夢の1着を目指して〆

うーん、最終コーナー入る前からだいぶかかってるね。他のウマ娘意識しすぎかな。フォームとか仕掛けるところは完璧だからもったいないね。
(ライスの走りみながら、恐らくこの子はかなりスタミナがある子だなと見抜き、それなのに他の子を意識しすぎてせっかくのスタミナを台無しにしてると言えば、他の部分はデビュー前にしてはかなり良いと優しい言葉で褒めて)

(/あー、やっぱりあの部屋そうだったんですね、言ってくださればお相手しましたのに笑……すみませんちょっと考えさせてください)

うん、そうかも…頑張って前の子に追いつかなきゃってそのことで頭がいっぱいになっちゃって…ライスの走りを少し見ただけなのにそこまでわかっちゃうんだね…トレーナーさんってやっぱすごいなぁ…
(まるでレース中の自分の心情を読んだかのように、明確にこちらの気持ちを汲み取って的確なアドバイスをしてくる相手に驚きを隠しきれない様子を見せ、たった一度レースを見ただけでそんなことまでわかってしまうのはやはりトレーナーという職業の賜物なのだろうと羨望の眼差しを向けて)

(/あの時点で既に三件掛け持ち状態でしたしその上で自分が一方的にやりたい事は流石に言い出しにくかったですし、もしオリに抵抗があってここで断られてしまった場合他所でもちょっとやりにくいなと思ったので…とはいえこれは言い訳にしかなりませんし不義理は認めます。
今後は同じようなことがあればまずは相談もするようにします、その上でどうでしょう？出来ればお相手をお願いしたいのですが…他の方にお願いするよりはやはりあなたにお願い出来ればと思うんですがどうですか？)

ははっ、そんな事ないよ。ライスの頑張りに比べれば全然すごくないからさ。あともうちょっと前目に付けると走りやすいかもね。
(ライスの頑張りに比べれば自分なんて全然すごくないと謙遜すれば、次の選抜レースでライスが勝って喜ぶところがみたいなと思ってさらに、前方の方につけた方がライスの脚質に合っている気がするとアドバイスして)

(/今後も何かしたければ相談お願いしますね。自分もタイトルホルダー好きなんで是非お願いしたいです)

ライスがもう少し前に…そっか、もう少し前にいたら今回ももしかしたら勝ててたのかな…あの、ありがとう…ライス、トレーナーさんのアドバイスを信じて頑張るね
(相手の考えを聞いて、実際はそんなに単純な話しではないのかもしれないが、確かに後一歩届かなかったのならもう少し前目にポジショニングしていれば良かったのかもしれないと考えると、改めてトレーナーの存在がどれだけウマ娘にとって大事なのか理解すると同時に、自分にも相手のようなトレーナーが居たらなとそんなことをぼんやり考えつつ、現状では自分の正式なトレーナーではないものの相手への信頼を見せるようにアドバイスを胸に次のレースに向けてトレーニングを頑張ると意気込みを見せて)

(/そう言っていただけて良かったです。場所はどうしますかね？アルダンのところ再利用で大丈夫ですか？)

…さて、ライスが走るレースが回ってきたけど大丈夫かな…別に担当って訳じゃないけど心配だな…
(次の選抜レースの日になり、ライスが出走するということなので気になり見に来たものの、別に担当ウマ娘という訳では無いから気にしすぎかなと思うも、やはりライスの事が気になってレースが始まるのをソワソワと待ち)

(/そうですね、そうしましょう)

…いつもよりも前に…うん、今日まで沢山練習してきたからきっと出来るよね
(レース当日、相手から受けたアドバイスを胸にこの日まで準備をしてきており、自分たちの順番がやってくる手前で自分がとるべき作戦を再度確認するように反芻しながら、これまでよりも好位につける練習をしてきた日々を振り返っていると、いよいよ自分たちの組の出走時間がやってきて。ゲートに入ってスタートを切れば日々の練習の成果もあってか前回よりもいい位置で第四コーナーを迎えることが出来、そのまま一着でゴールをする事が出来て)

ライスお疲れ様、努力が報いた……って全然近寄れない…まぁ、ライスにピッタリなトレーナーが見つかれば嬉しいな
(ライスが勝った所を見て誰よりも喜び、早速駆け寄ろうとするも、さすがに1着になったウマ娘をスカウトしようとするトレーナーは多くて近寄れず、自分もライスをスカウトする気はもちろんあったが新人の自分なんかよりベテランのトレーナーの元に着いた方がいいかもなと思いその場を後にしようとして)

あ、あの、一人ずつ順番で……あっ…通してください…！待って…！
(レースに勝ったのだから当然だが、こんなにも沢山のトレーナーに囲まれた経験なんてなくあたふたしながらも一人ずつと真摯に向き合おうとしていたが、そんな中ただ一人その場を去っていこうとする自分にとっては今日のレースの勝利を後押ししてくれた恩人とも言える人物の後ろ姿が見えれば人混みをかき分けて追いかけていき、後ろから声を振り絞って相手を引き止めようとして)

ん？どうしたのライス？今忙しいんだから抜けてきちゃダメだよ
(後ろから声をかけられてハッとしてすぐ後ろを振り向くと話したかったライスの姿があったが、それでも自分が彼女のような逸材を担当するべきでは無いなと自分の気持ちを押し殺して早く戻りなと促して)

