Game start！(〆)

はぁ……、はぁっ……

（相手に手を離されたので支えを失い、踏鞴を踏みそうになって立ち止まった。当の本人は肩を上下させ、苦しげに呼吸をしている。すっかり渇き切った口を拭い「限度というものがあるだろう」と顔を赤らめながら、相手を睨め付けており）

え～？

（特に相手の目線に怯むでもなく、態とらしくとぼけるような態度を取っては「きりやくんそういうのわかんな～い」と笑いながら口付けのせいで少々普段より赤みの増した相手の唇を指先でなぞる。次第にその指先は首筋へと移動していき、シャツに隠された鎖骨辺りで止まると「…噛ませて？」とあくまでも相手の了承を求めるように首を傾げて)

まだ満足しないのか。…勝手にしろ。

（今更断ったとしても、相手は食い下がりそうにない。ワイシャツのボタンを開けて白い肌を露見させ、逃げるのを半ば諦めてそっぽを向く。態とらしく首を傾げて尋ねてみせた相手の様子は、計算されているというか、内心狡いとも思っていて）

そっちが先に物足りないって言ったんじゃん。

（呆れたような言動をしつつも相手に触れる手付きは繊細そのもので、愛おしいものを愛でるように相手の目尻をすり、となぞる。露わになった鎖骨にぎり、と歯を立てると痕を残すように噛む力を強め）

確かに、そうは言った。君の方こそ、満たされてない様子だがね。

（目を細めて妖しく笑うも鎖骨の辺りに衝撃が走り、その拍子に眉を顰めた。吐息をついて背中に腕を回し抱擁する。先程の繊細な手付きとは打って変わり、獣性さえも感じられる相手の行動にゾクゾクとしている自分がおり）

…でも好きでしょ？こういうの。

（しばらくそうしていた後に口を離し、相手の鎖骨辺りの皮膚にくっきりと残った自分の歯型をなぞるように舌を這わせる。その痕を軽く吸い上げると自身もシャツを引いて相手より少し健康的に焼けた肌を露出させ、「黎斗もやりたいならど～ぞ。」と笑って）

ああ、否定はしないよ。

（細長い指で首筋をなぞった後にアロハシャツの中をまさぐる。それから相手の鎖骨付近に噛み付いた。貴利矢は私の所有物だ、と主張するかのように痕を残してゆく。その姿はさながら吸血鬼のようで）

…っ、積極的だね～。

（肩口に走る痛みに顔を歪ませるものの、すぐにいつもの表情を取り繕うと茶化すようにそう言ってみせる。くっきりと残る歯型に視線を落とし、指先でつう、となぞって)

ふふ。これでおあいこさ。

（口角を上げて満足げに言い、頬に口付けをそっと落として相手から離れる。先程相手につけられた痕を見遣り、「派手にやったな」と呟いて襟元のボタンを留め）

…これじゃ無茶できないかな～。

（アロハシャツでは噛み跡が完全に隠れないらしく、苦々しい表情を浮かべながら戻した襟元から微かに覗く噛み跡を指先でなぞる。「…独占欲強いねえ。名人とかに言われたらどうすんの。」と揶揄うような声でそう笑って)

確かに。首元が空いた服では、隠すのが難しいだろう。…最悪虫に刺されたとでも言えばいい。

（先程の乱れた様子は消え、腕を組み余裕綽々に語りかけている。貴利矢の指摘に対しては、「当然だ。君は研究対象として最高、だからなぁ…」と愛玩動物に接するかのような笑みを浮かべながら、あからさまな建前を述べており）

…なんか腹立つなあ、その言い方。

（いつもの調子を取り戻した相手に眉を顰め、悪戯っぽい笑みを浮かべるとまた身を乗り出し、きっちりと戻されたワイシャツから僅かに覗く首筋に痕を残してやろう、と態とらしく音を立てて吸い付き)

何をする。この私に楯突くな！　うっ……

（目を据えて抗議するも相手にとっては無意味のようで、首の根元付近に内出血の痕が残された。プライドが傷付けられたようでそれを手で隠し、「貴様…」と上擦った声で呟き顔を背けている。対して赤くなった耳が此方を覗いており）

これで黎斗も「おあいこ」でしょ？

（思い通りに事が運んで機嫌がいいのか、けたけたと楽しそうに笑いながらそう言ってみせる。「自分だけ隠さなきゃいけないのって嫌なんだよね～。」と自分の首筋に残る、今しがた相手の噛んだ痕をとんとん、と指で指し示して)

君らしいな。負けん気が強い所は、まぁ……存外嫌いでは無い。

（とは言いつつも、ポッピーに目を付けられると後々面倒になるのが想像でき、湿布でも貼って隠そうかと考えていた。此方側が折れたのか、相手の背後にまわって抱擁し「貴利矢」と普段なら絶対に出さないような甘え声で、名前を呼んでおり）

…何？

（相手から発される甘い声にぞわ、と背筋が震えるものの、抱擁されると表情を緩めて首を傾げる。手を伸ばし、自分より背の高い相手の頬を優しく撫でてやり)

触れたい、だけでは駄目だろうか。

（普段は電子の檻に閉じこもっているため、当の本人は人肌恋しく、単に構って欲しいだけのようであった。肩に顔をうずめ、その拍子に黒髪がふわりと揺り動き）

…いーよ、好きなだけどうぞ。

（相手の言葉に瞳を細め、柔らかな手付きでその黒髪を何度か撫でてやる。相手が触れやすいように今しがた戻したアロハシャツの襟も開いてやり）

愛おしい……

（普段は手厳しい相手だが、たまに要求を呑んでくれる辺り甘い一面があると思った。色彩豊かな服の隙間から覗く健康的な肌、その表面を、ガシャットをメンテナンスする時のように優しく、そして繊細に撫でる。しかし悪戯心が芽生えたのか、添えた手を下腹部の方へ移動させて撫で回しており）

…っ、

（最初のうちは心地良いのか瞳を細めたまま相手の自由にさせていたが、相手の手が繊細な手付きのまま自分の臍下辺りへ降りてくるとぞわり、と身体を震わせる。抵抗するように自分の手を伸ばし、相手の手を少しばかり力を込めて握り）