構生意気なこと言うんですね？（ 満足したのか目元覆うネクタイ取れば視線絡めつつ愛らしそうに見 / 広すぎるほどのベッドの上でゴロンと寝転がれば当たり前かのようにさらっと言い放ち ）そりゃあ自分の好きな人ならどこにも行かせずずっと閉じ込めておきたいですよ。

生意気ってなんだよ。盛ってたのは事実だろう？ あんまり生意気だとお仕置しちゃいますよ？とか言い出しそうだな。（ 目元の布がなくなってその明るさに眩しく目細め、楽しげに相手のものまねして見せ / 顔だけ横へ向けその様子眺めて ）そういうもンなのか？もしそうなら奈月は俺を監禁して閉じ込めておきたいということになるな。

──…あは！オレのことよく分かってるね先輩（ 如何にも自分が言ってそうな台詞に愉しげに笑って見せ / 視線感じれば此方も横目で相手のほう見て ）まあ間違ってはないかなァ、出来るもンならそうしたい。