ごめんなさい…でもねライスが勝てたのはトレーナーさんのおかげだから…お礼はちゃんとしなきゃって…
(自分に興味を持って声をかけてくれている多数のトレーナーたちを蔑ろにしてしまっているという自覚はあり、俯きがちに謝罪を口にしながらも今日の勝利は相手のアドバイスがあってのものだと思っており、そんな相手へと感謝はしっかり伝えなければという気持ちを前面に出しつつ、この先指導してもらうなら相手がいいと、そんな気持ちが少しずつ芽生え始めていて)

そっか、偉いねライスは。それじゃ早速お礼してもらおうかな、ライス何してくれるの？
(多くのトレーナーに囲まれてもなお自分のところに来てくれたライスに嬉しく思いながらそっと頭を撫でて、お礼の気持ちはせっかくだし受け取ろうと思い、早速なにをしてくれるのだろうかと期待の眼差しを向けて少しワクワクして)

えっ…？えっと…ライスはありがとうってお礼をちゃんと伝えたかっただけなんだけど……あのね、トレーナーさんはライスの今日の走りを見てどう思ったかな…？
(単純に感謝を伝えたかっただけで、見返りに何かをするという考えまでは無かったため、戸惑いつつも改めてありがとうと言葉のみを伝えて。他のトレーナーたちが声をかけてくれる中そんなそぶりも見せずその場を立ち去ろうとしていたことを思い出すと、今日の選抜レースでの走りを見ていた相手にとって自分は興味を惹かれるような存在ではなかったのだろうかと少し自信なさげにしながら尋ねてみて)

ちゃんと自分の力を引き出せていて良かったと思うよ、というより今日のレースはライスしか見てなかったからさ、あはは…
(自分の指示通りのことを活かして、前回よりもライス自身の才能を引き出せている良いレースだったと評価すれば、ライスの気持ちとは裏腹に自分は今回ライスにしか注目していないと新人トレーナーが何生意気なこと言ってんだろうと恥ずかしそうに言って)

そうなんだ…でも、それならどうしてライスに何も言わないで帰ろうとしたの？気休めのお世辞ならライス聞きたくない…
(相手が自分が思っている以上に自分のことを評価してくれていることがわかって意外に思えたが、それならば尚更一切声をかけることなくこの場を去ろうとしていたことが不可解で、自分に気を遣って偽りの優しい言葉をかけてくれているのだとしたら逆に辛いからと俯きがちに相手の言葉を受け入れたくないと拒絶するように口にして)

そりゃライスの才能を活かすなら経験豊富なトレーナーの方がいいかなって思ったからさ…本当は俺が担当したいけど…
(この前会ったより感情的になってるなと少し疑問に思ったが聞かれた事にはちゃんと答えようと、自分では経験が無くライスを満足させられないかもと自信なさげに言えば、ポロッと本当は自分がライスのトレーナーになりたいと本音が出てしまい)

ライスも…！ライスもね、トレーナーさんにライスのトレーナーになって貰えたらって思ってたんだよ…トレーナーさんはあの時の言葉でライスを変えてくれたから…
(相手なりに考えがあって、その上で本音では自分を担当したいと思ってくれていたことを知れば顔を上げ、その目を真っ直ぐに見据えながらあの時のたった一つのアドバイスがどれだけ自分に対する思い遣りに満ちていて支えになったことか、大袈裟なぐらいに主張しては自分も相手のようなトレーナーの担当ウマ娘になりたいという気持ちを抱いていたのだと率直に伝えて)

俺でいいなら是非、ライスのトレーナーになりたいな。それじゃこれからよろしくね。
(まさかライスも同じことを思っていたとは知らず、驚くもすぐに嬉しくなれば早速ライスにこれから二人三脚でよろしくお願いするねと微笑みかけて)

本当に…？ライスのトレーナーになってくれるの？えへへ…嬉しいなあ、よろしくお願いします
(よもや本当に相手が自分のトレーナーになってくれるとは思ってもみず、信じられないと驚いたような表情を浮かべたが、すぐに嬉しそうに表情を綻ばせると、改めて今日から二人三脚で頑張ることになる相手にペコリと頭を下げて)

それじゃ早速明日からトレーニングしよっか、授業終わったらグラウンドに集合ね。
(ライスのために早速トレーニングメニュー作らなきゃと思い、明日から早速2人でトレーニングを始めると言えば、集合場所と時間帯を伝えて大丈夫そうかと小首を傾げながらライスに聞いてみて)

うん、大丈夫だよ。ライス、頑張るね
(明日の予定を聞けば、それで問題ないと深く頷き、自分のトレーナーになってくれた相手のためにも頑張らなければと珍しく前向きに意気込みを口にして力強い表情浮かべ顔を見上げて)

次の日

遅くなっちゃった…トレーナーさんもう来てるかな…？
(授業が終わった後、先生からのお願いを聞いたり色々とあって予定よりも少しだけ遅れてしまって、急いでグラウンドへとやってくれば、他のウマ娘やトレーナーたちがトレーニングをしている中から目的の人物の姿を探して辺りを見回し歩き)