愛を謳う　【 ホスト/BML 】

　　総司（ ツカサ ）　／　>284


…揶揄ってんだろ｡──ん､そこ迄強く無かったしな｡…アンタからしたら普通かもしんねェけど､俺からすれば優しい奴だ｡
（　口角を上げ顔を覗き込む様に見て来る彼に眼を合わせて呟けば､何を思ったのかすっと手を伸ばし頬に触れ数回撫でた後､痛くない程度に頬を引っ張り仕返しだと言いたげにし｡優しい手付きで触れる感覚に少し擽ったさを感じながら思わず僅かに眼を細めて其の行動を見詰め｡こんな風に己自身に優しく触れる奴など居ない､其れに客に当たっただけで心配する奴が優しくない訳無いだろうと思い｡確りとした口調で優しいと改めて伝えて｡「…断られたらどうしようかと思ったが安心した｡折角の休み､俺に時間くれんの?」嬉しそうに笑う彼へと眼を向け､2日も誘ったが用事等があって断られるかもしれないと何処か内心不安もあったが､了承してくれた事に安堵した様に少し息を吐き｡「……何故そこにグッと来たのかは分からねェけど､良いのか?アンタのお気に入りのスーツとかだったら申し訳ねェんだけど｡」何故かスーツをくれるらしい彼の言葉を呑み込むのに思わず少し時間が掛かり僅かに首を傾げ､真っ直ぐに此方を見る彼を見詰め返して｡何故そういった決断に至ったのかは疑問で仕方無い為､後で聞こうと思い｡　）